
1945(昭和20)年の今日、岩国駅周辺は100機余のB29による絨毯爆撃で、500人を超える死者と1千人近い負傷者が出た。爆撃の跡は蜂の巣状の惨状となった。日が変わった翌日、玉音放送で日本の敗戦を知る。それが確定しているのに「なぜ」という気がする。
岩国駅の隣に西岩国駅がある。ここも鉄道の変遷のままに歴史を重ねてきた。西岩国駅のある地区は戦争による爆撃の被害に遭うことなく終戦をむかえた。そのため、築80年余の駅舎が今に続いている。
ローカル線の無人駅ではあるが、駅舎入り口のアーチ部分は五連の錦帯橋を模し、赤瓦の屋根や木製の改札口などが大正ロマンを感じさせる。2006 (平成18)年 8月、国の登録有形文化財に指定され、その銘版が歴史を教えてくれる。
その駅舎の元の駅事務室がイベント会場として利用されている。絵画・写真・書道などあらゆるジャンルの作品発表や展示など、年間を通して市民や観光の人を喜ばせてくれる。利用は個人から同好会など幅広い。
1979 (昭和54)年に開業50周年を節目に駅舎の永久保存が決定された。その際、改札口などとあわせ天井のシャンデリアなどが開業当時の姿に復元されたいう。このレトロさが展示を引き立てるの陰の力になっている。静かな雰囲気での作品観賞は小美術館を思わせる。
駅舎は現在、JR西日本から岩国市に移っており、NPO法人西岩国・駅と広域まちづくりの会が岩国市より駅舎の管理を受託している。元改札窓口に常駐者おられ、初めての方は声をかけるとよい。
(写真:レトロなイベント会場の天井)