第2弾を観てから、もう次からはいいやと思っていたが、なぜか今回の第4弾を観てしまった。
印象に残った場面。
3月の国立競技場コンサートの2日目。大島優子の卒業セレモニーが行われる予定だったが、暴風雨により中止になってしまった会だ。雨の中、リハーサルで大島優子が『泣きながら微笑んで』をソロで歌っている。ミュージシャンが伴奏のピアノを弾き、十数名のスタッフがそれを取り囲んで、傘を差し掛けたりしている。その誰もが、お通夜みたいな沈痛な表情だ。ただ大島の歌声が流れている。なんて悲しい生歌、生演奏だろう。
その数十分後、コンサートの中止が決定された。
仕切り直しとなった6月の大島優子卒業コンサート。ステージに立つ大島に、列を作ったメンバーが1人ずつ歩み寄って握手し、一言二言言葉を交わしている。音声は流れないが、お互いの穏やかな表情が印象的だ。そう、まるでこれはファンとの「握手会」のようだ。
この映画の後半のテーマとなったのは「握手会の存続」だ。選抜総選挙で3位となった柏木由紀が「ファンと直接触れ合える場を失いたくない」と訴えたスピーチも収録されていた。東北の被災地で握手をするメンバーたちの姿も何度も挿入されていた。それに加えて、大島とメンバーたちの美しい握手は、彼女達にとっての「握手会」の意味を雄弁に語っていた。
それから、これも雨の味の素スタジアムでの選抜総選挙。1位が決まる前後の渡辺麻友の神々しく美しい表情をカメラは余さずに捉えていた。そして会場の鳴りやまぬ「まゆゆコール」。結果が分かっているとは言え、感動した。
メイキング映像とか、舞台裏とか、長いだけで面白くもないものがほとんどだ。
今回の映画も、累々と続いているAKBグループの活動の裏側の一コマ一コマを切り取ったものであり、改めて鑑賞するべきようなものではない。
しかし上記のようないくつかの場面は、鑑賞するに堪えるような編集が施されて、「作品」になっていた。
2月の大組閣発表。AKB48メンバーとして名前を呼ばれず、他グループへの移籍を告げられた佐藤すみれ、岩田華怜、菊地あやかの3人の取り乱す様子は、さすがに残酷だと思った。結局この3人は、移籍を受け入れる、移籍を拒否して留まる、AKBグループを辞めるという三様の選択をする。そうして新たな道を歩んでいる中、また映画で当時の取り乱し方を見せつけるのは、更に残酷だ。
最後にタイトル。「少女たちは、今、その背中に何を想う?」とは、渡辺麻友のスピーチの「今まで先輩達の背中を追いかけて来たが、これからは後輩が私の背中を見てついて行きたいと思われるようなメンバーになりたい」というフレーズを踏まえたものだと思う。
直前までの事象を素材として取り込み、タイトルすらもギリギリでつけてしまう、スピード感があるというか、やっつけ仕事というか、そのドキュメンタリー具合には恐れ入った。
印象に残った場面。
3月の国立競技場コンサートの2日目。大島優子の卒業セレモニーが行われる予定だったが、暴風雨により中止になってしまった会だ。雨の中、リハーサルで大島優子が『泣きながら微笑んで』をソロで歌っている。ミュージシャンが伴奏のピアノを弾き、十数名のスタッフがそれを取り囲んで、傘を差し掛けたりしている。その誰もが、お通夜みたいな沈痛な表情だ。ただ大島の歌声が流れている。なんて悲しい生歌、生演奏だろう。
その数十分後、コンサートの中止が決定された。
仕切り直しとなった6月の大島優子卒業コンサート。ステージに立つ大島に、列を作ったメンバーが1人ずつ歩み寄って握手し、一言二言言葉を交わしている。音声は流れないが、お互いの穏やかな表情が印象的だ。そう、まるでこれはファンとの「握手会」のようだ。
この映画の後半のテーマとなったのは「握手会の存続」だ。選抜総選挙で3位となった柏木由紀が「ファンと直接触れ合える場を失いたくない」と訴えたスピーチも収録されていた。東北の被災地で握手をするメンバーたちの姿も何度も挿入されていた。それに加えて、大島とメンバーたちの美しい握手は、彼女達にとっての「握手会」の意味を雄弁に語っていた。
それから、これも雨の味の素スタジアムでの選抜総選挙。1位が決まる前後の渡辺麻友の神々しく美しい表情をカメラは余さずに捉えていた。そして会場の鳴りやまぬ「まゆゆコール」。結果が分かっているとは言え、感動した。
メイキング映像とか、舞台裏とか、長いだけで面白くもないものがほとんどだ。
今回の映画も、累々と続いているAKBグループの活動の裏側の一コマ一コマを切り取ったものであり、改めて鑑賞するべきようなものではない。
しかし上記のようないくつかの場面は、鑑賞するに堪えるような編集が施されて、「作品」になっていた。
2月の大組閣発表。AKB48メンバーとして名前を呼ばれず、他グループへの移籍を告げられた佐藤すみれ、岩田華怜、菊地あやかの3人の取り乱す様子は、さすがに残酷だと思った。結局この3人は、移籍を受け入れる、移籍を拒否して留まる、AKBグループを辞めるという三様の選択をする。そうして新たな道を歩んでいる中、また映画で当時の取り乱し方を見せつけるのは、更に残酷だ。
最後にタイトル。「少女たちは、今、その背中に何を想う?」とは、渡辺麻友のスピーチの「今まで先輩達の背中を追いかけて来たが、これからは後輩が私の背中を見てついて行きたいと思われるようなメンバーになりたい」というフレーズを踏まえたものだと思う。
直前までの事象を素材として取り込み、タイトルすらもギリギリでつけてしまう、スピード感があるというか、やっつけ仕事というか、そのドキュメンタリー具合には恐れ入った。