3月20日月曜日のブログで三重県のリサイクル条例改正に関して問題点、三重県知事への抗議や議会への要望のことを投稿した。
3月20日
それには関係なく、個人メールが届いた。
『20日の中日新聞の社説の間違い』との内容。
まだ見ていなかったので、確認。
3月20日・中日新聞社説 (いつ、リンク切れになるかは不明)
中日新聞の社説氏の姿勢は、私は評価している。 2005年11月9日のブログ
しかし、今回の社説は、紛らわしく、懸念が強い。
「社説」という「記事」以上のものでもあるので、コメントしたい。
(「⇒」から「←」までが、私の意見)。
● あなたはどう読みますか。
《タイトル》《サブ・タイトル》という明示と①~⑪の番号(区切り方も含めて)は、私がつけました。
《タイトル》悪循環を断ち切りたい
① 有害な土壌埋め戻し材「フェロシルト」の撤去が遅れている。周辺の不安を思うと、製造元の責任はなお重い。問題の背後には産廃の“闇”が横たわる。この影響は周辺だけにはとどまらない。
《サブ・タイトル》フェロシルト
② 撤去命令などに基づく愛知、岐阜、三重の三県と京都府からの撤去量は、周辺の土壌を含めると総計百万トンに上るとみられている。
だが、岐阜県では撤去期限の二月末を過ぎても、対象になる十カ所の埋設地のうち七カ所で作業が終わっていないか、未着手で、二月末現在で十一万トン余の残量がある。
愛知県では、埋設量が多い瀬戸市を除くと比較的作業が進んでいる。が、自主撤去の三重県でも二カ所がまだ手つかずで、京都府の撤去期限は五月末だが、地元住民との協議がもつれ、完了は夏以降にずれ込むことになりそうだ。
③ 遅れの理由をせんじ詰めれば、処分場不足と住民不安に尽きる。
⇒遅れの理由は、石原産業の撤去に対する無責任さであり、撤去に係る三重県の無責任(傍観=非協力)である。
「遅れ」の根底にあるのは、処理コストの社会的価値の評価の違い、俗に言えば『どれだけの金をかけて処理したら良いのかの価値観の違い』である。←
④ 化学物質を扱う側と一般住民の間には、どうしようもない情報量の格差がある。そこに乗じた扱い側の不正は絶えず、それがまた産廃に対する疑心や不安を一層助長する。
⇒「情報」には、「量」とともに、その「質」や「当該の情報の価値をどう評価するかという主観性」も伴う。だから「情報量の格差」とくくることはできない。そもそも、「情報量の格差」ではなく、化学物質を扱う側の理念と信念の問題だ。←
⑤ フェロシルトに原料以外の産廃を混ぜ、価値のないものを「有価物」と偽って埋めてしまった今度の不正は、その典型例だろう。
⇒今回の「情報操作」を「情報量の格差」と論じ、「その典型例」とすることは一層の誤りがある。「今度の不正は」として『有価物』問題にすりかえることは、間違っている。不法投棄としての観点が無い。混入が無いとしても「フェロシルト」に由来する問題の視点も欠けている。
リサイクル認定申請書どおりの製造をしても、フェロシルトから基準を超えた六価クロムが生成されることは、岐阜県のフェロシルト問題検討委員会も三重県検討委員会も認めている。だからフェロシルトは産廃と判断され、産廃の不法投棄として刑事告発された。原料以外の廃液を混入したことは論外だが、それが産廃と判断された根本原因ではない。←
⑥ 慢性的な処分場不足の中で住民の理解を得ながら速やかに撤去するのは、はじめから至難の業だ。
⇒ ③項と同旨←
⑦ しかし、あらゆる情報を開示しながら誠意を尽くしてやり遂げないと、産廃をめぐる不正と不安の悪循環は、ますます複雑化、社会不安化するだろう。本来、停滞は許されない。それだけは忘れてほしくない。
⑧ 一方、フェロシルトをリサイクル認定品として推奨していた三重県では、認定条例の改正案が議会で審議されている。
改正案には、有害な特別管理廃棄物や放射性物質を原料から除く規定、認定後のチェック体制の強化などを盛り込んだ。
⇒ 「原料から除く規定」というが、改正案は、放射性物質については 0.14mG/h以下ならリサイクルできるとしている(文末に資料)。←
⑨ だが、三重県は「特管でも無害化し、審査を通れば使用可能」との見解を示す。これでは、化学の知識を持たない一般の不安はぬぐえない。
⇒ 「化学の知識を持っていれば今の住民のような不安はもたない」といっているも同然ととれる。放射性物質についても同様だが、「特管でも無害化し、審査を通れば使用可能」という見解の表面的な問題を指摘するのみで、そのような条例運用を是認しているともとれる。←
⑩ フェロシルト問題があらためて浮き彫りにした処分場不足、化学物質処理の困難さ、高価さなどが指し示すのは、化学物質の種類を減らし、元からごみを出さない社会への道筋だ。リサイクルもあくまで次善の策にすぎないということだ。
⑪ 原因企業だけでなく、地方行政も政府も消費者も、そのような「発生抑制社会」へ舵(かじ)を切るべき岐路に立つことを、忘れずに対処したい。
⇒(まとめ)根本の姿勢は評価してよいと読む。しかし、である。なぜなら「社説」だから←
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⑨項の関連資料 リサイクル製品の認定制度見直しにかかる条例・規則改正案。新旧・対照表。PDF版 表の一番右の欄の上から2.3番目当たりに記載
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3月25日は
フェロシルト・早期撤去実現のために! 石原産業からの説明もあり、の集会です
3月17日ブログ
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