tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

COP21、「 矢張りそこまでか」でしょうか

2015年12月13日 11時22分12秒 | 国際政治
COP21、「 矢張りそこまでか」でしょうか
 パリのCOP21が提示されたようです。巨大排出国の中国、アメリカもお尻に火がついていますから、今更CO2と温暖化は関係ないなどと言っていられないでしょう。目標とする「産業革命前からの気温上昇を2度未満に抑える」が採択され、1.5度という数字も努力目標として明記されました。今世紀後半には、排出実質ゼロという地球環境のバランス状態達成も入りました。これは素晴らしいことでしょう。

 国別の目標作成、国連への報告の義務化は決まりましたが、達成の義務化は緩められ、5年ごとの見直しの義務化、世界全体の削減状況の確認で、いわゆる尻抜けは防ごうということのようです。 

 問題は、いかにしてこの目標を実現するかです。
先進国はそれなりの手段もありましょう。しかし、より多くの小さな途上国、特に被害の大きい島嶼諸国などはは、自国の排出量は少なくても、巨大排出国の被害をまともに受けながら、技術も資金もなく、自力での対策は、現実問題としては不可能です。

 ここで問題になるのは技術、それを開発し、利用するための「資金」の問題です。地球環境問題の本質は「ここ」なのですが、年1000億ドル以上とする途上国への資金支援は2025年までに設定ということになり。内容は詰められず、先延ばしになったようです。
 
 巨大排出国2国のうち、大幅黒字国といわれる中国は、自国の都合で優先すべき問題が山積でしょうし、アメリカは万年赤字国で、海外から借金しなければやっていけない国です。

 このブログでは NGR(nation’s global responsibility)という概念を提唱していますが、CSR(企業の社会的責任)と同様、自己都合優先や赤字経営では、CSRが果たせないのと同様、「国家の地球的責任」は果たせません 。
 国連を中心とした国家間の関係、国際関係が、個人や企業で一般的な行動規範(倫理)が尊重されるような「地球の社会的環境、(望ましい社会意識の一般化)」に早く行き着いてほしいと願うものです。