昨日、総務省統計局から9月分の消費者物価指数が発表になりました。
マスコミでは、前年同月比の上昇率が2.8%と13カ月ぶりに3%を下回った事を見出しにしているようです。
これは政府の方針でしょうか、何時からか天候や節変動のある生鮮食品を除いた「生鮮食品を除く総合」の数字を使うようになりましたが、消費者物価全体の動きを示す「総合」は3.0%でした。(下図参照)
消費者物価主要3指数の対前年同月上昇率の推移(%)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/a8/31a5fc6cfdcd2e59648bfbbafd7bc737.png)
資料:総務省統計局「消費者物価指数」
それにしても、青い線(総合)、赤い線(生鮮食品を除く総合)緑の線(生鮮食品とエネルギーを除く総合)の主要3指数が揃って、下げているという事は大変結構なことで、これで消費者物価の上昇も一段落かと思いたいのですが、まだ問題があるようです。
赤い線は最も下げ幅が大きく8月の3.1%から9月の2.8%へ0.3ポイント下がって順調(値上がりした生鮮食品が入っていない)ですが、青い線は3.2%から3.0%へ0.2ポイントの下げ、緑の線は生鮮食品抜きですが4.3%から4.2%へ0.1ポイントの下げです。
夫々の線の高さを見れば、緑の線はまだ4%以上の年率上昇率で、あまり下がっていません。この「生鮮とエネルギーを除く総合」は、電気、ガス、ガソリンといった費目を除いたものですから、政府の補助金で安くなっている分が入っていません。
2月のところを見て頂けば分かりますが政府の補助金によって1%ポイントほど青と赤の線が下がっているのが解ります。緑の線は下がっていません。これが本当の消費者物価の状況で、補助金はいつか終わって、その時、結局消費者物価上昇は統計数字より1%以上高かったことが解ることになります。
下の図は消費者物価の上記3指数の長期トレンドを見たもので、2月に補助金で下がったことはここでもよく解りますがその前後で、それぞれの線の上昇角度には、未だ大きな鈍化は見られません。
消費者物価主要3指数の動き
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5e/52/65862e94d56036032107d813cd33263a.png)
資料:上に同じ
今、値上がりの中心になっている食料やその他の生活必需品(トイレットペーパーなど)を含む、緑の線は10月からの4000品目の値上げの影響をどのくらい受けるか気になるところです。
日銀の植田総裁は、今は一時的沈静で、今後、賃金水準上昇の影響が出て再び高くなるだろう言っていますが、同時に心配されるのはこの所の異常な円安が、アメリカの都合で当分続くのではないかという懸念です。
改めてそれが、企業物価、消費者物価の上昇にどの程度の影響を持つか、これも予断を許さないところです。
来春闘の賃上げがかなり高くならないと、実質賃金のマイナスは来年度に入っても続く可能性が「無きにしも非ず」と心配されるところです。
マスコミでは、前年同月比の上昇率が2.8%と13カ月ぶりに3%を下回った事を見出しにしているようです。
これは政府の方針でしょうか、何時からか天候や節変動のある生鮮食品を除いた「生鮮食品を除く総合」の数字を使うようになりましたが、消費者物価全体の動きを示す「総合」は3.0%でした。(下図参照)
消費者物価主要3指数の対前年同月上昇率の推移(%)
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/21/a8/31a5fc6cfdcd2e59648bfbbafd7bc737.png)
資料:総務省統計局「消費者物価指数」
それにしても、青い線(総合)、赤い線(生鮮食品を除く総合)緑の線(生鮮食品とエネルギーを除く総合)の主要3指数が揃って、下げているという事は大変結構なことで、これで消費者物価の上昇も一段落かと思いたいのですが、まだ問題があるようです。
赤い線は最も下げ幅が大きく8月の3.1%から9月の2.8%へ0.3ポイント下がって順調(値上がりした生鮮食品が入っていない)ですが、青い線は3.2%から3.0%へ0.2ポイントの下げ、緑の線は生鮮食品抜きですが4.3%から4.2%へ0.1ポイントの下げです。
夫々の線の高さを見れば、緑の線はまだ4%以上の年率上昇率で、あまり下がっていません。この「生鮮とエネルギーを除く総合」は、電気、ガス、ガソリンといった費目を除いたものですから、政府の補助金で安くなっている分が入っていません。
2月のところを見て頂けば分かりますが政府の補助金によって1%ポイントほど青と赤の線が下がっているのが解ります。緑の線は下がっていません。これが本当の消費者物価の状況で、補助金はいつか終わって、その時、結局消費者物価上昇は統計数字より1%以上高かったことが解ることになります。
下の図は消費者物価の上記3指数の長期トレンドを見たもので、2月に補助金で下がったことはここでもよく解りますがその前後で、それぞれの線の上昇角度には、未だ大きな鈍化は見られません。
消費者物価主要3指数の動き
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資料:上に同じ
今、値上がりの中心になっている食料やその他の生活必需品(トイレットペーパーなど)を含む、緑の線は10月からの4000品目の値上げの影響をどのくらい受けるか気になるところです。
日銀の植田総裁は、今は一時的沈静で、今後、賃金水準上昇の影響が出て再び高くなるだろう言っていますが、同時に心配されるのはこの所の異常な円安が、アメリカの都合で当分続くのではないかという懸念です。
改めてそれが、企業物価、消費者物価の上昇にどの程度の影響を持つか、これも予断を許さないところです。
来春闘の賃上げがかなり高くならないと、実質賃金のマイナスは来年度に入っても続く可能性が「無きにしも非ず」と心配されるところです。