空野雑報

ソマリア中心のアフリカニュース翻訳・紹介がメイン(だった)。南アジア関係ニュースも時折。なお青字は引用。

中核メンバー60名ほどで5000名以上を動員する有能さ

2016-02-22 09:12:20 | Weblog
毎日新聞 18歳選挙権 「声上げたい」 高校生ら反安保法デモ 2016年2月22日 東京朝刊

安全保障関連法に反対する高校生グループ「ティーンズソウル」のメンバーらが21日、東京や仙台、大阪など全国約10カ所で、安保法の廃止と安倍晋三首相の退陣を求めて一斉デモを行った

 こういう記事を見て、

東京・渋谷の繁華街で行われたデモでは、数十人の高校生のほか家族連れや高齢者らが」「ティーンズソウルによると、約5000人が参加したという

 こういう動員数を見て、『ああ、また共産党の手先のクズマスコミが』とか吹き上がる向きがあるかとも思われるが、記事後続箇所をきちんと読もう:

昨年7月、デモで知り合った仲間とティーンズソウルを結成。現在、メンバーは全国で60人以上という

 つまり、多めにみて全国70人として、全国十箇所でデモをしたとすると、一箇所当たり7名程度が平均値。東京・渋谷でのデモについてもこの数字をあてはめれば、公称5000人のうち「ティーンズソウル」メンバーはわずか7人―いや、ほかの9箇所には一人ずつしかいなかったのだ、東京には61人いたんだ、と主張しても、公称5000人のわずか1%程度である。

 すなわち、「ティーンズソウル」のデモには、「ティーンズソウル」メンバーはほぼ存在しない、ということになる。

 いやまあ、その公称5000人とは、全国の総動員数だといったとしても、どっちみちメンバーは2%に満たないことは明らかである。

 ―これが「本当をつく」という技法である。
 先方さんの主張をまるっと受け入れて、その上でその主張の根本が成り立たないことを一見して明らかなように編集する―これは、若者の運動ではないのだ、というように。

 なお、「ティーンズソウル」メンバーが個々に非常にカリスマにあふれているからこそ、一人当たり100人強の動員を可能にしたのだ、という説明のしかたがありえるが、「だったら、もうちょっと同級生を動員できないんですかねぇ?」で”はい、論破”であろう。

 わりとスマートな記事で、感心した。

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