tnlabo’s blog   「付加価値」概念を基本に経済、経営、労働、環境等についての論評

人間が住む地球環境を、より豊かでより快適なものにするために付加価値をどう創りどう使うか。

CO2の資源化が可能になれば・・・

2015年12月04日 09時42分44秒 | 科学技術
CO2の資源化が可能になれば・・・
 化学については全くの素人ですが、人間の知恵は果てしがないので、こんなことも可能にならないかと考えています。

 前回のこのブログのテーマのCOP21もそうですが、今、人類の大きな問題の1つはCO2です。CO2は炭素を燃やした(酸化した)結果できるわけで、人類はエネルギーを得るために炭素を燃やしますから、人類がエネルギーを使えば使うほどCO2は増えます。

 酸素は人間が生きるためにも必要で、人間も酸素を吸い込んで炭酸ガス(CO2)を吐き出して生きています。酸化の際発生するエネルギーで生きているのでしょう。
 あらゆるものは急激に酸化(燃焼)あるいはゆっくり酸化するのでしょう。鉄がさびるのも酸化、食べ物が腐るのも酸化、人間の老化も酸化によるのでしょうか。ポリフェノールは抗酸化作用があるから、老化防止に良いといわれます。

 酸化したものは役に立たなくなって、その再生には新たにエネルギーが要ります(製鉄など)。ただ有難いことに、地球上では葉緑素がCO2を還元して酸素を作ってくれているので人類は生きているということでしょう。

 人間は”みどり”を見ると心が休まるようですが、これは動物が植物(葉緑素)によって呼吸ができる(酸素が得られる)という海馬の記憶があるからではないかと以前書きました。

 人の手で炭酸ガス(CO2)を還元して、元の炭素と酸素にできれば温暖化問題もなくなるのかもしれませんが、同じような意味で、化石燃料の代わりに炭酸ガスをプラスチックの原材料にできればこれは温暖化防止に大変役立つことだと思っていましたら、すでに、炭酸ガスを使ってポリカーボネートを作る技術が日本にはあるのです。

 これは旭化成の技術で、すでに工場も稼働しているといいます。素人目に考えても、その工程ではもちろん新たなエネルギーも必要でしょうし、適切な触媒などが必要なのでしょう。
 しかしこの技術が多様な形や方向に進歩していけば、発電所や工場で発生するCO2は積極的に回収され、資源として活用が可能になるのです。

 こうした技術開発の可能性というのはどんなもの、どの程度のものなのか、専門家の考えや長期展望を、チャンスがあればいろいろ聞いてみたいと思う方も多いのではないでしょうか。

COP21とNGR

2015年12月02日 11時24分09秒 | 環境
COP21とNGR
 11月30日に始まったパリのCOP21の結果がどうなるか、世界が見守っているところでしょう。
 CO₂排出の二大大国の中国、アメリカもある意味ではお尻に火がついているのではないでしょうか。どちらかというと斜に構えていたアメリカも干ばつや山火事、ハリケーンの異常発達などで実害が出てきていますし、中国でも旱魃・洪水、さらには大気汚染は都市住民に深刻な問題を引き起こしています。

 報道によれば、途上国と先進国の意見調整が困難ということですが、やはりここは先進国が積極的な協力体制を取らなければならないのではないでしょうか。
 
 標記の NGRは、私の造語で、国家の地球的責任(nation’s global responsibility)の略ですが、企業におけるCSR(企業の社会的責任)を国、地球レベルに広げたものです。
 大企業ほどCSRを大事にしなければならないように、大国ほどNGRを尊重すべきではないかと考えています。

 途上国は、技術や資本の蓄積が遅れているから途上国なのです。今の先進国も、かつては、環境無関心だった時代を通過してきているのです。
 今その時代を通過中の国に「先進国のようにせよ」といっても無理でしょう。COP21で先進国・途上国の意見が分かれても、当然ではないでしょうか。

 そこで、先進国のNGR、具体的には途上国援助が重要になるのです。先進国は「地球的責任」を果たさなければならないのでしょう。植民地時代は終わっても、先進国は途上国に、資源や労働力、その他もろもろの恩恵を受けていることは明らかです。

 地球人類が平和の中で安定した生活向上を図っていくためには、かつてアンクタッドが積極的に活動したように、多様な形での先進国の途上国援助が必要なのです。

 日本の場合を考えてみますと、日本のCO₂排出量は世界の5%にもなりません。日本が排出をゼロにしても地球環境の改善は知れています。
 日本の役割は、環境技術と資金協力で世界に役立つことでしょう。そしてそのための技術開発のいわばマザー研究所として、国内の環境改善を徹底していくことでしょう。

 日本はすでに年間1.3兆円の途上国支援を打ち出しました。日本では容易に可能な金額(経常黒字10兆円以上)でしょう。これは国民が働いて可能にしているものです。
 日本国民の努力で、こうした地味でも本当に地球人類に役立つ貢献がつづけられればそれはNGRの視点からも素晴らしいことです。
 世界から感謝される国でありたいと思っている日本人が多いからこそ可能になっていることではないでしょうか。