明けましておめでとうございます。新2年470クルーの山本航平です。今年もよろしくお願いします。写真は正月に親父の実家に帰省した際のショットで、本文とは一切関係ありません。
このオフ、僕は案外充実した日々を送っています。徒歩二分の区営のジムの一ヶ月券を購入し元を取るべく体力作りに勤しんだり、ヨットの知識を復習したりしています。また、ヨット以外でもabema tvに課金してラップスタア誕生やキングダムなどを適当に見漁ったり、趣味の読書をしたりしています。毎日10時間近くの睡眠を心がけ、健康で文化的な生活が送れているわけです。一方の勉学面では単位の数え間違いが発覚し、来年も前期課程の授業を4つは取らないといけなさそうです。トホホ、
さて、そんなこんなで読書に耽っていたとき、思想系の本でヨットに関する記述を見かけて印象的だったので、引用してみます。
「……セーラーは風が直接体に当たっていなくても、いま風がどのように動いているかが分かる。……お尻で感じる船の挙動や加速感、さらにはロープから感じる帆の張り具合などを通じて、風がどこから吹いてきているのかを感じ取るのです。」伊藤亜紗、『手の倫理』、80ー81頁
「ほえ〜っマジすかあ、セーラーはんはすごいどすなあ」て感じです。この本は当事者研究という分野の比較的新しい本で、視覚中心的な従来の哲学にアンチテーゼを呈し、触覚が持つ独特の特徴(知覚対象の内側のダイナミズムまで知覚できるという特徴など?)とその意義について書かれたものなのですが、今まで自分がヨットに乗っていた時を振り返るとハッとすることがあります。それは、自分もヨットに乗る上で視覚に依存し過ぎていたということです。ヒール感はバウやスタンの傾きに頼り過ぎていたし、ジブの具合はもはやリーチリボンですらなくてジブシートのマーキングを目安にしていました。また、スピードを失った時も、他の船より遅くなったなという感じで確認していたような気がします。それに対して先輩たちは感覚でそれが分かるようになっているのを見ると、やはり視覚中心の知覚をどこかで卒業しなきゃいけない気がします。これからヨットに乗る際は、徐々にシートを引く感覚やお尻の感覚からジブやヒールのトリムをできるように心がけていこうと思った次第です。
さて、明日のブログは「やき豚とローストビーフの店、肉の高砂」で修行をしたと話題の伊藤さんです。お楽しみに!