少子、高齢化で今後の税収が見込めないから・・・と横浜市の林市長が選挙公約を「カジノには白紙」をかなぐり捨てて、カジノ誘致に乗り出す政策転換を宣言しました。新聞の投書には「公約を替えたのなら、市長選挙をやり直して市民の声を聞くべきだ」との声もあります。カジノ誘致には、大阪、北海道なども動き出しています。理由は、税収減少を前にカジノで地域活性化を図りたい が理由のようです。
そして、「ギャンブル依存症の対策も万全に」とも言っています。
私に言わせれば、国家戦略としてカジノに頼る日本自体が「カジノ依存症」だと思います。それに便乗して誘致に走る自治体もカジノ依存症だと思います。この依存症を治すには、政治のあり方自体を変えるより仕方ないと思います。
今日のしんぶん赤旗のコラム「潮流」です。ぜひ、読んでみてください。
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「あちらでは、別の一人がもはや帰りの旅費しか持っていられなくなったり、他の連中が家族の大きな財産をまるまる勝負でなくしてしまったりする」
▼あのマルクスは亡くなる前の年、モナコに滞在してカジノの様子を娘に伝えています。「分別や打算などはここではまったく問題になりえない。ただいくばくかの確率の推理をもって『偶然』の恵みをあてにするよりほかはないのだ」
▼賭博にのめり込む人たちを目の当たりにし、それを都市が経済的な基盤としていることにも批判の目を向けたマルクス。彼がのちの『資本論』につながる『経済学批判』を世に出した1859年、日本では安政の開国によって五つの港が開かれました
▼そのひとつが横浜です。金港とも呼ばれ、首都の玄関口として160年の時を刻みながら大きく発展してきました。その港を代表する山下ふ頭に、横浜の林文子市長がカジノを誘致すると表明しました
▼2年前の市長選から「白紙」と、自身の態度も争点もぼかし続けながら突然の明言会見。これには「ここはわれわれ港湾人の聖地。博打(ばくち)場にはしない」と事業者らが強く反対し、「市民の憩いの場にカジノはいらない」と多くの市民が声を上げるのも当然でしょう
▼マルクスのいう「盗賊の巣窟」を歓迎するのは、海外のカジノ企業や経済界、ごり押しする安倍政権ばかりです。市民不在の長の独断はもちろん、人の不幸や周りを泣かせて成り立つ街や社会に、健全な経済活動も人間らしい営みもありません。
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