アメリカ: 金融緩和の出口は?
アメリカ経済は、ゆっくりながら改善の方向へ動いていて、このまま推移すれば、次第に雇用状況も改善し、エネルギー価格の下落などの影響がなくなればインフレも目標の2パーセントに近づき、これら2つの指標を見ながら、金融緩和の出口を探っているところ、といった見方が一般的なようです。
そうした見通しを反映してか、ダウ平均も上がり下がりはありますが、史上最高値を更新といったニュースも時々流れということでしょうか。
しかし現実には過日のイエレンFRB議長の議会証言のように、雇用情勢も物価上昇も見通しは必ずしも順調とは言えず、利上げの時期はなかなか来そうにもありません。
イエレン議長は、もともと労働経済学者だそうで、恐らく、雇用、賃金、インフレといった問題には的確な理解と政策意識を持っておられるのでしょう。
金融の最高責任者が、マネー経済学ではなくて、人間をベースに置いた労働経済学の学徒だということは、マネーで経済を塗りつぶそうという考え方がはびこっているアメリカにとって、大変幸せなことではないでしょうか。
雇用、インフレという2つの指標を、金融政策判断のキーに置くというのは、マネー経済でなく実体経済を見据えて金融政策を打つということでしょう。
そうした目で見た時、アメリカ経済はいまだに病み上がりであり、生産と消費のバランスのとれた回復がいかなるプロセスで可能になるか、舵取りは非常に難しいということになるのではないでしょうか。
ニクソンショック以来、アメリカはドルを切り下げることによって、経済的にはサバイバルを果して来ました。そして最後には住宅バブルをやって、信用度の低い債券を安全(トリプルA)と見せかけで世界中の金融機関に売り、バブルの崩壊とともに、世界の金融機関のB/Sに大穴を開け、自らも返り血を浴びて(リーマンショック) 異次元金融緩和で凌いだということでしょう。
しかし、異次元金融緩和は日本でもEUでもも導入され、もうドルの切り下げでサバイバルという手段は取り得ないでしょう。アメリカは自力で経済を再建するという行き着くべき所に行き着いたのです。
この道はアメリカにとっては容易な道ではないでしょう。例えれば、 キリギリスがアリにならなければならなくなったということでしょうか。
アメリカ経済に過大な評価や期待を持たず、確りとその実情を見守っていかなければならないように思います。
アメリカ経済は、ゆっくりながら改善の方向へ動いていて、このまま推移すれば、次第に雇用状況も改善し、エネルギー価格の下落などの影響がなくなればインフレも目標の2パーセントに近づき、これら2つの指標を見ながら、金融緩和の出口を探っているところ、といった見方が一般的なようです。
そうした見通しを反映してか、ダウ平均も上がり下がりはありますが、史上最高値を更新といったニュースも時々流れということでしょうか。
しかし現実には過日のイエレンFRB議長の議会証言のように、雇用情勢も物価上昇も見通しは必ずしも順調とは言えず、利上げの時期はなかなか来そうにもありません。
イエレン議長は、もともと労働経済学者だそうで、恐らく、雇用、賃金、インフレといった問題には的確な理解と政策意識を持っておられるのでしょう。
金融の最高責任者が、マネー経済学ではなくて、人間をベースに置いた労働経済学の学徒だということは、マネーで経済を塗りつぶそうという考え方がはびこっているアメリカにとって、大変幸せなことではないでしょうか。
雇用、インフレという2つの指標を、金融政策判断のキーに置くというのは、マネー経済でなく実体経済を見据えて金融政策を打つということでしょう。
そうした目で見た時、アメリカ経済はいまだに病み上がりであり、生産と消費のバランスのとれた回復がいかなるプロセスで可能になるか、舵取りは非常に難しいということになるのではないでしょうか。
ニクソンショック以来、アメリカはドルを切り下げることによって、経済的にはサバイバルを果して来ました。そして最後には住宅バブルをやって、信用度の低い債券を安全(トリプルA)と見せかけで世界中の金融機関に売り、バブルの崩壊とともに、世界の金融機関のB/Sに大穴を開け、自らも返り血を浴びて(リーマンショック) 異次元金融緩和で凌いだということでしょう。
しかし、異次元金融緩和は日本でもEUでもも導入され、もうドルの切り下げでサバイバルという手段は取り得ないでしょう。アメリカは自力で経済を再建するという行き着くべき所に行き着いたのです。
この道はアメリカにとっては容易な道ではないでしょう。例えれば、 キリギリスがアリにならなければならなくなったということでしょうか。
アメリカ経済に過大な評価や期待を持たず、確りとその実情を見守っていかなければならないように思います。