『唇にBe My Baby』の初週売り上げが90.5万枚にとどまり、連続初週ミリオン記録が途切れたとのこと。
そもそも「握手券のオマケ」として1人で何枚も購入することを原動力にした100万枚にどれほどの意味があるか疑問だが、とりわけ「初週」100万枚という概念には全く意味がないと思う。集計上、週を跨がないように水曜日発売にするとか、本当に無意味な習慣だ。
『唇にBe My Baby』を5日ほど遅れて配信購入したが、何と5タイプ合わせてカップリング曲が10曲もあった。11曲入りアルバムが出たと思って、じっくり聴き込みたいと思う。
その5タイプ全てにカップリング曲として収録されているのが『365日の紙飛行機』だ。NHKの朝ドラ『あさが来た』の主題歌として、10月から毎朝流れている曲だ。ドラマの視聴率は25%前後で推移しており絶好調。そのおかげで、AKBファン以外の多くの国民の耳に届くこととなった。そして概ね歌の評判もいい。
どんな歌でも何回も繰り返して聴けば良さが分かって来るという現象はあるが、この曲は元々いい曲だと思う。1度聴いただけで引きつけられるし、かと言って奇をてらった所はなく、正統派の楽曲である。毎朝聴いても飽きが来ないような、いわゆる「スルメ曲」と言える。
出だしの歌詞「朝の空を見上げて 今日という一日が」という部分が秀逸だ。歌詞全体の意味とは関係なく、この部分だけで朝を迎えたさわやかさが感じられ、朝ドラ主題歌という場に適合している。ラジオ体操の主題歌の出だし「新しい朝が来た 希望の朝が」と同様だ。
歌詞全体は、やや理屈っぽい、秋元康らしい歌詞だ。一人ひとりユニークでかけがえのない人生というテーマを、手堅く表現している。「紙飛行機が飛んだ距離よりも、どこをどう飛んだかが大事」というのは『チャンスの順番』の「空を飛ぶ雲のどれが一番速いかは意味がない」という比喩と同じだ。
しかし何より山本彩の歌唱だ。
主題歌がAKB48と知った段階で拒否反応を示した人も相当数いたと思うが、主題歌が嫌だからドラマ自体見ないという人はまずいない。そして実際に主題歌を聴いてみて、意外にいいなと思ったはずである。
それは、自分が知っているAKB48とは違う、J-POPミュージシャンのような落ち着いた山本の歌唱の印象による所が大きい。
山本のソロは冒頭のAメロだけで、その後はいつものように他のメンバーが複数人で歌い継いでいくスタイルなのだが、聴き手には山本の歌唱の印象が強く残る。朝ドラ主題歌という大きな仕事を得た時に、山本彩というボーカリストを隠し持っていたのはAKBグループにとっては幸運だったと言える。
この曲は、年末のNHK紅白歌合戦でも何らかの形で歌われるのは間違いないので、更に多くの人々に山本彩の歌唱は届くだろう。そして、そういうAKB48ファン以外の人によって、じわじわとCDの売り上げも継続すると思われる。「初週」で到達しなかった100万枚にも、そのうち届くのではなかろうか。参考として、天野春子(小泉今日子)の『潮騒のメモリー』は15万枚以上売れたようだ。
握手会の回数を追加しなくても、歌の力そのものでミリオン達成できれば、何倍も価値がある。図らずもこれまでのAKB商法へのアンチテーゼになっているのが痛快だ。
しかし、そうすると、次のシングルは卒業生を担ぎ出してミリオン継続、その次は選挙権付きなので危なげなくミリオン継続、と算盤を弾いているかもしれない。いつかは途切れるものであり、無理矢理こだわるべきものではないと思うのだが。
そもそも「握手券のオマケ」として1人で何枚も購入することを原動力にした100万枚にどれほどの意味があるか疑問だが、とりわけ「初週」100万枚という概念には全く意味がないと思う。集計上、週を跨がないように水曜日発売にするとか、本当に無意味な習慣だ。
『唇にBe My Baby』を5日ほど遅れて配信購入したが、何と5タイプ合わせてカップリング曲が10曲もあった。11曲入りアルバムが出たと思って、じっくり聴き込みたいと思う。
その5タイプ全てにカップリング曲として収録されているのが『365日の紙飛行機』だ。NHKの朝ドラ『あさが来た』の主題歌として、10月から毎朝流れている曲だ。ドラマの視聴率は25%前後で推移しており絶好調。そのおかげで、AKBファン以外の多くの国民の耳に届くこととなった。そして概ね歌の評判もいい。
どんな歌でも何回も繰り返して聴けば良さが分かって来るという現象はあるが、この曲は元々いい曲だと思う。1度聴いただけで引きつけられるし、かと言って奇をてらった所はなく、正統派の楽曲である。毎朝聴いても飽きが来ないような、いわゆる「スルメ曲」と言える。
出だしの歌詞「朝の空を見上げて 今日という一日が」という部分が秀逸だ。歌詞全体の意味とは関係なく、この部分だけで朝を迎えたさわやかさが感じられ、朝ドラ主題歌という場に適合している。ラジオ体操の主題歌の出だし「新しい朝が来た 希望の朝が」と同様だ。
歌詞全体は、やや理屈っぽい、秋元康らしい歌詞だ。一人ひとりユニークでかけがえのない人生というテーマを、手堅く表現している。「紙飛行機が飛んだ距離よりも、どこをどう飛んだかが大事」というのは『チャンスの順番』の「空を飛ぶ雲のどれが一番速いかは意味がない」という比喩と同じだ。
しかし何より山本彩の歌唱だ。
主題歌がAKB48と知った段階で拒否反応を示した人も相当数いたと思うが、主題歌が嫌だからドラマ自体見ないという人はまずいない。そして実際に主題歌を聴いてみて、意外にいいなと思ったはずである。
それは、自分が知っているAKB48とは違う、J-POPミュージシャンのような落ち着いた山本の歌唱の印象による所が大きい。
山本のソロは冒頭のAメロだけで、その後はいつものように他のメンバーが複数人で歌い継いでいくスタイルなのだが、聴き手には山本の歌唱の印象が強く残る。朝ドラ主題歌という大きな仕事を得た時に、山本彩というボーカリストを隠し持っていたのはAKBグループにとっては幸運だったと言える。
この曲は、年末のNHK紅白歌合戦でも何らかの形で歌われるのは間違いないので、更に多くの人々に山本彩の歌唱は届くだろう。そして、そういうAKB48ファン以外の人によって、じわじわとCDの売り上げも継続すると思われる。「初週」で到達しなかった100万枚にも、そのうち届くのではなかろうか。参考として、天野春子(小泉今日子)の『潮騒のメモリー』は15万枚以上売れたようだ。
握手会の回数を追加しなくても、歌の力そのものでミリオン達成できれば、何倍も価値がある。図らずもこれまでのAKB商法へのアンチテーゼになっているのが痛快だ。
しかし、そうすると、次のシングルは卒業生を担ぎ出してミリオン継続、その次は選挙権付きなので危なげなくミリオン継続、と算盤を弾いているかもしれない。いつかは途切れるものであり、無理矢理こだわるべきものではないと思うのだが。