
「(金融機関名)は、政府より平成19年6月に公表されました『企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針』に基づき、反社会的勢力との関係遮断に向けた取り組みを行っております」。これはある金融機関の「お客様へ」という紙面の書き出し。さらに続く。
「これに伴い、(金融機関名)の取引にかかわる規定・定款に反社会的勢力との関係遮断に係わる規定をもうけさせていただきました。
また、新たにお取引をお申し込みいただく際には、反社会的勢力ではないことの表明・確約をお願いすることとしております。
お客様にはお手数をおかけしますが、何卒、ご理解ご協力を賜りますようお願い申し上げます」
申込人は次の事項に該当しない事を表明・確約する。
(1)暴力団 (2)暴力団員 (3)暴力団員準構成員 (4)暴力団関係企業 (5)総会屋等、社会的運動等標ぼうゴロまたは特殊知能暴力集団等 (6)その他前各号に順ずる者
この表明・確約にそむいた場合や虚偽の申告に伴い金融機関へ損害を与えた場合は取引の停止及びその損害を賠償するなどの責を負うことになる。
何十年と取引をし、1度も迷惑行為をしたことはない。たまたま満期になった定期を解約し新たな定期口座を開くときに求められた「表明と確約」、ここまで世情は変わっていると驚いた。ひとりでは絶対にできない反社会的勢力へのせめてもの抵抗と思い署名・捺印した。
反社会的勢力との絶縁は難しいといわれる。こうした見えない所での積み重ねがその力のひとつになるなら、市井のひとりとしては応じやすい。