tetujin's blog

映画の「ネタバレの場合があります。健康のため、読み過ぎにご注意ください。」

サイパン経済の崩壊

2010-05-29 23:14:08 | 日記

 
 
 
 
(Entry 122~125/365) OLYMPUS PEN Lite E-PL1 + M.ZUIKO DIGITAL ED 14-42mm f3.5-5.6 L

ダイビングガイドのヘンリーに聞いたところ、サイパンは経済的崩壊の末期状態のようだ。
Gov't bankrupt つまり「国家破産」。街にはホームレスがあふれ失業者はお腹をすかして道をさすらう。当然、犯罪は増え、街は荒廃する。

そもそも、北マリアナは自治領として一定の独立を勝ち得たのは1978年のことだ。
大戦後のアメリカの統治政策は補助金つけが根幹だった。学校施設をはじめ各種のインフラを整備したが、チャモロ人たちの産業育成はなかった。
所得が少ないチャモロ人世帯にはフードスタンプという食券が配られ住宅も支給された。
その結果、チャモロ人たちはろくに働きもせず、強いドルでフィリピンやバングラディッシュ、中国の安い労働移民を働かせたのだった。
つまり安い労働力を使用してドルを稼ぎ、税収の大半が公務員であるチャモロ人の給与として支払われた。

観光産業以外に、経済のもう片翼を担っていたのが縫製産業だった。
北マリアナはアメリカ合衆国ではないが、その自治領ということで輸入割当制限や関税が免除されていた。
これに目をつけた中国企業がサイパンに工場を建設して、安い中国からの労働者を雇用して安い衣類を輸出していた。
だが、2005年1月、WTOの協定により衣類の合衆国向けの輸入割当制限が廃止されると一気に斜陽となる。
・・・公務員が国を食いつぶしていく図式は、どこかの国の将来を見ているようで嫌になる。

かつてのサイパンの繁栄を思えば、その凋落ぶりは目を覆いたくなるほどだ。
一番の繁華街であるガラパン地区には観光客がほとんどいない。どこか殺伐とした雰囲気だ。
経済は明らかにどん底の底。
メインストリートはシャッター通りに。街の中心の交差点の2階建てのビルも、窓ガラスが割られ、テナントが入らないまま。
夕方、公園のバスケットボールコートでは若い子たちが暗い顔のままプレーをしていて、歩道には痩せた放し飼いの犬がウロウロしていた。
ホテルやレストランで働いているのはフィリピン人ばかり。
ヘンリーが言うにはチョモロ人たちは、「泥棒と生活保護で食っている」とのこと。
サイパンで、唯一、元気なのは、大声で中国語を話す団体旅行者くらいのもの。

それでも、青い空と白い砂と透明で光り輝く海。自然の素晴らしさは、経済とか景気とかには関係ない。
この夏に、またサイパンを訪れるつもりでいる。いろいろな経済の再建計画があるらしく、その一つには普天間の米軍基地移転もあるらしい。
あの経済状況の立て直しは至難の業と思われるが、誰の手でもない現地の人達の手で経済再生にむけて頑張って欲しいと思う。


気に入った写真や記事がありましたら応援のクリックよろしくお願いします。

にほんブログ村 写真ブログ スナップ写真へ
にほんブログ村
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする