囲碁きちの独り言 Ⅱ

趣味の旅行、うたごえ、囲碁の事や日常の出来事を記録する。

見過ごせない「元号強要」・・・

2019-09-18 11:14:52 | 囲碁きちのつぶやき

最近、とみに国民への「元号」使用の強要が強まっているように思えます。

私自身、最近、こんな体験をしました。

選挙の期日前投票に行き、生年月日の欄に西暦で記入したところ、受付の職員から「昭和何年に生まれたのですか?」と改めて聞かれました。「私は、ここに生まれた年月日が書いてあるのですから、それ以上の説明は必要ないと思います。それとも、元号で書かないと投票出来ないのですか?」と逆に、詰問しました。すると、スタッフは「結構です」とそれ以上何も言いませんでした。

役所の書類はすべて提出月日など、元号が印刷されています。唯一、車検に行った時の自動車整備会社は「西暦」の記入でした。

私は、いつも 元号とマイナンバーの強要に腹立たしく思っています。

そんなとき、友人から北海道の法律事務所で起きた元号強要問題の顛末がメールで送られてきました。他山の石 どころか私たち自身の問題でもありますので、ぜひ、ご一読ください。

以下、北海道合同法律事務所であった「札幌地方裁判所の元号の強制問題」の顛末です。

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1 2019年5月1日、天皇が明仁天皇から、徳仁天皇に代わり、元号も平成から令和

に代わりました。こういった矢先に、札幌地方裁判所で元号の使用を強制するという事件

が起きました。

 

 具体的には、本年7月初め、私たちの事務所の事務職員が、札幌地方裁判所の破産係の

受付に自己破産申立書を提出したところ、対応したA書記官は、事務職員に対して、申立

書の「申立日」や「申立人の生年月日」の年数を西暦表記ではなく元号で表記するように

訂正を求め、以後、「報告書の年月」や「債権者一覧表の借入日」等も元号表記すること

を要求しました。

 

 このことについて、あらためてその趣旨と理由を確認しに出向いた私たちの事務所の事

務局長に対して、「合同さんはそういう主義主張だとわかっていますから、もういいです。

合同さんに対してはもう言いません。」との返答をしました。

 

(そこで、公開質問状を7月22日付で提出)

第1 本件元号使用要求は、当事務所の職員だけではなく、他の法律事務所の事務職員に対

しでもなされていることを聞き及んで、おります。また、「合同さんに対してはもう言いま

せん。」という返答は、他の法律事務所には要求を続けるという趣旨であると受け止めてお

りますが、この本件元号使用要求は、札幌地方裁判所としての方針なのか、民事第4部として

の方針なのか、A書記官の個人の見解に基づく言動なのかをご回答ください。

 

第2 第1の回答について、元号の使用を申立人(代理人)に求めるととができる法的根拠をご

回答ください。

 

第3 元号法が制定された1979年の国会(第87回国会 本会議第13号 1979年4月27日)におい

て、「一般国民に元号の使用を義務づけるものではない」と国務大臣が答弁しておりますが、

本件元号使用要求は、元号への訂正まで求めていることから、「お願い」の範囲を超えて、こ

の答弁に反する言動だと考えますが、貴庁の見解をご回答ください。

(中略)

 7月29日、札幌地方裁判所の民事次席書記官と総務課長が私たちの事務所に来て、裁判所の

見解を口頭で説明をしてくれました。

 その説明の要旨は次のとおりです。

 

・ 今回の元号使用要求が札幌地方裁判所の方針なのか否かについて

 今回の元号使用要求は、A書記官の個人的見解であり、札幌地方裁判所としての方針ではない

し、破産係を所管する民事第4部としての方針でもない。

 

・ 元号使用要求の法的根拠について

 指摘された国務大臣の答弁のとおり、元号の使用を強制する法的な根拠は一切なく、あくまで

も出来るのはお願いであり、今回のA書記官の対応はお願いを越えたものであり、元号の使用を

強制したと評価されても仕方がないものである。

 

 ただ、A書記官としては、生年月日について戸籍との照合の便宜も踏まえると元号で記載しほ

うが良いとの思いがあった。

 

・ 裁判所の対応

 A書記官が元号の使用を強制したことについて謝罪すると共に、今後、このようなことがない

ように職員に対して指導を徹底する。

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 これは、一見、小さな事件のようですけど「元号法」に関して、とても大事な問題なので…マス

メディアは反韓報道にばかり血道をあげていないで、大きく取り上げて欲しかったですね!

 

 元号法制定の時の論議など、全く知る機会のなかった人は「役所とか公的機関に出す書類では元号

を表記することになっている、西暦では出せない」と誤解していると思いますので、以下、国会会議

録から関係部分を紹介します。

 

◎1979年3月16日 第87回国会 衆議院本会議 15号 会議録より

○国務大臣(三原朝雄君※)  ※総理府総務長官

 次に、元号の法制化について、強制力の程度の問題なり範囲の問題についてお尋ねでございました。
 この法案には、元号の使用を義務づける規定はございません。

この法律案は、一般国民に元号の使用を義務づけるものではございません。したがって、今後とも元

号と西暦の使い分けは自由であります。

 

◎1979年4月10日 第87回国会 衆議院内閣委員会 4号 会議録より

○村田委員 法律ができたから地方公共団体や国やその他の法人等にその使用を強制するという事態は

全くないのだ、そんな心配は全くないのだ、こういうことですね。

 

○三原国務大臣 お答えいたします。
 そのとおりでございます。全くございません。

 

○三原国務大臣 

 これを国民に強制する、それがたとえば西暦で書かれたものが無効であるとか受付けないとかいうよ

な処置は、併用をいたしております今日においてはございません。

 

 その点につきましては、またそういうことがあってはならぬと私どもは思っておるわけでございます

ので、将来そういうもの(「元号表記の強制)があるということでございますれば、そういうことのな

いように指導をいたしたいと思うわけでございます。

 

北海道合同法律事務所HPの「札幌地方裁判所の元号の強制問題についての当事務所の取り

組み」で、内容はよくわかります。

http://www.hg-law.jp/news/entry-3078.html

 

コメント (1)
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