東大門市場でリーズナブルな洋服を購入するのにもあれこれ悩む女性、そんな若い女性の平凡な生活が等身大で描かれている。
テヒ(ペ・ドゥナ)はボランティアで知り合った脳性麻痺の詩人と愛を育み、ソウルの証券会社でキャリアウーマンを夢見るヘジュは、高卒の学歴のため職場ではただの雑用係扱い。美術の才能をいかしてデザイン関係の仕事をしたいジヨンは、幼いころ両親に捨てられ祖父母と一緒にバラック小屋に住んでいる。そして、明るい中国系の双子姉妹オンジョとピリュは、自ら作ったアクセサリーを道端で売り生活している。彼女たち五人は、仁川の女子商業高校を卒業した同窓生。事あるごとに集まっては、時にぶつかり合いながら友情を育んでいる。誰もが身に覚えのある友情の終わりを、この映画は真っ正面からとらえている。彼女達を結び付けているのは拾ってきた1匹の子猫。捨て猫ティティと共に過ごした時間、生活は予想も出来ない方向に流れていくけれど、悩みながらも彼女達はそれぞれの道を見つけていく・・・。5人の間をたらいまわしにされる子猫が、かつての青春時代や友情が持てあまされている様子と重なり切ない。プチ冒険のつもりで、タバコをくゆらす女の子達。大人への切ないあこがれ。どこの国でも同じですか。そうですか。
映画『リンダ リンダ リンダ』の主演俳優のひとりであるペ・ドゥナ(あのバンドでライブ...)。彼女が2001年のこの映画で、21歳のちょっぴり無茶で非現実的なキャラクターの女性を演じている。彼女が演じると不思議な魅力を持つキャラクターに変身する。
この映画のラストは離陸する旅客機のスローモーションが流れる。新しい未来に向かってテイクオフしていくのだ。その行き先ががどこであろうと、彼女達の幸せをいのらずにはいられない。
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