東京大学運動会ヨット部

東大ヨット部の現役部員によるブログです。練習の様子、レース結果、部員の主張から日記まで。

最大で最高の恩返し

2020年10月27日 00時44分17秒 | レース反省

どうも。3470クルーの齊藤です。遅ればせながら、先日行われた秋季関東インカレ決勝について自分の所感を書かせていただきます。

結果はご存知のとおり、6点差で惜しくも全日本枠を逃し、9位という悲しい結果に終わりました。


全日本へ行けない悔しさ、サポート陣への申し訳なさ、今までの積み重ねてきた努力が実らなかった切なさ。惜敗という事実はこれらの思いをより一層強めるものです。レースが終わって2週間が経つ今でも、感極まる思いで振り返ります。



レース1日目、雨が強く、ハーバーに着いたら安定して10mの風が吹いていました。波の音や海の色を見て、あー、これは相当強いなと確信しました。そして、喜びました。風が強いフィールドでは、安全志向が強い東大には利がある、そう思っていました。

この日は結局強風のため出艇はできなかったのですが、チーム部員総動員で、雨と強風を前に怯えることなく、出艇をまだかまだかとハーバーで奮い立っていた様は、とても心強くなるものであったし、このチームで良かったと心底思えるものでした。


レース2日目は台風の影響で、前日から中止が公表されておりました。コロナ禍で合宿ができないので、各々家にいて、顔も合わせることもなく、1日が経つのをただ待っていました。適度に緊張もしつつ、適度に休息をとって、3日目に向けた万全の準備をしていました。


レース3日目。とうとうやってきました。インカレのレースが1日のみというのは、自分にとっては初めてのことで、残酷であり、だからこそ面白いとも思っておりました。風は1日目とさほど変わらない強風でしたが、レース委員会はなんとかレースをしたかったのでしょう。しびれを切らして12時にD旗が掲揚され、待望のレースが行われました。


スタート後、自分たちはとにかくまっすぐ走ることに専念していました。というか、周りのことを気にする余裕がなかったと言った方が正しいでしょうか。クローズでもランニングでも、もちろんリーチングでも、沈しないことで必死でした。



とにかく走って走って、走り続けました。

そして1レースが終わり、2レースが終わりました。




そして、負けていました。



あっという間でした。

今まで1年積み重ねてきたものが、こうも静かに静かに終わりを遂げてしまうのかと。。



レースの反省としては、北風なので風のフレや強弱も小刻みにありましたが、全体を通してどっちが伸びたなどはなかったように思えます。

風が強いとヨットレースは至極単純で、肝心なのは、動作とボートスピード、この2つに尽きるのでしょう。


そして、自分たちはいかにタックやジャイブで止まらないか、いかに安定したボートスピードを出せるか、これらにおいて8位以上の大学に劣っていました。


自分は敗因を練習不足にするのは嫌ですが、どうやら認めざるを得ないようです。タックで止まり、ジャイブで止まり、クローズでヒールが強すぎて止まり、、それらの積み重ねで、速い船とは差が出たんだろうなと思っています。



思えば2年前、4点差で470が全日本へ行けない場面に直面しました。当時の自分は1年生で、ヨットのヨの字も知らないような身分だったので、先輩方がどういったレースをして、どういった負けをしたのか、点数という客観的な数値でしかわかりませんでした。

しかし、涙を流しながら引退される先輩方の背中を見て、インカレに本気で臨んでいる姿勢をしかと受けとめる一方で、やはりどうしてここまで頑張っている先輩方が全日本へ行けないのだろうと心痛くなる自分がいました。


こうした経験があるからこそといってもいいのでしょうか、一番お世話になった代である天木さんたちを、こうさせたくはなかった。関東で引退させたくなかった。


今年はコロナ禍で練習ができない中でも、天木さんたちは470チームのことを第一に考えてくれていたと思います。毎週行われていたオンラインでのミーティングはその最たるものです。練習ができない中でも、部員がセールシェイプに対して造詣が深くなることができたことは不朽の財産であります。


練習が再開し、レースが始まって、自分たち3年ペアの結果が振るわない時も、最後まで信頼して、励ましてくれていました。


こうしたものの恩をチームレースの結果で返したいと思っていました。しかし、1歩及ばず、残念な結果になってしまい、自分たちの不甲斐なさを噛み締めております。




さあ、しかし、あと1年、我々に残されました。


自分たちがレースで打つタックひとつをとっても、タクティクスや動作など、先輩方が教えてくださった知恵の結集です。


先輩方から色々継承した自分たちがいい結果を出す。先輩方が、来年レースを見に来ていただいて自分たちを誇らしく思える、そんな走りをする。

それが、これから自分たちが引退された先輩方にできる、『最大で最高の恩返し』であります。


古橋はまだまだ成長すると思うけど、今や自分が誇れる1番艇スキッパーです。クルー陣の層は厚いし、2年生も目を疑うほどの成長を日々遂げています。1年生もこれからが本当に楽しみです。

全日本奪還と入賞、難しいですが、今のチームなら自信はあります。待っていてください。



最後になりますが、インカレにきてくださった塚本様、西坂様、多賀谷様、多大なる支援をしてくださった他のLBの方々、本当にありがとうございました。

今年も寒い冬が近づいていますが、部員一同来年度のレースに向けて練習に励んで参ります。引き続き応援のほどよろしくお願いします。


長文失礼いたしました。


3年 470クルー 齊藤崇




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