安倍氏の悲願の戦前の日本への回帰、そのための憲法改正、それらが問われるはずの選挙。
しかし、選挙では「改憲」には自ら触れずに行くという信じられない政治家。
18才選挙権が認められて若者の声が反映する機会なのに、新聞は、高齢者の意見が反映される傾向と批判される「電話調査」結果などを前提に選挙結果の予測を流す。まるで投票への意欲をなくさせるような、無関心を誘発するような流れ。
ともかく、次の幾つかの報道を記録した。まとめた要点は次。
時事★≪第24回参院選は10日、投開票される。安倍政権の経済政策「アベノミクス」や憲法改正が主要争点≫
朝鮮日報★≪参院選:戦争ができる日本、安倍首相の夢は実現するか 「任期中に果たしたい」≫
ダイヤモンド・オンライン★≪自民は1人区で最悪14敗する可能性も≫ ≪1人区は重要だが、今の自民は地方で弱い。アベノミクスの恩恵が大企業や都市ばかりに集中し、地方には行き届かなかったこと、農家を中心としたTPPへの反発、少子高齢化への対策がないがしろにされていたことなどが、地方の安倍政権への不満につながっているという≫
信濃毎日 社説★≪参院選に問う 憲法論議 隠れた争点見抜く目を≫ ≪憲法については、有権者に分かりにくい選挙になっている。ただ、首相と自民党の改憲姿勢は明確だ。改憲を容認する議員が3分の2以上を占めたときは、首相は「国民の信任を得た」としてアクセルを踏み込むのは目に見えている。・・・・(略)・・・安倍政権は昨年、「憲法違反」とする研究者らの反対意見を無視して安全保障関連法案を成立させた。政治の手法が憲法規範から外れていないかどうか。この観点からの政権評価も欠かせない。≫
ロイター★≪もともと薄かった選挙に対する関心がさらに薄くなり、投票率が低水準にとどまる可能性がある。その場合、自公の連立与党が圧勝しても、必ずしもアベノミクスが国民に評価されているわけではないとの解釈も成り立つ。・・・・・(略)・・・自民党が大勝して、改憲派が3分の2議席を占めるケースの方が、市場は嫌気しそうだとみている。「経済第一戦略から憲法改正に政策の軸足が移るのではないかと、警戒感が強まりやすいため」だという。さらに同氏は「自民党が大勝しても、アベノミクス政策には手詰まり感が強く、選挙で評価されたとポジティブに受け止める向きは少ないだろう」との見方だ。≫
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●参院選:戦争ができる日本、安倍首相の夢は実現するか
朝鮮日報 2016/07/08
「任期中に果たしたい」
安倍晋三首相が今年3月に日本の国会で改憲について語った時の言葉だ。日本で改憲をするには3つのハードルを越えなければならない。まず、衆議院100名、参議院50名以上が同意しなければ改憲案を国会に上程できない。そして衆参両院でそれぞれ在籍議員の3分の2以上が賛成しなければ改憲案を国民投票に付すことができない。最後に、18歳以上の有権者過半数が賛成票を投じて初めて改憲が実現する。
■主要メディアの世論調査「3分の2議席確保の模様」
これまで安倍首相は2番目のハードルの前で止まっていた。改憲に賛成している自民党・公明党・おおさか維新の会・日本のこころを大切にする党という改憲4党の参議院議席が61%にとどまっていることが彼の足を引っ張っていた。しかし、10日に迫った参議院選挙で安倍首相は2番目のハードルも越えるだろうという世論調査結果が出ている。
●参院選、10日投開票=与野党が追い込み【16参院選】
時事 2016/07/08
第24回参院選は10日、投開票される。安倍政権の経済政策「アベノミクス」や憲法改正が主要争点。改憲に前向きな勢力が発議に必要な3分の2(162)の議席を確保するかが注目される。与野党の各党首は8日、接戦が伝えられる選挙区で街頭に立ち、支持拡大へ追い込みに努めた。
3年ごとの参院選は、定数242の半数(121)が改選される。今回、選挙区に225人、比例代表に164人の計389人が立候補した。安倍晋三首相は勝敗ラインを「与党で改選過半数(61)」と設定。自民、公明両党の改選議席は59のため、2議席の上積みで目標を達成できる。
自公両党と、おおさか維新の会、日本のこころを大切にする党の改憲勢力4党が78議席を獲得すれば、非改選と合わせて3分の2に届く。改憲に前向きな諸派と無所属の非改選議員4人も考慮すると、「3分の2」ラインは4党で74議席に下がる。
選挙戦で首相は、経済政策を最大の争点に据えてアベノミクス継続を訴えた。参院選後に改憲論議を進める意向を示しているものの、街頭演説などでは前面に出さなかった。首相は8日の札幌市での演説で「前進か後退かを決める選挙だ」と声を張り上げた。
また、公明党の山口那津男代表は民進、共産両党の共闘に対し「野合」批判を展開。川崎市の街頭では「政権を取ろうという資格は初めからない」と切り捨てた。
これに対し、民進党の岡田克也代表は「アベノミクスは失敗」と断じるとともに、「改憲勢力3分の2阻止」を訴えた。8日の兵庫県加古川市での講演では「今の状況では与党だけで3分の2を取りかねない」と危機感を前面に出した。
共産党の志位和夫委員長も「安倍政権の暴走ストップ」を掲げ、横浜市では、生活の党の小沢一郎代表とそろい踏みで、「野党共闘は安倍政権を倒すまで続けたい」と訴えた。
おおさかは行財政の「身を切る改革」を主張。松井一郎代表(大阪府知事)は神戸市で「改革を言い続ける勢力が大事だ」と強調。社民、こころ、新党改革もそれぞれ支持拡大を訴えた。
●自民勝利はきわどいか、攻防続く参院選の行方
ダイヤモンド・オンライン 2016年7月8日 松原麻依【清談社】
7月10日に投開票が行われる参議院選挙は、安倍首相にとっては「憲法改正」実現に向けた一歩であり、野党にとっては改憲を阻止するという、重要な意味合いがある。各党の思惑がせめぎあうなか、投開票日の迫った選挙情勢を、政界の動向に詳しいジャーナリストの鈴木哲夫氏に聞いた。
安倍首相の悲願「憲法改正」なるか 選挙区は地方を中心に野党が攻勢
・・・・・・(略)・・・ しかし、舛添要一・前東京都知事の政治資金問題が自民党批判に飛び火するなど、支持率アップは筋書き通りとはいかなかったようだ。そうした背景もあって、自民が目標としている「改憲勢力3分の2以上」は微妙なラインとなっている。
「参院選全体の情勢としては、今のところ、自民が勝敗ラインにギリギリ届くか否かといったところ。選挙区では野党が追い上げていますが、比例区は自民が優勢です」
野党は比例区で統一名簿を作り自民に対抗する動きも見せていたが、それも実現せず、結局各党がバラバラに出馬。そのため、比例では相対的に大政党である自民党が有利になっているという。
「参院選の比例区は得票数の多い人から順番に議席が割り振られるため、どの候補者も自分で票を取りにいかなくてはいけません。衆院選のように予め決められた名簿の順に当選するわけではないので、自民党の候補にとっては、敵は陣内にあり、といったところでしょうか」
岩城光英氏や島尻安伊子氏も当落の危機!自民は1人区で最悪14敗する可能性も
一方、改憲勢力で3分の2を獲得できるかどうかの分け目となっているのが選挙区。特に注視されているのが1人区で、地方を中心に野党の追い上げが目立つ。
「他党と接戦、もしくはリードされている選挙区を、自民党は『重点区』に指定しています。重点区は青森・宮城・岩手・山形・福島・新潟・長野・山梨・三重・滋賀・大分・沖縄の12ヵ所。自民党自身が行っている世論調査などでは、これらのうち福島の岩城光英氏や沖縄の島尻安伊子氏は、現職の大臣でありながら、当落の危機という状況です」
「序盤ではこの重点区で自民の12敗も危ぶまれていましたが、山梨の高野剛氏や滋賀の小鑓隆史氏は挽回の可能性が大きくなりました。しかし、新たに愛媛などは野党の統一候補が盛り返しています」
「一部、自民が攻勢になった1人区もありますが、逆にリードされているところもあるので、トータルで32ある1人区のうち野党は2ケタを取るかもしれません。自民にとっては最悪、14敗する可能性も出てきました」
社会党の土井たか子委員長がマドンナ旋風を巻き起こした1989年の参院選では、野党が1人区で23勝3敗をあげて与野党が逆転。2007年の参院選でも、民主党が1人区で圧勝したことで2年後の政権交代へとつながった。
「ここでの勝敗が次の政局を決める」と言われているほど1人区は重要だが、今の自民は地方で弱い。アベノミクスの恩恵が大企業や都市ばかりに集中し、地方には行き届かなかったこと、農家を中心としたTPPへの反発、少子高齢化への対策がないがしろにされていたことなどが、地方の安倍政権への不満につながっているという。
「また、複数区、たとえば北海道・千葉・神奈川などは最後の1議席を自民党の2人目と野党候補で取り合っている状況で、最後の最後までどうなるかわかりません」
改憲勢力「3分の2」達成は 公明・おおさか維新の議席数で決まる
・・・・・・(略)・・・
●参院選に問う 憲法論議 隠れた争点見抜く目を
信濃毎日 7月7日
選挙戦で憲法論議が深まらない。一番の原因は安倍晋三首相が論戦を避けていることにある。このままだと議論が足りないまま改憲へのレールが敷かれる状況になりかねない。
選挙戦は大詰めの段階だ。有権者として、憲法論議を注意深く見守って投票に備えたい。
首相は公示の前後を通じ、憲法にあまり触れようとしていない。唯一の例外と言えるのが、公示3日前に行われたネット動画中継サイトの討論会だった。
「参院選の結果を受け、条文の中身の議論を進めていきたい」。選挙後の臨時国会で衆参両院の憲法審査会を始動させる考えを明らかにした。ネットは自分の支持者が比較的多いとみたのか、踏み込んだ発言だった。
自民党としては、改憲を目指す姿勢をこの選挙で後退させているわけではない。幹部が折に触れ言及している。
例えば稲田朋美政調会長は公示後のNHK番組で「改憲自体がいけないというのは日本が主権国家をやめることだ」と述べた。党の公約は最後のところで「国民の合意形成に努めて憲法改正を目指す」と書いている。
選挙情勢は与党有利に運んでいると伝えられている。自公の与党と、改憲に前向きな政党、議員で改憲発議に必要な3分の2を確保するかどうかが焦点だ。
憲法に対する各党の姿勢は「改憲対護憲」と二分できる状況にはなっていない。民進、共産など野党4党は1人区で共闘しているものの、改憲問題では温度差がある。「憲法は争点にならない」と繰り返し、首相の改憲姿勢をけん制する公明党も、選挙後にどう対応するかはっきりしない。
憲法については、有権者に分かりにくい選挙になっている。
ただ、首相と自民党の改憲姿勢は明確だ。改憲を容認する議員が3分の2以上を占めたときは、首相は「国民の信任を得た」としてアクセルを踏み込むのは目に見えている。憲法はやはり、最重要の争点の一つである。
関連するテーマに立憲主義がある。憲法の役目は政治権力を縛ることにある、とする考え方だ。
安倍政権は昨年、「憲法違反」とする研究者らの反対意見を無視して安全保障関連法案を成立させた。政治の手法が憲法規範から外れていないかどうか。この観点からの政権評価も欠かせない。
●焦点:市場が警戒する改憲勢力圧勝シナリオ、経済後回しを懸念
ロイター 2016年 07月 6日
[東京 6日 ロイター] - 市場関係者の間では、10日に行われる参院選で安倍晋三首相の目指す憲法改正に賛同する勢力が圧勝した場合、首相の関心が「改憲」にシフトし、経済対策の優先順位が下がってしまうのではないかとの懸念が広がっている。
国内報道各社の世論調査によると、自民党は、1989年以来27年ぶりに参議院で単独過半数を確保する可能性がある。公明党と合わせれば、安倍首相が目標としていた改選過半数の61議席を超えることはほぼ確実とみられている。
安倍首相は、今回の参院選をアベノミクスに対する国民の支持を問う選挙と位置付けている。金融緩和、財政支出、構造改革というアベノミクスの三本の矢は、すでに効果が薄れてきているとの見方もある。
参院選で圧勝すれば、安倍首相は政策が国民に承認されたと主張するだろうが、英国の欧州連合(EU)離脱や、7人の日本人が亡くなったバングラデシュの襲撃事件などのニュースによって、もともと薄かった選挙に対する関心がさらに薄くなり、投票率が低水準にとどまる可能性がある。
その場合、自公の連立与党が圧勝しても、必ずしもアベノミクスが国民に評価されているわけではないとの解釈も成り立つ。
大和証券・チーフ為替ストラテジスト、今泉光雄氏は、自民党が大勝して、改憲派が3分の2議席を占めるケースの方が、市場は嫌気しそうだとみている。「経済第一戦略から憲法改正に政策の軸足が移るのではないかと、警戒感が強まりやすいため」だという。
さらに同氏は「自民党が大勝しても、アベノミクス政策には手詰まり感が強く、選挙で評価されたとポジティブに受け止める向きは少ないだろう」との見方だ。
ウィズダムツリー・ジャパンの最高経営責任者(CEO)、イェスパー・コール氏も「市場は、安倍首相が強い政権を維持することを望んでいるが、その勢力を、憲法改正ではなく、経済を第一に発揮してほしいと考えている」と言う。
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