橋を描いた
村へ架かる橋を下から見上げて
そこにちょうど女の人が
橋を渡って行くのが見えた
何年前に建てられた橋なんだろう
遠い昔の戦でも焼け落ちなかった
と自慢げに土地の古老が言う
いまはもうなくなってしまった
川の水を懐かしむように

昔、秋の収穫祭の前じゃったと
敵がこの村を襲うて来たのは。
ちょうど街に出ておった女が
それを聞きこの橋を渡って
村に走りこんで「敵が来るぞ」と
叫んで死んだそうな。
村のみんなは一人たりとも村には
いれん覚悟でこの橋を渡って村の外で
戦って村を守ったという。
それ以来橋の上を村に向かってくる
一人の女を見たものには幸せがくる
とこの村ではそんな言い伝えが残ってるんだ
あんた、見たのか
それはよかった。きっといいことが
あるだろうと古老は目を細めた