『教科書に載せたいアイドル史の300曲』を4回に亘って掲載したので、目次を作成しました。
『教科書に載せたいアイドル史の300曲』その1(70年代)
『教科書に載せたいアイドル史の300曲』その2(80年~82年)
『教科書に載せたいアイドル史の300曲』その3(83年~87年)
『教科書に載せたいアイドル史の300曲』その4(88年~2025年)
参考文献
・『歌謡曲名曲名盤ガイド1970s』(Hotwax)
・『歌謡曲名曲名盤ガイド1980s』(Hotwax)
・『アイドル楽曲ディスクガイド』(ピロスエ編)
・その他、LP・CDの歌詞カード、各アイドルのホームページ等
この『教科書に載せたいアイドルポップの300曲』を選曲するに当たり、有識者である数名の友人にも意見を求めたところ、まず「アイドル」の定義をする必要があると助言されました。
全く妥当な意見だと思います。痛いところを指摘されたと感じました。どこまでがアイドルに含まれるのか範囲を明確にしないと、選曲も何もあったものじゃないでしょう。実際、この人はアイドルなのか否か、迷うような存在は多数います。
小柳ルミ子は入れたが、山本リンダや安西マリアは入れないのか?
薬師丸ひろ子は入れたが、吉永小百合は入れないのか?
森高千里は入れたが、ZARDや岡本真夜やプリンセスプリンセスは入れないのか?
SPEEDやZONEは入れたが、安室奈美恵や浜崎あゆみやKiroroは入れないのか?
長年アイドルを鑑賞、研究して来たのに、その「アイドル」とは何か、明確な定義は未だできていません。その自覚はあります。その時々、曖昧な判断基準で線を引いて来ました。しかし、実はそれは非常に難しいことなのです。幾度も試みて、正解にはたどり着いていません。
でもいい機会なので、改めて、果敢に「定義問題」にチャレンジしてみようと思います。
【案1】
「アイドルとは聴き手にときめきを与える存在」
これが私個人にとって一番しっくり来て、簡潔な定義です。「聴き手」としているので歌手が前提となり、「ときめき」がキーワードとなって、主に若い女性歌手が該当し、オペラ歌手や演歌歌手等は含まないことも示しています。
この定義の難点は、あまりに主観的なことです。「聴き手」を「私」に置き換えれば、つまりは私がときめいたらアイドルなのだと言っています。「朕が国家なり」「俺がルールだ」と同じです。自分の趣味なのだから本来これでいいのです。でも、それを他人と共有しようと思ったら、もう少し詳しい言語化が必要になってきます。
【案2】
「アイドルとは年に数枚のシングルレコードを発売し、テレビの歌番組等での歌唱パフォーマンスを活動の根幹とした、主に10代から20代前半の女性歌手またはグループ。1970年代から1980年代が全盛期だった。」
極めて外形的な定義です。当時のアイドル歌手の活動内容を示すことで、バンドやグラビアアイドルなどを除外しています。もちろん現在のグループアイドル、地方アイドル等も「アイドル」という呼称ではありますが、テレビやレコードで「楽曲を鑑賞」する対象であった当時のアイドルとは大きく変質している気がします。ライブやイベントやSNSで本人たちを応援することが主体の「推し活」の対象なのではないでしょうか。
【案3】
「アイドルとは歌手ではあるが歌唱技術への依存度は低く、容姿、衣装、振付、動作、日頃の言動も含め『全身全霊』で『青春のときめき』を表現する者」
「歌手」と「アイドル歌手」の違いから定義してみました。一般的に「アイドルは歌が下手」と揶揄されることを逆手に取って、歌の巧拙は一要素に過ぎない総合的な表現者であるという主張も盛り込んでいます。
この「歌手」と「アイドル歌手」の関係は「本」と「絵本」の関係に例えられると思います。
文章だけの「本」ではなく、文章と絵が一体となっている創作物が「絵本」です。文章と絵のどちらが主でどちらが従ということはありません。挿絵の多い「本」などはボーダー上にあるでしょう。絵本が子供向けと思われているのは、アイドルが若者向けと思われているのに近いです。しかし、大人が見ても楽しい絵本が沢山あるように、大人の鑑賞に堪えうるアイドルも多数います。
いろいろ試みましたが、この「定義」を考え続けることが1つの研究テーマでもあり、私のライフワークとも言えるでしょう。そこで、今回は暫定的に、この「300曲」選定の分母としての定義を下記の通り定めました。
【この「300曲」選定の分母としての定義】
「アイドル」の定義は、「青春のときめき」を主要なテーマとする歌謡曲を定期的にリリースし、地上波テレビの歌番組で歌唱技術のみに依存せず全身全霊でのパフォーマンスを披露した主に10代~20代前半の女性歌手とする。
※「ときめき」は聴き手の主観ではなく、歌のテーマのキーワードとして盛り込んだ。客観要素も入れることで、テレビ歌番組に出ない(出られない)バンド、地下アイドル等は除外。年齢要素は抑えとして入れるが、結婚後の松田聖子など例外もある。
『教科書に載せたいアイドル史の300曲』その1(70年代)
『教科書に載せたいアイドル史の300曲』その2(80年~82年)
『教科書に載せたいアイドル史の300曲』その3(83年~87年)
『教科書に載せたいアイドル史の300曲』その4(88年~2025年)
参考文献
・『歌謡曲名曲名盤ガイド1970s』(Hotwax)
・『歌謡曲名曲名盤ガイド1980s』(Hotwax)
・『アイドル楽曲ディスクガイド』(ピロスエ編)
・その他、LP・CDの歌詞カード、各アイドルのホームページ等
この『教科書に載せたいアイドルポップの300曲』を選曲するに当たり、有識者である数名の友人にも意見を求めたところ、まず「アイドル」の定義をする必要があると助言されました。
全く妥当な意見だと思います。痛いところを指摘されたと感じました。どこまでがアイドルに含まれるのか範囲を明確にしないと、選曲も何もあったものじゃないでしょう。実際、この人はアイドルなのか否か、迷うような存在は多数います。
小柳ルミ子は入れたが、山本リンダや安西マリアは入れないのか?
薬師丸ひろ子は入れたが、吉永小百合は入れないのか?
森高千里は入れたが、ZARDや岡本真夜やプリンセスプリンセスは入れないのか?
SPEEDやZONEは入れたが、安室奈美恵や浜崎あゆみやKiroroは入れないのか?
長年アイドルを鑑賞、研究して来たのに、その「アイドル」とは何か、明確な定義は未だできていません。その自覚はあります。その時々、曖昧な判断基準で線を引いて来ました。しかし、実はそれは非常に難しいことなのです。幾度も試みて、正解にはたどり着いていません。
でもいい機会なので、改めて、果敢に「定義問題」にチャレンジしてみようと思います。
【案1】
「アイドルとは聴き手にときめきを与える存在」
これが私個人にとって一番しっくり来て、簡潔な定義です。「聴き手」としているので歌手が前提となり、「ときめき」がキーワードとなって、主に若い女性歌手が該当し、オペラ歌手や演歌歌手等は含まないことも示しています。
この定義の難点は、あまりに主観的なことです。「聴き手」を「私」に置き換えれば、つまりは私がときめいたらアイドルなのだと言っています。「朕が国家なり」「俺がルールだ」と同じです。自分の趣味なのだから本来これでいいのです。でも、それを他人と共有しようと思ったら、もう少し詳しい言語化が必要になってきます。
【案2】
「アイドルとは年に数枚のシングルレコードを発売し、テレビの歌番組等での歌唱パフォーマンスを活動の根幹とした、主に10代から20代前半の女性歌手またはグループ。1970年代から1980年代が全盛期だった。」
極めて外形的な定義です。当時のアイドル歌手の活動内容を示すことで、バンドやグラビアアイドルなどを除外しています。もちろん現在のグループアイドル、地方アイドル等も「アイドル」という呼称ではありますが、テレビやレコードで「楽曲を鑑賞」する対象であった当時のアイドルとは大きく変質している気がします。ライブやイベントやSNSで本人たちを応援することが主体の「推し活」の対象なのではないでしょうか。
【案3】
「アイドルとは歌手ではあるが歌唱技術への依存度は低く、容姿、衣装、振付、動作、日頃の言動も含め『全身全霊』で『青春のときめき』を表現する者」
「歌手」と「アイドル歌手」の違いから定義してみました。一般的に「アイドルは歌が下手」と揶揄されることを逆手に取って、歌の巧拙は一要素に過ぎない総合的な表現者であるという主張も盛り込んでいます。
この「歌手」と「アイドル歌手」の関係は「本」と「絵本」の関係に例えられると思います。
文章だけの「本」ではなく、文章と絵が一体となっている創作物が「絵本」です。文章と絵のどちらが主でどちらが従ということはありません。挿絵の多い「本」などはボーダー上にあるでしょう。絵本が子供向けと思われているのは、アイドルが若者向けと思われているのに近いです。しかし、大人が見ても楽しい絵本が沢山あるように、大人の鑑賞に堪えうるアイドルも多数います。
いろいろ試みましたが、この「定義」を考え続けることが1つの研究テーマでもあり、私のライフワークとも言えるでしょう。そこで、今回は暫定的に、この「300曲」選定の分母としての定義を下記の通り定めました。
【この「300曲」選定の分母としての定義】
「アイドル」の定義は、「青春のときめき」を主要なテーマとする歌謡曲を定期的にリリースし、地上波テレビの歌番組で歌唱技術のみに依存せず全身全霊でのパフォーマンスを披露した主に10代~20代前半の女性歌手とする。
※「ときめき」は聴き手の主観ではなく、歌のテーマのキーワードとして盛り込んだ。客観要素も入れることで、テレビ歌番組に出ない(出られない)バンド、地下アイドル等は除外。年齢要素は抑えとして入れるが、結婚後の松田聖子など例外もある。