AKBグループは時々社会的な問題意識に言及したメッセージソングを発表して来た。
特に初期は『誰かのために』『ロックだよ、人生は』『街角のパーティー』『夢の鐘』『目撃者』『僕にできること』など、数も多かった。 2011年の記事リンク
AKB48『僕たちは戦わない』(2015年)。 当時の記事リンク
STU48『花は誰のもの』(2022年)。 当時の記事リンク
上記以外にも、今思い出せない楽曲があったかもしれない。
今回のHKT48『僕はやっと君を心配できる』は、久々のメッセージソングだが、切り口が少し変わっている。世界で起きている不幸な出来事を、安全な部屋の中からネットやテレビのニュースで見るだけでは、本気で心配や共感できるはずがない。だから部屋を出て外の風に当たることが必要だ、というのがこの曲のメッセージだ。相対的に平和で安全で自由な(と思い込んでいるだけかもしれないが)日本にいて、ガザやウクライナの惨状を自分ごととして受け止めるには余程の想像力が必要だ。そして想像できたとして、彼らのためにできることは限られている。そういうもどかしさ、もっと言えば無力感も滲み出ている。それでもこういう楽曲を聴いて、何かできることはないかと考えるだけでも、何も考えないよりははるかにいい。
この楽曲では「夢」や「愛」に光を見出そうとしている。そして若者には時間があるとも歌っている。それも1つの答えかもしれない。多くの若者に聴いてほしい曲だ。
カップリング曲の中では『最強アイドルよろしく!』が気になった。
歌い出しの歌詞が「ドームツアーはまだ遠くの夢だけど いつ日かきっと紅白に出るぜ」。
はて? HKT48は紅白歌合戦に出たことがあったはず。ドームツアーだってやったことはあるのでは?
確認してみると、HKT48は2014年のNHK紅白歌合戦に初出場し、『メロンジュース』を歌っている。その年はAKB48(歌唱曲『心のプラカード』)、SKE48(歌唱曲『不器用太陽』)、NMB48(歌唱曲『イビサガール』)も出場しており、今から思えば48グループの人気のピークだったと言える。ちなみに、翌2015年にはAKB48(歌唱曲『スペシャルメドレー』)とNMB48(歌唱曲『365日の紙飛行機』)の2グループ出場にとどまり、一方で乃木坂46が初出場し『君の名は希望』を歌っている。
その後、HKT48主力メンバーのAKB48としての出場はあるが、HKT48としての2回目の出場は実現していない。ずっと2回目の出場を悲願にしていたと思う。しかし考えてみれば、現在のメンバーのほとんどは2014年には在籍していなかったので、初出場を目指しているようなものかもしれない。
しかし、素直に聴けば、『最強アイドルよろしく!』はHKT48のことを歌った自己言及ソングではないのだろう。まだ売れていない創作上のアイドルグループのことを歌った楽曲なのだ。そういう楽曲があってもいいし、自己言及ソングだと決めつけてしまう当方に問題があるのだ。でも、どうしてもHKT48自身のことと結び付けて考えてしまうのを止められない。秋元康の術中に嵌っているのだろう。
特に初期は『誰かのために』『ロックだよ、人生は』『街角のパーティー』『夢の鐘』『目撃者』『僕にできること』など、数も多かった。 2011年の記事リンク
AKB48『僕たちは戦わない』(2015年)。 当時の記事リンク
STU48『花は誰のもの』(2022年)。 当時の記事リンク
上記以外にも、今思い出せない楽曲があったかもしれない。
今回のHKT48『僕はやっと君を心配できる』は、久々のメッセージソングだが、切り口が少し変わっている。世界で起きている不幸な出来事を、安全な部屋の中からネットやテレビのニュースで見るだけでは、本気で心配や共感できるはずがない。だから部屋を出て外の風に当たることが必要だ、というのがこの曲のメッセージだ。相対的に平和で安全で自由な(と思い込んでいるだけかもしれないが)日本にいて、ガザやウクライナの惨状を自分ごととして受け止めるには余程の想像力が必要だ。そして想像できたとして、彼らのためにできることは限られている。そういうもどかしさ、もっと言えば無力感も滲み出ている。それでもこういう楽曲を聴いて、何かできることはないかと考えるだけでも、何も考えないよりははるかにいい。
この楽曲では「夢」や「愛」に光を見出そうとしている。そして若者には時間があるとも歌っている。それも1つの答えかもしれない。多くの若者に聴いてほしい曲だ。
カップリング曲の中では『最強アイドルよろしく!』が気になった。
歌い出しの歌詞が「ドームツアーはまだ遠くの夢だけど いつ日かきっと紅白に出るぜ」。
はて? HKT48は紅白歌合戦に出たことがあったはず。ドームツアーだってやったことはあるのでは?
確認してみると、HKT48は2014年のNHK紅白歌合戦に初出場し、『メロンジュース』を歌っている。その年はAKB48(歌唱曲『心のプラカード』)、SKE48(歌唱曲『不器用太陽』)、NMB48(歌唱曲『イビサガール』)も出場しており、今から思えば48グループの人気のピークだったと言える。ちなみに、翌2015年にはAKB48(歌唱曲『スペシャルメドレー』)とNMB48(歌唱曲『365日の紙飛行機』)の2グループ出場にとどまり、一方で乃木坂46が初出場し『君の名は希望』を歌っている。
その後、HKT48主力メンバーのAKB48としての出場はあるが、HKT48としての2回目の出場は実現していない。ずっと2回目の出場を悲願にしていたと思う。しかし考えてみれば、現在のメンバーのほとんどは2014年には在籍していなかったので、初出場を目指しているようなものかもしれない。
しかし、素直に聴けば、『最強アイドルよろしく!』はHKT48のことを歌った自己言及ソングではないのだろう。まだ売れていない創作上のアイドルグループのことを歌った楽曲なのだ。そういう楽曲があってもいいし、自己言及ソングだと決めつけてしまう当方に問題があるのだ。でも、どうしてもHKT48自身のことと結び付けて考えてしまうのを止められない。秋元康の術中に嵌っているのだろう。