今年の宝塚は、レース展開こそ読みやすいが、結論を導き出すのは容易ではない。悩みを解消すべく、過去レースを漁った結果、ふたつのレースに注目した。
まず1つ目は96年のレース。逃げるカネツクロスを好スタートを決めたマヤノトップガンが3番手につける。向こう正面でカネツクロスが後続を離しにかかるが、トップガンは楽な手応えで追走する。4コーナーで馬なりで差を詰めはじめると、直線で一気に先頭に立ち、後続を突き離しゴールを駆け抜けた。
2つ目は98年、サイレンススズカが逃げ切ったレースだ。圧倒的なスピードスターの逃げに、競る馬もなく直線を向いたときは楽勝ムードだったが、坂が応えたのか、ゴールはステイゴールドに4分の3馬身差まで詰め寄られた。
タイトルホルダーが勝つとすれば、トップガンのような競馬で、今の充実ぶりなら十分可能ではないか。
一方、サイレンスズカをパンサラッサに置き換えてみると、直線までは一緒だが、終いで力尽きる可能性は高い。サイレンススズカだから逃げ切ることができたが、初めての距離だけにパンサラッサに強敵をねじ伏せる力が残っているとは思えない。
おりしもトップガンが絶賛上映中であり、タイトルホルダーにはマヤノトップガンのような強い競馬を見せてほしい。
相手はエフフォーリア、デアリングタクト、ステイフーリッシュ、アリーヴォ、ヒシイグアス、オーソリティ。