小説アイドリアン 第一回 一度だけファンレター、一度だけ握手会 (ナッキー)
事実をブログに書いてもよいものか、迷ったので、小説という形で書いてみた。この小説は私小説である。
「何故AKB48が好きなのですか。」と質問されたら、その答えは、「アイドルが好きだから。」、もっと正確に「歌うアイドルが好きだから。」ですね、アイドリアンを自称するナッキーは、時々こんなことを考える。
歌うアイドルなら、モーニング娘。に代表されるハロプロがいた。ハロプロも好きだったが、AKB48のようには熱中しなかった。何故か。
それは、人数の多いAKB48は、自分の好みに、ぴったりと一致するメンバーが潜んでいるから。
ナッキーが一推しのメンバー、平嶋夏海が、おニャン子クラブやハロプロのメンバーとしてデビューすることが出来ただろうか。出来たかもしれないし、出来なかった可能性も高い。
明彩美もそうである。AKB48という幅広い個性を、アイドルとしてデビューさせる仕組みがあったから、彼女は私たちの前に登場した。
ナッキーが、平嶋夏海推しを決めたのは、2007年6月に見たチームB1stステージ「青春ガールズ」公演である。弾むように踊る平嶋夏海に魅せられてしまったナッキーは、生まれて初めてのファンレターを平嶋夏海に書く。そして、毎週一通のペース、少なくとも一月に3通は書いていた。
一推しは平嶋夏海だが、シアターに通い続けていたナッキーは、他のメンバーも好きになる。まず、シンディこと浦野一美。
シンディには、一度だけファンレターを書いたことがある。シアターのMCで、「私は20才を越えたのに、何故自民党総裁選の投票用紙がこないのか」と疑問を発したシンディに、投票の仕組みを解説し、MCの視点の面白さを褒めた。その後、シンディとの握手会で、手紙に対するお礼を言われた。
このブログ記事は、後に、片山陽加が、シンディのMCは何故面白いかと、シアターのMCで引用した。
AKB48に熱中し始めた頃は、一推しにしかファンレターを書いてはいけないと思っていたナッキーは、シンディに感謝されたことより、シアターでのMCを真剣に聞くようになった。メンバーが分からないことを教えてあげるのも、AKB48ファンとして応援の一つの形態なのだと気がついたのである。
もう一人ファンレターを書いたメンバーが明彩美である。当時は研究生。彼女が疑問をナッキーがキャッチしたのは、モバイルメールによる。アイスクリームの裏に書いてある細かい字を読んで、彼女は疑問に思ったことをメールに書いてきた。
クーリッシュっていう飲むアイスの裏に注意書きがある。
※これはアイスなので、一度溶けたものを再び凍らせると品質が変わります。
※お召し上がりの時は強く吸いすぎないようご注意ください。
ここまでは理解できる。けれども、
※長時間持つと手が冷たくなります。
そんな事言われなくても自分で気づくけど、これを書いたのは、優しさなのかな
私は、次のように手紙を書いた。「優しさではなく、凍傷になったなど、裁判で訴えられた時に、きちんと注意書きに書いてあり、注意義務は果たしていると、会社を防御するためなのです。」
シンディの時と同様、明彩美が私の手紙を読んでいるか、ナッキーは確認したくなった。そして、握手会に参加した。握手会は、短い時間だったが、彼女の顔の表情より、私の手紙を読んで、それを覚えていることを確信した。
そして、その日のモバイルメール。「xxxと励ましてくれた人」「yyyを褒めてくれた人」「zzz似合うよと言ってくれた人」のように、握手会に来てくださったファンへの感謝が述べられている中で、「ファンレターで教えてくれた方」との記載があった。
ナッキーは、彼女の握手会に参加したファンの中では、年長者だと自覚していたので、「ファンレターで教えてくれた」という内容と、「方」という年上に対する表現より、再度、自分の手紙を彼女が読んだことを認識したのであった。
ナッキー
事実をブログに書いてもよいものか、迷ったので、小説という形で書いてみた。この小説は私小説である。
「何故AKB48が好きなのですか。」と質問されたら、その答えは、「アイドルが好きだから。」、もっと正確に「歌うアイドルが好きだから。」ですね、アイドリアンを自称するナッキーは、時々こんなことを考える。
歌うアイドルなら、モーニング娘。に代表されるハロプロがいた。ハロプロも好きだったが、AKB48のようには熱中しなかった。何故か。
それは、人数の多いAKB48は、自分の好みに、ぴったりと一致するメンバーが潜んでいるから。
ナッキーが一推しのメンバー、平嶋夏海が、おニャン子クラブやハロプロのメンバーとしてデビューすることが出来ただろうか。出来たかもしれないし、出来なかった可能性も高い。
明彩美もそうである。AKB48という幅広い個性を、アイドルとしてデビューさせる仕組みがあったから、彼女は私たちの前に登場した。
ナッキーが、平嶋夏海推しを決めたのは、2007年6月に見たチームB1stステージ「青春ガールズ」公演である。弾むように踊る平嶋夏海に魅せられてしまったナッキーは、生まれて初めてのファンレターを平嶋夏海に書く。そして、毎週一通のペース、少なくとも一月に3通は書いていた。
一推しは平嶋夏海だが、シアターに通い続けていたナッキーは、他のメンバーも好きになる。まず、シンディこと浦野一美。
シンディには、一度だけファンレターを書いたことがある。シアターのMCで、「私は20才を越えたのに、何故自民党総裁選の投票用紙がこないのか」と疑問を発したシンディに、投票の仕組みを解説し、MCの視点の面白さを褒めた。その後、シンディとの握手会で、手紙に対するお礼を言われた。
このブログ記事は、後に、片山陽加が、シンディのMCは何故面白いかと、シアターのMCで引用した。
AKB48に熱中し始めた頃は、一推しにしかファンレターを書いてはいけないと思っていたナッキーは、シンディに感謝されたことより、シアターでのMCを真剣に聞くようになった。メンバーが分からないことを教えてあげるのも、AKB48ファンとして応援の一つの形態なのだと気がついたのである。
もう一人ファンレターを書いたメンバーが明彩美である。当時は研究生。彼女が疑問をナッキーがキャッチしたのは、モバイルメールによる。アイスクリームの裏に書いてある細かい字を読んで、彼女は疑問に思ったことをメールに書いてきた。
クーリッシュっていう飲むアイスの裏に注意書きがある。
※これはアイスなので、一度溶けたものを再び凍らせると品質が変わります。
※お召し上がりの時は強く吸いすぎないようご注意ください。
ここまでは理解できる。けれども、
※長時間持つと手が冷たくなります。
そんな事言われなくても自分で気づくけど、これを書いたのは、優しさなのかな
私は、次のように手紙を書いた。「優しさではなく、凍傷になったなど、裁判で訴えられた時に、きちんと注意書きに書いてあり、注意義務は果たしていると、会社を防御するためなのです。」
シンディの時と同様、明彩美が私の手紙を読んでいるか、ナッキーは確認したくなった。そして、握手会に参加した。握手会は、短い時間だったが、彼女の顔の表情より、私の手紙を読んで、それを覚えていることを確信した。
そして、その日のモバイルメール。「xxxと励ましてくれた人」「yyyを褒めてくれた人」「zzz似合うよと言ってくれた人」のように、握手会に来てくださったファンへの感謝が述べられている中で、「ファンレターで教えてくれた方」との記載があった。
ナッキーは、彼女の握手会に参加したファンの中では、年長者だと自覚していたので、「ファンレターで教えてくれた」という内容と、「方」という年上に対する表現より、再度、自分の手紙を彼女が読んだことを認識したのであった。
ナッキー