中学1年のとき軟式テニス部に所属した。夏休み、今の中学生ほどハードではないが練習に参加していた。実力のない部員はコートの後ろで、抜けたボールを拾って返す。腰をかがめて抜けるボールを待ちながら、選手たちの練習を盗み取るのが私の練習だった。
当時のコートはただの地面。見た目にも凹凸が分かる。そんなコートだからは抜けるボールも結構ある。それを競い合って拾っていた。それでどのくらい汗をかいたものか覚えてもいない。暑さをしのぎたいが、泳いではいけない、水を飲んではいけないという伝統だった。
この夏は熱中症防止策のひとつとしてニュースでも気象予報でも「水分を摂りましょう」と繰り返し報道、今も続いている。スマートな容器も発売され、歩きながら飲む光景もよく目にした。スポーツ飲料を手にする人も多く見かけた。あのころテニスの練習中、水を飲まなくても倒れなかった。今ほど暑くなかったのか、体力があったのか、考えるが分からない。
冷菓は柔らかくなる間もなく飛ぶように売れたという。氷も売れたという。暑いのによく我慢してと眺めたソフトクリーム屋の行列。あるスーパーで店内のカゴ一杯にカップ入りのアイスクリームを買った人、子ども会の行事だろうか。それぞれの水分補給方法がある。
(暑さの写真2:氷の旗も暑くて動きたくないとか)