夜明け前。おそらく気温は氷点下をはるかに下回っているだろう。空気が凍ったような冷たさ。だが、意外に寒さは感じない。風がないせいだ。
町はまだ眠っている。正確に言うと、夜明け前の朝市では、何軒かの店が準備をはじめていて、店先に白く噴き出す蒸気が白く凍った道に流れ出ていた。
星野道夫氏。千葉県市川市出身の冒険写真家だ。アラスカ大学中退。
彼は19歳の時、神田の洋書専門店で購入したアラスカの写真集を見て、シシュマレフ村の村長にかの地でのホームステイを願う手紙を送り、その半年後に返事をもらって現地入り。
写真家として成功するためには、様々な才能が必要だ。たとえば、ゆっくり話す能力とか。そんなことよりも、もっと大切なことは、人よりもさらにアクティブであること、人生について哲学的であることなどだろう。確信を持ってぶれずに生きているからこそ、その写真は人の心を打つことができる。
不慮の事故で彼は44歳の生涯を閉じる。彼のアラスカでの生活を追体験する『アラスカ 星のような物語~写真家・星野道夫 大地との対話~』がNHKハイビジョンで放映され、現在はDVDの入手が可能だ。
http://www.michio-hoshino.com/info.html
NHKのTVクルーたちが、1年を通してアラスカの自然を撮影したものだが、感動する数々のシーンにあって、星野道夫の写真は図抜けて印象的だ。アラスカの動物たちの、彼にしか撮れない生き生きとした表情が写しとられている。
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