ここ椎尾神社は岩国城下の安泰を願ってまつられたこの地区の氏神さまとされる。数日前、鳥居のそばへ祭禮を知らせる大きな幟が立った。例年、幟が立つと献燈に灯りがともされる。これを楽しみにしている。
200段あまりの石段にそれが灯され、見た目には天空への道しるべにも見える。この日を待っていたのか3人のカメラマンが小声でアングルの相談をしている。
通りかかった若い男女。「オォきれい」と携帯で撮っている。自転車に大きな荷物を積んでいる。行き先を聞くと「広島まで」。早朝ウオークの人も手を合わせる。
この地の鎮守の神へお願いをしに初詣の日はこの石段を上る。帯のように続く参拝者の列に混じりゆっくりと石段を踏む。参拝は1年に1度この日だけ。朝ウオークの時は鳥居の前で一礼している。
子どものころ、夏休みの終わるころに大きな輪をくぐる「すがぬけ」のときも石段を上った。翌朝、輪の周りには日焼けして黒くなった子供たちの皮が剥げ落ちている、そんな話を聞かされたこともあった。
明日は祭禮の太鼓の音がかすかにだけど我家でも聞ける。
(写真:祭禮の幟と献燈の灯り))