明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

地震続報( 28 )現状をどう見るのか

2011年03月21日 13時17分00秒 | 東北地方太平洋沖地震3月12~31日

守田です。(20110321 13:10)

このところ、消防士のみなさんのもの凄い放水活動が行われ、
自衛隊のヘリではぜんぜん給水できなかった3号機の核燃料貯蔵プールに
水が入るなどの成果がありました。

消防士さんたちの活躍には、本当に胸が熱くなります。原発事故にはなんの
責任もないのに、もっとも凄い仕事をしている。このことにより、確かに今すぐに破局が到来することは、避けられているのかもしれません。時間の余裕を
この方々は作りだしている。私たちに時間が届けられている。

もちろん自衛隊の放水車もこれに寄与しています。とにかく冷やすことは
危機を避ける絶対条件ですし、プールにある燃料棒からの放射線の飛来をふせぐためにも必要だと思います。

しかし、それでテレビに出てくる「専門家」たちが、あたかも危機は去りつつ
あるかのようにコメントしていることには、怒りを感じます。消防士たちが、
自衛官たちがせっかく命を削って猶予を作りだそうとしているのに、それを
危機感の除去にむけてしまっている。そんなことでいいのでしょうか。
僕はまったくいけないと思います。


その点で観点の整理をしてくれたのが、A君のメールだと僕は思います。
一番、重要なのは、状況はよくなったも何も、それだけの情報が出てないでは
ないかという点です。それでどうして安全論議ができるのか。僕もそう思います。

どうして情報が出ないのか。僕は出さないだけではなくて、出せない面も
非常に多いと思います。多くの計測器もまた壊れてしまったのです。
それに原発の空撮映像からも明らかなように、3号機などは爆発でかなり
ぐちゃぐちゃになっています。

みなさん。自分のパソコンの一部が爆発していたら、それで正常に動くと思う
でしょうか。いやパソコンほど精密でなくてもいい。目覚まし時計でもなんでもいいです。爆発していたら、内部で何が起こっているか分からないと思うのが常識だと思うのです。

結局、それは点検して、分解してみなければ分からない。ところが原発は
放射線が強すぎて容易に近づけないわけです。それでなぜ危機が去りつつあると言えるのでしょうか。なぜ他に「不足の」ないし「想定外」の事態が起こらないと言えるのでしょうか。


他にも僕は相当の計測器が電力ダウンで働かなくて、運転室からは内部の
状況が十分に把握できなくなっているのではないかとも思えます。これまでの
原発事故でもよくあったことだからです。だとしたら、まずはこの点だけでも、記者がつっこみ、あるいはコメンテーターが突っ込み、情報開示を要求すべきではないか。

原発運転室内の生きているすべてのメーターの内容を明らかにし、同時に
動いてないメーターの数や種類もだすべきです。そうすれば、国の内外に
その意味を読み取れる人はたくさんいるのではないか。
(・・・と考えたら、すでにこうした申し入れを、原子力資料情報室が、政府にしていました)


さらに何とも言えないのは、消防隊の必死の放水にあたかも呼応するかのように、もう原発は安全だ、やたらに危険というな、最悪の事態という脅しに惑わ
されるな・・・などの発言が非常に多くなってきているように思えることです。

しかし確実に分かることは、自衛隊へりが入れられなかった水が、消防車に
よっていれられるようになったということだけです。しかもその量もモニターされていないのです。遠くから水面を確認しているという状態なのです。


なんだか僕は頭がクラクラするのです。
これは、そもそもかつての原子力発電賛否論議と同じなのではないか。
どんなに原発の危険性を心ある人々が指摘しても、政府や政府に近い多くの
科学者、また他の分野のほとんどの科学者たちは、聞く耳を持たなかった。
僕から見ると、大ウソがまかりとおり続けていた。そのときも頭がクラクラ
しました。

今も、それと同じなのではないか。原発があれほど壊れていて、しかも
今なお、煙を上げていて、確実に放射能も出ていて、最後の砦だと言われてきた格納容器も一部壊れてしまった。起きている事態はそういうことなのに、
危機が回避される可能性だけが強調されている。

しかしどこにそのようなデータがあるのでしょうか。ないのです。多くを失ってしまったのです。危険で近づけないのです。遠くから望遠鏡でみたり、赤外線で温度を測っているのです。ただそれだけでも、もの凄く危険な状態にあります。


安全神話が何をもたらしたのか。今、テレビに出ているコメンテーターのほとんどはどんな地震があろうと、津波があろうと、絶対に日本の原発は大丈夫だと豪語してきた人たちなのです。そしてその人たちが、今回も、もう危機は去りつつあると語っている。どうして私たちの国の人々はそれを信じてしまうのでしょうか。

みなさん。したり顔で語っているコメンテーターたち、ニュースの解説者たちの1人でも、国民に対してお詫びをしたでしょうか。絶対にこんな事故などないとこれらの人たちと言ってきたのです。その責任すら明らかにしないで、地震が「想定外だった」と平気で語り、再び、大丈夫を繰り返す人々を信用してはならないと僕は思います。


もちろん、絶対に信用しないというのではないのです。それなら根拠を明らかにして欲しいのです。原発が安定的に維持できる根拠です。
よくこれらの人々の説明内容を聞いてみてください。今、出されているのは
すべて願望でしかありません。

起きている事態は、私たちを危機の瀬戸際に追い込んでいる巨大なプラントが
激しく壊れ、しかもそれがどのように壊れているのかも、私たちも、そして
おそらくは現場の方たちも、よく分かっていないという事実です。
まだ何が起きているのかすらよく分かっていない。格納容器のどこがどのように壊れているかすら把握できてない。どうしてそれがすぐにも破断しないと
言えるのでしょうか。

言えるのなら言ってほしい。いや安全であることを教えて欲しい。
心から安全であって欲しいのです。だからこそ、根拠もなしに安全だとは
言わないで欲しいのです。これは当然の洞察ではないでしょうか。


にもかかわらず、安全を繰り返すことで、実は私たちの国は、この危機を
乗り越えられる非常体制すら作れていないのではないか。絶対的危機を
表明してこそ、すべての技術者の総結集を作り出せるのではないか。
みなさん、そうは思わないでしょうか。今の安全な感じだったら、総力をあげる必要を感じるでしょうか?

消防隊が時を稼いでいる間に、すべての可能性を集めてほしい。政府に都合のいい人間だけに頼ってはダメです。原発を批判してきた科学者、技術者の知見こそが必要です。何がどう危険かを、科学的に指摘し続けてきた人たちだからです。

これに対して、絶対安全を強調してきた技術者や学者には、こうした事態への
心構えがなかったはずです。むしろ備えてきたのは、原発に批判的だった科学者です。心の底から事故を防ごうとしてきた人々です。その人たちこそ、政府の対策本部の周りに集める必要があります。

そのためにも、今ある情報の全面開示が必要です。同時に何が分かっていないかの情報も、より明らかにする必要があります。
またこういう方たちの知見を集めて、原発災害避難対策本部も作るべきです。
マスコミの方たち、こういう記事を書いてください!


今後の見通しを書いてみましょう。1号機、2号機に通電がされたそうです。
そこまで頑張った方たちの努力に惜しみない拍手を送ります。もの凄く危険で、恐ろしく、困難だったでしょう。

しかしそれだけで希望の光なのでしょうか。

水に濡れた機械を考えてください。精密なものほど、乾かしてから再度、電源を入れるのが常識です。どこでショートするか分からないからです。
しかし今、原発はとにかく冷やさなくてはいけない。海水をかけているのです。かけているといっても、そのリアリティが私たちにすべてわかっているわけではない。

しかし通電には乾かさなければならない。つまり乾かすことと、冷やすことの
ジレンマがそこにある。
しかも機器をすべて点検などできないでしょう。中に入れないからです。
爆破があったにも関わらず。そこに電気を通さなくてはならない。
しかもたっぷり塩が入っているから、どこまでいっても、どこかでショートの
リスクをおかしてやらなければならなくなるのではないでしょうか。
そのときにどんなことが起こるかまったくわからないというのが、この場合に
出しうる、最も科学的な判断なのではないでしょうか。

にもかかわらず、一部マスコミは、すでに電力が回復したかのように書いている。
まだコンセントにつなげたけれど、スイッチを入れた段階ではないのに。
電力回復までには、まだまだ困難があるのに。
(この報道の中で、初めて中央制御室もまた電力ダウンしていて、計器が
補助バッテリーで細々と動いてきたことも明らかになっています。バッテリー
では計器の信用性が低いとも書かれています。ただしあたかもそれがただちに
回復するかのようにですが)


私たちの前には巨大なブラックボックスがある。それをどう見積もるか。
僕はやはり危険の最大値を見積もるべきだと思うのです。
何せ分からないことが多すぎるのだから。原発はぐちゃぐちゃになっているの
だから。そしてそこに核分裂物質と、放射性物質が大量に入っているのですから。
違うでしょうか。これは感情的なものの見方でしょうか。今の段階で安全性が高まっていると見ることこそ、実はそうあって欲しいという感情に縛られた、ものの見方なのではないでしょうか。


放射能は正しく怖がらなければいけないという言葉が飛び交っています。
そして僕は正しく怖がったから、原発に反対してきました。このような事故が怖かったのです。どうしても止めて欲しかったのです。「ありえない」「感情的だ」「過敏だ」と繰り返し言われながらも。

せめて、これまで一度も原発に反対しなかった人にだけは、「放射能は正しく怖がらないといけない」とは言われたくない。「まったくそうです。どうしてあなたはこれまで正しく怖がってくれなかったのですか」と僕は問いたいのです。



追記
どなたかフレーズではなく、「放射能の正しい怖がり方」を科学的に説明していただけると嬉しいです。
数値が複雑で、多くの人が大混乱しています。今、解明中ですが、科学者の
協力が必要です。とくに僕が知りたいのは、そもそも放射能はきちんと計測
されているのかです。できていないのではないかと僕には思えるのです。
だから怖い。

とくにプルトニウムの飛散を即時に把握できるのか。3号機からのベント
排出の危機が迫っています。この点、Mさん、ぜひ情報を整理して
ください。

またすぐにも健康に影響ないということの中身、すぐでなければどうなのかも
分かりやすく解き明かしていく必要があると思います。すぐにではない
健康被害もまた非常に怖い。ようするにガンの可能性が高まるということに
なると思いますが、この点の詳しい数値を持っている方、お願いします。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

地震続報( 27 -b )【重要】原子力資料情報室からのメッセージ[3]

2011年03月21日 12時14分00秒 | 東北地方太平洋沖地震3月12~31日
守田です。(20110321 12:15)

再び原子力資料情報室のメッセージを転送します。

プルトニウムを装荷した3号機から放射能が大量に放出されることの
危険性をアピールです。
昨日、3号機内の圧力が高まり、放射能を含んだ水蒸気放出が検討されました。
内部の燃料棒の破損状態は不明ですが、水蒸気が高まるのは、露出による
高温化が原因であり、破損は確実だと思います。そうするとヨウ素、セシウム、
ストロンチウムの他、プルトニウムまでもが飛散する可能性があります。

プルトニウムは、放射能の中でも、エネルギー量が格段に高いアルファー線
を出すため、毒性も格段に高い物質で、非常に危険です。避難を拡大する
必要があります。原発周辺にお知り合いのいる方にぜひご報告下さい。

また今回の放出は、1号機や2号機からの放出よりも、格段に危険性が
高いことを踏まえて、ベント排出時には、風向きなどに十分気をつけ、
放射能の流れに警戒してください。


*******************

福島原発の危機に際して日本政府に要求します
― 原子力資料情報室からのメッセージ [3]


2011.3.20

 多大な努力にもかかわらず、福島第一原発で、
プルトニウムをふくむ燃料を装荷している3号機から
放射能が大量に放出される危険性が増大しています。
特に心配されるのは、20から30キロ圏内で屋内待避を強いられている方々であり、
可能な限りすみやかに遠方へ避難するべきと考えます。
妊婦、小児、児童から優先的に避難できる手立てを取ることを私たちは政府に求めてきました。
改めて強く政府の決断を求めます。

 30キロ以遠でも相当量の放射能が届く恐れのある地域からは、
やはり避難の必要があります。
条件を整えて迅速に避難できるような体制をとることを求めます。
(なお、短時間この地域に立ち入って救援活動を行うことによる大きなリスクはないと考えます)


認定特定非営利活動法人原子力資料情報室
〒162-0065 東京都新宿区住吉町8-5曙橋コーポ2階B
TEL.03-3357-3800 FAX.03-3357-3801

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

地震続報( 27-a )転載・原子力資料情報室からのメッセージ[2]他

2011年03月20日 14時50分00秒 | 東北地方太平洋沖地震3月12~31日
守田です。(20110320 14:47)

少し古くなってしまいましたが、3月18日20時39分に投稿された
原子力資料情報室からのメッセージ(2)を転送します。

3月19日に出された資料のアドレスも記しておきます。わかりやすいです。

3月17日に出された「放射線被ばくを考える」も貼り付けておきます。


***********************

福島原発の危機について私たちは考えます
―原子力資料情報室からのメッセージ[2]


2011年3月18日(20:39)
原子力資料情報室

1 私たちは、
3月15日に「福島第一原発及び同第二原発の今回の事故は、
原発の設計条件においては考えられていない想定外の過酷事故であり、
極めて深刻な事態が続いています」と述べました。
残念ながら、本日までこの状況は変わっていません。

2 現場の作業員の方々の努力なしには、この危険を回避することはできません。
作業員の方々は、極めて高い被曝の危険があるにもかかわらず、
破局的な事態を回避するために、日夜奮闘されています。
私たちは、最大限の感謝を表明します。

3 ところで、事故以来、
私たちには「何キロまで離れれば安全か」という問い合わせが殺到しております。

4 しかし、この質問に対して、具体的に「何キロ」と回答することは困難です。
私たちには、現状の正確な情報が乏しく、
また、今後の状況を予測することも困難なことが大きな理由です。
また、避難するかどうかは、原発からの距離や放射線レベルだけでは決められません。
家族構成、生活環境、周りの人々とのつながり、避難 先および避難手段の確保など、
条件はさまざまだからです。

5 放射能は、妊婦(胎児)・幼児・子供には影響が大きく現れます。
これらの方々は、福島原発からできるだけ遠くへ避難した方が安心です。

6 遠くへ避難できない場合には、建物の中に入り外気に触れるのを避けること、
雨には極力当たらないことが、被曝を避けるためには重要です。

7 現状では、放射能が大規模に放出されるような事態には、至っていません。
しかし、今後、そのような最悪の事態が生ずる可能性は否定できません。
その場合には、政府が設定している現在の避難範囲では、不十分なことは明らかです。

8 最悪の事態に至る可能性がある具体的な事象は、
原子炉水位のさらなる低下による核燃料の溶融(メルトダウン)、
大規模な爆発、使用済み燃料プールからの放射能大量放出などがあげられます。

9 政府および東京電力は、これらの事象につながる状況の変化について、
迅速かつ正確な情報提供をするべきです。
特に、放射線量の測定は、政府および東京電力だけではなく、
各自治体や民間でも測定されています。
政府は、これらのデータを収集して、
誰もが容易にアクセスできるような体制を速やかに構築すべきです。

************

資料:福島第一原発で何が起きているのか(2011/3/19)
http://cnic.jp/files/earthquake20110311/CNICpresentation_20110319.pdf

*************


モニタリングのデータが公表されるようになった。
一時、公開が止められていたとの報道もあった。
ただ、公開と同時に添付されている被ばくの影響に関する説明は誤解を招くものだ。
また、報道で専門家が「直ちに人体に影響を与えるものでない」と説明することに憤りを感じる。

そこで、放射線被ばくの考え方を整理してみた。

被ばく線量の推定には、
本来ならどのような放射能がどれだけ放出されたのかという基礎的なデータが必要だが、
これが公開されていない。
そこで、今の段階では、かなり粗いものであっても、各個人が自分の被ばくを推測して、
判断する目安を得ることは有益だろう。


①単純に被ばくを計算する

例えば、住んでいる地域で20マイクロシーベルト/時の線量が測定されたと仮定しよう。

この線量の状態が続くと仮定して、時間を掛けると、とりあえず被ばく線量が出てくる。
24時間では480マイクロシーベルトとなる(20×24=480)


②内部被ばくを計算しよう

人間は呼吸をしているのだから放射能を体内に取り込む。
この線量を計算することは難しいが無視することはできない。
初めに書いたようにどの放射能がどれくらい出ているか分からないからだ。
ここでは大まかに2倍とする。
そうすると、24時間で960マイクロシーベルトとなる(480×2=960)


③乳幼児や子供は放射線への感受性が高い

乳幼児や子供、成長期の若者は放射線への感受性が高いと考えられている。
ここでは2倍とする(ヨウ素131では10倍になるとの評価もある)。

乳幼児や子供は、24時間で1,920マイクロシーベルトとなる(960×2=1920)。


④被ばくの影響を考えよう

専門家がいう「直ちに人体に影響を与える量」とは
急性障害を与える量250ミリシーベルト(250,000マイクロシーベルト)のことを
意味しているようだ。
あるいは、人によっては100ミリシーベル トの被ばくのことを意味しているように思われる。
これを基準に考えることは高い被ばくを容認することになる。

微量は被ばくでも発がんのリスクを高める。
発がんのリスクは被ばくの量に応じて高くなる。
例えば、国際放射線防護委員会は1ミリシーベル トの被ばくで、
将来10,000人に1人のガン発生が考えられるとしている。
この評価には、倍くらい厳しく見るべ きとの意見もあり、その場合5,000人に1人となる。


⑤被ばくは極力避ける方が望ましい。が、少しの被ばくで大慌てする必要もない。

被ばくを低く抑えるには、
①離れる、②時間を短くする、③身に付かない(吸入しない)ようにすることが原則。
モニターの値が高い時にはできるだけ外出を控える、
外出は短くする、マスクなどで防護する、などの対策 が考えられる。
屋内は屋外に比べて、被ばくは2~3倍くらい少なくなる。

モニターの数値は首相官邸「平成23年東北地方太平洋沖地震への対応」で得ることができる。

http://www.kantei.go.jp/jp/kikikanri/jisin/20110311miyagi/index.html

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

地震続報( 26 )転載・不思議なこと、良くないこと(福島第一原発関係)

2011年03月20日 14時16分00秒 | 東北地方太平洋沖地震3月12~31日
守田です。(20110320 12:50)

阪神大震災を経験した親しい京都の友人が、他の友人たちと参加しているMLに
現在の原発報道のあり方について、非常に説得力のあるコメントをしてくれました
ので紹介します。なおこの内容は、他の友人のつてで、京都新聞に届けています。


*********************
Aです。

地震・津波・原発の被害、その伝えられる様子に毎日とてもツラく思っています。
私は阪神大震災の時にはちょうど15歳で、東灘区に住んでおり、ほとんど全体
状況が分からない状況だったので、いま、はじめて、こうした社会全体を
揺るがす災害がおきたときにどうなるか、ということを外からみて、日々驚き、
悲しみ続けています。

災害発生当初はメールの流量を減らしたほうがよいのだろうかと思い、
これまで投稿などしてきませんでしたが、新聞を読み、テレビを見ていると、
もうどうしても言いたい!ことができたこと、メディア関連に造詣の深い方もいると
いうことで投稿します。

(1)専門家や政治家のコメントよりも、取材を通じて元になるデータを開示させて
ほしい
(2)原子力安全・保安院「(暫定)レベル5」という災害評価の報道が良くない
と思うこと。以下もろもろ。

「ただちに」アクションをおこすとかそういう話「ではなく」、
なんというか、できごとをめぐって論点を出してみたいという程度のことです。
原発関係のメーリングリストその他のオルタナティブな情報には全く目を通して
いないので、すでに重複する論点である可能性がかなり大で恐縮なのですが・・・・

*******************


新聞、テレビをみていると連日の放水作業をよく報道しています。
なんというか、これが見ていてよくわからない。報道を読んでもよくわからない。
わたしが一番驚いているのは、なぜデータがないのにここまで議論が
できるのかということです。

はじめられるころは、放水作業が功を奏して水位が上がれば「周辺の放射線は
徐々に低下する可能性がある」と報じられている
(『京都新聞』3月18日17版1面)。そして昨日からの官房長官談話などで、放水に
成果があった、というのは「事務本館北」の数値が低下した、ということを根拠に
している。

そこで、この間の、東電発表のモニタリングデータをつなげてみたのが、添付の
エクセルの表です。
表では、「西門」「事務本館北」地域を対象とした数値と、時間、放水行動を
対照させています。どう読み解きますか?

第1に、一目瞭然なのが、計測地点ごとに連続したデータがない、ということです。
最近発表されるのは「事務本館北」と「西門」の二地点の数値が交互に計測
されたものです。
そこから、モニタリング装置を搭載した車で「西門」と「事務本館北」を行ったり
来たりしている様子がうかがえますが、なぜ定点観測ができないのか?
複数地点を検査するのは妥当だけど、これだけ巨大な原発に、モニタリング
装置が一機しかないのか?
各地から放水車を集めるのと同時に、モニタリング装置を集める必要がある
のでは?東電・保安院がデータを出したがらないのはわかりきっているの
だから、記者会見のときにはっきり要求してほしい。

第2に、得られた数値変化の解釈が難しすぎる。
「西門」では、放水を始める前と後でほとんど数値は変わっていないし、むしろ
18日の夜と19日の昼前には急増している。
「事務本館北」の数値が低下したのちも、「西門」の数値は18日の午前と
さして変わらない数値になっている。

もし仮に、放水にそれほど意味がないなら、放水中はほかの作業が制限
されるということと、電源が復旧するときに装置が海水でビショビショだと
余計に困るということと、そもそも作業従事者の皆さんがかなりの危険を
冒して作業をしているということを考えると、やめたらいいのでは?と
思ってしまう。

頑張っているから意味があるのではなく、意味があるけど危険もある作業を
頑張っているから尊いのだろうと思う。

放水の結果と数値に因果関係があるのかないのかはっきりしない。
モニタリングの位置はこれで十分なのか?途中で計測位置が変化した根拠も
不明です。新聞は専門家にコメントをとるのに時間をさくより、議論の基礎と
なるデータを要求したほうがよいのではないか?
このままでは私たちは永遠に専門家に依存したままになります。
専門家と門外漢が共通のスタンダードにできる数値的根拠の開示、これが
任務にされて良いのではないか。

「隠ぺい」以前にそもそもデータが計測されていない。
また『京都新聞』(3月19日朝刊17版3面)では、所内の放射線の数値からは、
懸念される放射能の大量放出は起きていない、と書いてあるけども、それならば
実際に大量放出されたらどの程度、どのパラメーターが変化すると推測するのか
を示してほしい。

実際、このデータだけでは、なんともいいようがない、というのが正直なところ
ではないか。

それゆえ、官房長官や防衛相の「ことば」や専門家の「コメント」で紙面が
埋められていく傾向にあるが、ちゃんと追及して意味のあるデータをださせて、
独自の判断にもとづく「分析」をしてほしいし、読みたい。
膨大な紙面を割かれて報道されているこの放水、書いている人はなにを
執筆の際の判断基準にしているのか?


**********************

原子力安全・保安院が18日の夕方に国際基準に基づいてこの事故の評価を
発表しました。
それは各紙朝刊に報じられましたのは周知のとおりですが、これはちょっと
悪質すぎると思います。

1-3号機はレベル5で、4号機はレベル3、などというように、炉ごとに分離して
評価をするというもので、ここにすでに保安院の善後処理、矮小化の下準備が
開始されているようにみえます。
従前の評価方式にしたがえば個別に評価するとなるのだろうけど、
この同時多発事故ということ自体がそもそも想定外だったはず。
これはそのまま報道するべきでないし、留保をつけるか批判するべきだったの
では?と思う。

念のためいえば、「レベル5とは過小評価でけしからん」、といっているのでは
ありません。結果的に下した評価が問題なのではなく、判断方法に大いに
疑問あり、ということです。
この事故を、「福島第一」単位ではなく、個々の炉の問題に分解できるとして
しまうところに矮小化の意図が明白です。
スリーマイル(2号機)でも、チェルノブイリ(4号機)でも、事故を起こしたのは
一つの炉だったけど、今回は複合していてそれが現実に作業に深刻な影響を
及ぼしているはず、にもかかわらず事故評価を分離。
現実の作業がそれぞれの炉の状況をみつつ全体的に判断しているさなかに、
なぜそんな評価がパスするのか?

『京都新聞』では(『京都新聞』ばかりでてくるのは、僕が『京都新聞』しか
読んでないからです)
3月16日朝刊6面で「事故尺度 福島「レベル6」仏当局見解 上から二番目に」
3月16日夕刊2面で「最悪「レベル7」も 米ISIS見解」として報道をしていました。
なるほど「レベル6」だという海外のコメントをわざわざ載せているのは、
レベル4だといっている自国の機関を暗に批判しているのかな、と思っていたら
まったくそうではなかった。

19日朝刊では、保安院の発表「レベル5」をなんの留保もなくそのまま報道。
翌日の20日朝刊の社説でもそのまま追認。
自分でつい先日報じていた、海外では6だといってるぞ、と他人の意見を
借りてくることすらない。

保安院の区分論が妥当であると思うなら、先の二つのニュースには
いちいち報道する価値はなかったのではないか。
たくさんある意見の一つにすぎないのだから。
なんのための「レベル」判定なのかが全く見失われているように思います。
受験勉強の後遺症なのか?

あげくのはてに、19日夕刊では、福島第一の放射線量排出量の「規模 
チェルノブイリの5%」という記事を掲載。
いったいぜんたいウクライナのバロガ非常事態担当相はどうやって日本で
出されている放射線量を計測したのか、この一片の根拠もないコメントが
わざわざ紙面を割いて載せられているのはなぜなのか?
チェーンメール並みの記事を載せるのは本当にやめてほしい。
インターネットと違って新聞はきちんと編集されているというならば、
せめて編集の一貫性と掲載記事のクオリティを保ってほしい。

このままでは保安院による矮小化の片棒担ぎになってしまう。


*********************************

「ただちに・・・・ではない」という言葉をこれほど頻繁に聞く機会もないだろうけど、
そもそも原子力事故が、巨視的に見れば「ただちに」おこる被害よりも、
長期間をかけての被害がはるかに数的に大きい問題があるということから目を
そらさせている。

20年後、2005年のWHO/IAEA/UNDPによるレポートによると
チェルノブイリ事故で「ただちに」被害にあったのは労働者約50名。
そしてその後チェルノブイリ事故に関連するものとみられるがん、白血病に
よる死者は約4000名と見積もることができるとされている。
http://www.who.int/mediacentre/news/releases/2005/pr38/en/index.html

*********************************


わずかにすぎないとはいえ、公開されているデータを読むのが手間がかかり
すぎる。すくなくとも、原子力安全・保安院、東京電力、文部科学省のサイトに
立ち寄らなければ、その日に発表されたデータが読めない。不便すぎる。
(IAEAも独自の発表をはじめたが、これは国際機関だから分離していて当然)
ネットサーフィン好きにはいいがそういう趣味のない人にも一目瞭然にする
必要が「ただちに」ある。
東電は形式的には私企業だから原則的には強制はよくないことが、
事故期間中は統合本部を結成しているのだから、必要なデータの公開という
程度なら許容されると思う。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

地震続報( 25 )フランスの反原発団体( CRIIRAD )の声明

2011年03月19日 23時57分00秒 | 東北地方太平洋沖地震3月12~31日
守田です。(20110318 23:56)

再びNさんのメールを転送します。


********************

Nです。

以下、食物汚染に関しても考える手がかりになるかと思います。
文中の単位のBq/?=Bq/m3(1立方メートル当たりベクレル)です。
原文はこちら(参照データへのリンクがはってあります)。
http://www.criirad.org/actualites/dossier2011/japon/11-03-17-CPtokyo.pdf

***
http://list.jca.apc.org/public/cml/2011-March/008217.html
フランスの反原発団体(CRIIRAD)の声明を堀浜直美さんが翻訳して送ってくれました。
海外の方が情報が正確だとしたら、日本の報道統制は深刻です。

===============

CRIIRAD プレスリリース2011.3.17 13時(日本時間21時)

大気中の放射能について:計測データは危惧すべき状況を示している!
我々の元に集まっている毎時の計測データから読み取れる状況を毎夕報告したい。

リアルタイムで汚染状況を把握する必要がある人間に対して
どのくらいの危険があるのかはっきりしないまま、
福島第1原子力発電所からすでに5日にわたって放射能が飛散している。
環境に放出される放射性物質の総量については誰にもわからないし、
空気中の放射能総量の地域毎計測データも公表されていない。

グレイとシーベルトで表わされる線量測定データだけが一部の地域のみで入手可能である。
しかし最も汚染が心配される福島県のデータが少ない(改善されつつあるが)。
それにこれらのデータは外部被爆にしか関係せず、実際のリスクを示せるものではまったくない。

事故の際にはリアルタイムで大気汚染の広がりを把握することが欠かせない。

①ガスまたはアエロゾルが呼吸によって生体内へ取り込まれるリスク
 
②気象条件によって変化する地表に降り注ぐ放射性物質の量
およびそれに伴う食物連鎖の汚染レベルを明らかにする必要があるからである。

放射性汚染物質のカクテルが東京の空に届いている
CRIIRADのラボラトリーは、東京の大気を採取し分析しているTokyo
Metropolitan Industrial Technology Institute の世田谷区における
3月15日朝0時から16日18時まで(日本時間)42時間の計測データを入手した。
公開された放射性物質のデータはヨウ素131・132、セシウム134・137で、
42時間の平均値は次のとおりである。
   ヨウ素 131  14.9 Bq/?
   ヨウ素 132  14.5 Bq/?
   セシウム134   3.4 Bq/?
   セシウム137   3.2 Bq/?     
各サイトで計測表を参照できる 
1.CRIIRAD 
2. Tokyo Metropolitan Industrial Technology Institute


平常の大気で検出が予想されるのはセシウム137のみである。
軍事的核実験およびチェルノブイリ事故による放射性物質の残留は幸いにして非常に微量で、
μBq/?の単位でしかない(1Bq/?=10のマイナス6乗)。
であるから平均値が3.4 Bq/?というのは100万倍に上昇した数値である。

注意することがもう一つ。
大気はこれ以外の放射性物質も含んでいる。
これにはクリプトン85、キセノン133といった希ガス、またトリチウムやテルル132、
そしてルテニウムとテルルとストロンチウムのアイソトープがある。
知る必要があるのはそれだけではない、プルトニウム238,239, 240や、
アメリシウム241といった放射性 毒性が非常に高い超ウラン元素が
含まれていないかどうかも重要である。

時間経過と共にこれらの計測値の変化を見て行くと3月15日10時から12の間にピークを記録した。
以下は11時に採取した標本についてである。
   ヨウ素 131  241 Bq/?
   ヨウ素 132  281 Bq/?
   セシウム134   64 Bq/?
   セシウム137   60 Bq/? (事故前のレベルの1000万倍以上) 
CRIIRADによるグラフを参照のこと(3月17日更新)

ヨウ素131の15 Bq/?という値から
我々は東京に住む子供が48時間のスパンで甲状腺に受ける線量を計算した。
結果は1ミリシーベルト以下つまり世界保健機構が定めた
安定ヨウ素剤を投与しなくてはならない水準以下ではあった

しかしこの計算に用いられた数字は大気中の実際の放射能の強さを反映していない可能性が大きい。
標本を採取したのは粒子をキャッチするフィルターである。
正確な採取には希ガス類や特に分子状態の物質や
有機ヨウ素も捕える活性カーボンフィルターを使う必要がある。
有機ヨウ素はヨウ素の大きな部分を占めるからである。
この点は早急に知る必要がある。
福島で何が起きているか

東京はまず一番に汚染された大気の通過を心配しなければならない地域ではない。
上記の分析しか手に入らないという状況は、分析に大きな空白地帯があることを示している。
福島第1発電所の直近の住民の被爆はどの程度であったろうか
という疑惑がたちまち生ずる(東京は230km南に位置する)。
福島県の住民の被爆はどの程度 だったろう(避難は20km以内の住民だけでしかない。)

また放射線量が100倍から1000倍に増えていた
女川地区はどうだったろうか(東京の増加は16倍にすぎない)。
また東京よりやや高めの放射線量がより長い時間、
環境に存在した茨城県の住民についてはどうだったのだろう?

CRIIRADが願うのは住民の被爆の程度が安心できるレベルだったことを確認することである。
もしも当局がリスクが無視できる程度だったと言うのなら、数字を証拠として出してほしい。

国際原子力機関が公表した情報に基づけば、
3月16日(水)までに安定ヨウ素剤を住民に投与する指示は出されていない。
同機関によると3月14日(火)までに日本政府当局は23万錠の安定ヨウ素剤を
避難所に配布しているが投与指示は出していない。
しかるに避難区域は昨日の段階でいまだに福島第1発電所の半径20km以内、
退避 区域は30km以内でしかない。
問題は退避が一時的な保護にしかならないことである。
住宅は気密空間ではない。何時間かするうちに内部の空気は全部入れ替わらないではいない。
ガムテープで目張りをして閉じこもっても、
何日も続く汚染から保護してくれる空間にはなりようがない。
もっと広範囲の住民を避難させるためのロジスティックが
国際的援助によって組織される必要がある。
この組織がもっと早くに立ちあがるべきであった。
とにかく安定ヨウ素剤は早急に服用すれば甲状腺への被爆を減らすのに大きな効果を発揮する、
つまり将来の発がんや甲状腺の病気の発現を予防するのに役立つ!のだから
早急に投与すべきである。

とはいえ安定ヨウ素剤は万能ではない。外部被爆を防ぐものではないし、
他の放射性物質からの防御の役には立たない。

地上への降下物と食物の汚染

空中にある放射性物質は次第に地表に降下して植物を汚染する。
乾いた降下物は雨によって固着する。
雨は汚染した大気を洗い流して放射性粒子(アエロゾル)や
水溶性ガス(特にヨウ素)を地上に降らせる。

早急に地表の放射能分布図(Bq/?で)を作成する必要がある。
これによってリスクゾーンを突き止め、汚染作物を市場に出すことを避け、
またその他の予防策も講じることができる(家畜に汚染されていない餌を与えるなど)。

食物連鎖の汚染を避けることについてだが、
この5日間多量の放射性物質が海に降り注いだはずである。
近海および海流の影響の及ぶ範囲の魚や海産物への汚染を確認しなくてはならない。

直接被害をこうむった地域について汚染レベルを把握しただけでは即、住民の保護にはならない。
しかし把握しないでいれば事態は悪化するばかりである。
住民の健康を守るためには曖昧にしておいてはならないのだ。
チェルノブイリ事故が示していることである。

ここでチェルノブイリ事故当時のフランスの汚染値と今回を比較下に示す数字は、
チェルノブイリ4号炉の爆発の降下物による
大きな汚染を受けた地域の一つであるフランス南西部における
大気の汚染を測定した公式数値である。
1986年5月1日から3日までの放射能の平均値を示している。

  セシウム137  0.3~0.9 Bq/?  東京の2日間の平均3.2 Bq/?と比較してほしい。
  ヨウ素 131  0.6~4.2 Bq/?  これも東京の2日間の平均14.9 Bq/?と比較してほしい
CRIIRAD
471 avenuw Victor Hugo
26000 Valence
E-mail contact at criirad.org

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

地震情報( 24 )放射能汚染の値について

2011年03月19日 21時47分00秒 | 東北地方太平洋沖地震3月12~31日
守田です。(20110318 23:45)

友人のNさんが、先ほどの食料品の放射能汚染についてのメールにリメールを
くれました。非常に分かりやすかったので、そのままみなさんに送ります。
このあと、同じく、りメールの転送をいくつか続けます。


***************************

Nです。
書きかけの途中のものですが、取り急ぎ守田さんのメールへの返信とします。
野菜と牛乳では基準値が違うようです。
末尾リンクのデータにそれぞれの基準値が載っています。
危険評価についてはわかりません。

ニュースでご存知だと思いますが、
福島県内(原発から30KM)で生産された牛乳から
ヨウ素131が900~1500BQ(ベクレル)/KG検出され、
これは基準300BQ/KGの3~5倍です。
茨城のほうれん草も基準を超えたとか。以下牛乳の数値についての私見と懸念です。

放射能の経路ですが、食べ物か水か空気です。
日本の酪農家で牛を放牧しているところは少なく、あっても今の時期はやってないと思います。
なので食べ物は、畜舎内の濃厚飼料(袋入りのとうもろこしなど)か
サイレージ(ビニルパックした発酵刈草)又は干草(圧縮梱包)でしょう。
あるいは飲料水(水道水)か 直接の呼吸による吸引だと思います。
ヨウ素はやっぱり呼吸でしょうか(専門的によくわかりませんが)。
こまかい経路はともかく、畜舎内にふつうにおいてある飼料を食べ、水道水をのみ、
ふつうに呼吸をしていた牛の乳が、このように汚染されているということが重要です。

何がいいたいかというと、47KM地点ですでにこの結果だということです。
避難範囲は30KMです。
これではこれらの地域に住んでいる妊婦さんや乳幼児を抱えた母親はどうなるのか、
ということです。
ヨウ素131の一般基準は300BQ/KGですが、
乳幼児向けの乳の基準は一段厳しくて100BQ/KGだそうです。
つまり乳幼児 にとっての安全という観点からすると、
この牛乳はすでに9~15倍の汚染レベルになっているわけです。

ところで一般の乳牛は体重600KG以上で一日に30KG(ℓ)くらい乳を出します。
人間にすれば体重50KGのお母さんが毎日2.5KGの母乳を出すようなものです。
ぼくはよく知りませんが、人間はこんなには出ないでしょう? 
体重あたりの乳量が相対的に少ないということは、
逆にいえば人間の方が牛よりも外界由来の成分は濃縮されている可能性があるわけです。
つまり現状、福島の牛乳は乳幼児にとって基準値の9~15倍の汚染レベルでも、
母乳はそれよりも濃い汚染になっている可能性があるのではないか、ということです。

以上はぼくの推論です。
そしてこの状態が何日続いて、どの程度の食物摂取によって、どの程度の内部被爆になり、
妊婦や母親やその子どもにどの程度の影響を与えるのかという評価はわかりません。
何か資料を見つけたらまたお知らせします。
また飲食物以外に、とくに幼児や子どもが呼吸による内部被爆にさらされていることが心配です。


以下のページに今日の検査結果データが出ています。
http://gigazine.net/news/20110319_spinach_milk/

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

地震続報( 23 )福島県と茨城県の食品から「死の灰」が検出される

2011年03月19日 21時41分00秒 | 東北地方太平洋沖地震3月12~31日
守田です。(20110318 21:41)

さきほど流した情報の関連です。(一緒に出せばよかったのですが、あとに
なってみつけました)福島県で採れた牛乳と、茨城県で採れた野菜から、
「死の灰」と呼ばれるヨウ素などが検出され出しています。
ちなみに牛乳が採れたのは、原発から47キロ離れた農家です。

「食品衛生法の暫定規制値を超える」値だそうです。
枝野官房長官は、再び、「直ちに健康に影響する数値ではない」と
述べています。では直ちにとはどれぐらいの期間なのか、直ちに
でなければどうなのか。記者たちにぜひ突っ込んで欲しいものです。

そもそも「規制値」とは何なのでしょうか。問題があるために、
「規制」があるのではないのでしょうか。こうした情報を読むときには、
この点から視点をずらさないことです。

また僕には理解できない文面があります。

「その結果、福島第一原発から約47キロ離れた酪農家が16~18日に
生産した加工前の牛乳から、最高で1510ベクレルと、規制値の
約5倍にあたる放射性ヨウ素が検出された。

 茨城県では高萩市、日立市、常陸太田市、大子町、東海村、
ひたちなか市の農家のホウレンソウから最大で規制値の7・5倍の
1万5020ベクレルの放射性ヨウ素が検出された。高萩市の
ホウレンソウからは、規制値を超える放射性セシウムも
検出されている」

とある点です。
上の段では、最高で1510ベクレルが規制値の5倍。下の段では
規制値の7・5倍の1万5020ベクレルとなっています。
上がただしければ、規制値は302ベクレル。その7・5倍は
2265ベクレルです。

あるいは数値を書き間違えているのでしょうか。
またベクレルが放射能の力を測る値であることは分かるのですが、
それはどのような単位で、どのように規制値があり、どれぐらいだと
危険性があるのでしょうか。

これらについて、どなたか分かる方は情報を出していただけると
助かります。これらを整理して出していくことが今とても大事だと思います。


***********************

食品から放射性物質、県が出荷自粛求める

読売新聞 3月19日(土)16時16分配信

 政府は19日、東京電力福島第一原子力発電所の事故を受けて実施した食品のサンプル調査で、
福島県川俣町の酪農家が提出した牛乳と、茨城県内の6市町村のホウレンソウから、
食品衛生法の暫定規制値を超える放射性ヨウ素などの放射性物質が検出されたと発表した。

 政府は原発事故の影響とみて調査し、一定区域内の産品の出荷制限などを検討する。
枝野官房長官は記者会見で「直ちに健康に影響する数値ではない。冷静な対応をお願いしたい」
と述べた。

 食品衛生法に食品の放射能汚染を規制する基準がないため、
厚生労働省は政府の原子力安全委員会が示した「飲食物摂取制限に関する指標」を暫定的に採用。
これを受けて、福島県と茨城県がそれぞれサンプル調査を実施した。

 その結果、福島第一原発から約47キロ離れた酪農家が
16~18日に生産した加工前の牛乳から、最高で1510ベクレルと、
規制値の約5倍にあたる放射性ヨウ素が検出された。

 茨城県では高萩市、日立市、常陸太田市、大子町、東海村、ひたちなか市の農家の
ホウレンソウから最大で規制値の7・5倍の1万5020ベクレルの放射性ヨウ素が検出された。
高萩市のホウレンソウからは、規制値を超える放射性セシウムも検出されている。

 これを受けて同県の橋本昌知事は19日、
記者会見で、調査対象が露地物だったことを明らかにし、
地元農協などに露地栽培のホウレンソウの出荷自粛を求めたことを明らかにした。
福島県も、放射性ヨウ素が検出された町内の酪農家全員に、牛乳の出荷自粛を求めた。

 一方、東京電力は同日夜の記者会見で、「心よりおわび申し上げます」と陳謝した上で、
「損害賠償などの申し出があれば、国とも相談の上、しっかり準備したい」
と賠償を検討していることを明らかにした。

最終更新:3月19日(土)21時6分
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110319-00000556-yom-soci



付記 20110329 10:20

この文章のタイトルに僕は「死の灰」という言葉を使いましたが、
科学者の友人から、これでは放射性物質一般が「死の灰」のように
見える。放射線は医療などでも使っているので、良くないのではという
指摘をいただきました。

その後、友人と「死の灰」の定義についても論議しましたが、社会的にも
定まったものとは言えないように感じました。
そのため、僕としては、ここで使ったことは間違いとは言えないし、他の人が
使うことは否定しないので、訂正はしないけれども、放射線が人間にプラスの
要素をもたらしている面もおさえ、これ以降、「死の灰」という言葉は
使わないことにしました。

またそうなると、「死の灰」という言葉にこもる「恐ろしさ」を、具体的な
内容で示さなければならず、また常に恐ろしさの度合いも書かなければ
ならなくなり、その分だけ、記事に正確さをもたらすことが
できるようになったと思っています。

今でも他の人が使用することに、何ら反対しませんが、僕としては
原発が大爆発してしまい、大量の放射性物質が空から降ってくるという場合を
のぞき、かぶったらすぐに死んでしまうようなイメージも持つこの言葉を、
当面は、使用せず、漏れ出している放射性物質の恐ろしさを具体的に
記述していくつもりです。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

地震続報( 22 )放射能がどんどん拡散中

2011年03月19日 21時20分00秒 | 東北地方太平洋沖地震3月12~31日
守田です。(20110319 21:20)

みなさま。放射能がどんどん拡散しています。
危険が拡大しています。避難の呼びかけの声を高めましょう。
また避難できない場合には、より本格的に、放射能から身を守る
対策を進めましょう。

これまで僕は、福島原発事故がより深刻なものになる可能性を明らかに
してきました。この点の認識は今も深まるばかりですが、たとえ最悪に
至らなくても、たった今、どんどん放射能の危険性が増していること、
だから避難を急ぐ必要があること、今後はこの点を中心に情報を出して
いきたいと思います。

今、みなさんにお知らせするのは、これまで30キロ圏外は大丈夫だと
言い続けてきた、保安院が、

「福島県浪江町や飯舘村などについて、「すぐには体に影響が出るわけ
ではないが、長く滞在すると影響が出る可能性がある」と述べた。」

という事実と、

「福島県内では19日午後から降雨が予想されていることから、「マスクや
長袖のシャツを着用し、雨にぬれないようにしてほしい」と注意を呼びかけた。
同院が放射線被曝(ひばく)を避けるため、一帯の住民に具体的な
注意点を呼びかけるのは初めてだ。」

という事実です。
どちらも下記の読売新聞記事からの抜粋です。
つまり明らかにトーンが変わっている。もはや30キロ圏内を超えて、
健康に害が出ることが明らかにされている。放射能への対策がはじめて
よびかけられている。

しかしこのように事実の重みに負けてか?保安院が情報を示しだしているのに、
これを読売新聞側がまったく価値判断できていない。あるいは価値判断から
明らかに逃げている。そのことがこの記事に反映されています。

すぐにも考えなくてはいけないのは、では避難指示を30キロ圏外に拡大しなくて
いいのかという点。もちろん、絶対にしなければいけません。
また記者として、新聞社として保安院に問わなければならないのは、
「長く滞在すると影響が出る可能性がある」という中身の根拠。
どのぐらいいると、どのぐらいの影響が出るかです。この記事にはこうした
新聞社が伝えるべき最も大切な情報が抜けている。
ただ保安院のいったことを伝達しているだけです。これでは保安院の広報です。


これに対して、今、こうした情報、とくにどう数値を読み解くのか、分析を
進めています。できるだけ早く、数値を出したいですが、今、はっきりと
言えるのは、保安院の言っていることが明らかに変わった。
危険性の度合いが明らかに一つ高く説明されているという事実です。

あの原発の状態から、高濃度の放射能がどんどん出ているので、ある意味
当たり前なのですが、高濃度とはそもそも何か。何がどう出ていると推論
できるか等々、できるだけ科学的なデータ、ないし洞察を出さないといけない。
続けてそこに挑みますが、とにかく避難の促進・拡大が必要です・・・。


*****************

「マスクや長袖着用を」雨予報で保安院が呼びかけ

 原子力安全・保安院の西山英彦審議官は19日の記者会見で、
福島第一原発の事故で自主避難が始まっている同原発30キロ圏外の
福島県浪江町や飯舘村などについて、「すぐには体に影響が出るわけ
ではないが、長く滞在すると影響が出る可能性がある」と述べた。

 18日に浪江町で毎時140マイクロ・シーベルト、飯舘村で同62マイクロ
・シーベルトという高い放射線が観測されたことを受けて発言した。
 屋内退避を要請している同原発から20~30キロ圏内についても、
「外出する際は、放射線になるべく接しないようにする必要がある。
徒歩での移動を避け、窓を閉じた車で移動してほしい」と述べた。また、
福島県内では19日午後から降雨が予想されていることから、「マスクや
長袖のシャツを着用し、雨にぬれないようにしてほしい」と注意を呼びかけた。
同院が放射線被曝(ひばく)を避けるため、一帯の住民に具体的な
注意点を呼びかけるのは初めてだ。

 一方、福島県外については、現在の放射線レベルが1年続いても
年間1・7ミリ・シーベルト程度であることを示し、「通常、自然に浴びる
放射線の量にあたる2・4ミリ・シーベルトに満たない」と安全性を強調した。

(読売新聞 3月19日(土)15時32分配信)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110319-OYT1T00425.htm
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

地震続報( 21 )世界が日本をみている

2011年03月19日 08時00分00秒 | 東北地方太平洋沖地震3月12~31日
守田です。(20110319 08:00)

みなさま。
この国の中の多くの人々の悲しみ・苦しみと、それを何とか手をつなぎあって
越えようとする努力に、世界の人々が共感してくれています。
・・・感動しました。涙プーです、これ。

第二次世界大戦が終わった時、日本壊滅の報を聞いて、アジアの人々の多くが
喜んだといいます。広島・長崎への原爆投下に、事態がよく分からない中では
あっただろうけれど、歓声があがったとも聞いています。

しかし今、世界の人々がメッセージを届けようとしてくれています。
日本では「終戦の日」が、「光復節」である韓国でも、自分たちは、
「大災難より強い日本人」に学ばなければならないという社説が出ています。


僕は、これが戦後65年、ダメなところはたくさんあるけれど、それでもこの国の
中で培わせてきた平和のストックなのではないかと思います。
同時に、こういう文化がある社会なのだからこそ、もっと迅速に情報を出すべき
だとも思います。パニックに強い人々がたくさんいるのだから、事実が伝われば、
有効な避難が進むと僕は確信しています。

以下、ごらんください。ユーチューブのものは6分ぐらいです。勇気がわきます。


***************************

http://www.youtube.com/watch?v=IxUsgXCaVtc
  

韓国主要紙「中央日報」社説

【社説】大災難より強い日本人

全世界が日本の大地震に2度の衝撃を受けている。
まずマグニチュード9.0の超強力地震がもたらした残酷な被害だ。
巨大な津波で約2000人が死亡し、1万人以上が行方不明となった。

宮城県のある村は住民の半分が行方不明になったという。
原発も心配だ。
日本政府は福島原発周辺の住民21万人を疎開させ、海水で原子炉を冷却する非常措置に入った。
不純物の混入で原子炉を事実上廃棄する劇薬処方だ。
日本列島が連日地震、津波、原発危機に呻吟しているのだ。

もっと驚くのは不思議なほど冷静な日本人だ。
死の恐怖の中でも動揺しない。
避難要員に従って次々と被害現場を抜け出し、
小学生も教師の引率で列を乱さず安全な場所に移動した。
地下鉄・バスの運行が中断すると、
会社員は会社から支給された緊急救護物品をかついだまま静かに家に帰った。
みんな走ることもなく3~4時間ほど歩いた。
翌日はいつも通り会社に出勤した。
想像を超越した大災難と日本人の沈着な対応に全世界が衝撃を受けている。

私たちは大規模な自然災害が過ぎた後に発生する数多くの無秩序と混乱を目撃してきた。

昨年22万人が犠牲になったハイチ地震がその代表例だ。
「地震よりも無法天地の略奪と暴力がもっと怖い」という声が出てきたほどだ。
ハイチが開発途上国だからというわけではない。
05年にハリケーン「カトリーナ」が襲った米国のニューオーリンズでも暴力と腐敗が相次いだ。
こうした記憶のため、日本人の冷静さがよりいっそう引き立って見えるのかもしれない。
惨状を前に泣き叫ぶ日本人はほとんど見られない。
地震の混乱に紛れて強盗や殺人事件が起きたという話も聞こえてこない。
テレビの画面は、列に並んで救護食品を受け取ったり、売店の前で静かに待った後、
必要な分だけ購入していく風景ばかりだ。

ただ地震が頻発する日本の地理的特殊性だけでは、こうした現象をすべて説明することはできない。
徹底した耐震設計と速い警報システムが被害を減らしたのは事実だ。
徹底した事前教育と避難訓練も間違いなく力になっている。
一つの国の真面目も大事件を迎えてこそ表れる。 それがまさに国民性だ。

全身が凍りつくような恐怖の前で、日本人は落ち着いた国民性を遺憾なく発揮している。
1995年の阪神・淡路大地震当時、意外にも20%ほど円高が進んだ。
日本の国民性を誤って判断した海外投資家は痛い目にあった。
最近の円高も国際金融市場が災難の前で団結する独特の国民性を看破したためだ。

日本人は沈着な対処で阪神・淡路大地震を乗り越えて自ら立ち上がった。
今回の大地震の傷もいつか治癒されるものと信じる。
むしろ私たちは日本を見て、韓国社会の自画像を頭に浮かべる。
災難現場でテレビカメラが向けられれば、表情を変えて激しく泣き叫ぶことはなかったか。
天災地変のため飛行機が少し延着しただけで、一 斉に大声で文句を言うことはなかったか。
すべての責任を無条件に政府のせいにして大騒ぎしたことはなかったか。
隣国の痛みは考えず、韓国に生じる反射利益を計算したことはなかったか…。

私たちは自らに厳しく問う必要がある。
また災難と危機の際、韓国社会の節制できない思考と対応方式を見直す契機にしなければならない。
私たちは依然として日本から学ぶべきことが多く、先進国へと進む道のりも遠い。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

地震続報( 20 )さまざまな力強い動きが

2011年03月18日 10時55分00秒 | 東北地方太平洋沖地震3月12~31日
守田です。(20110318 10:55)

政府はダメでもどんどん力強い動きが出てきています。
これは今、目の前にある希望です!こういうのは嬉しいですね!

以下転送します。


***************************

●京都府、滋賀県が被災者受け入れの共同声明文を発表しました!転
送します。

福島県民の皆さまへ(共同声明文) 平成23年3月16日

京都府知事 山田 啓二 滋賀県知事 嘉田 由紀子 
京都府市長会会長 橋本 昭男 京都府町村会会長 汐見 明男
滋賀県市長会会長 目片 信  滋賀県町村会会長 村西 俊雄

3月15日、佐藤雄平福島県知事から、地震・津波・原子力発
電所事故の三重被害に苦しむ福島県の皆さまの被災状況を伺い、避
難者の受け入れについての緊急要請をいただきました。関西広域連合
は、16年前の阪神・淡路大震災の被災地である関西だからこ
そ、その経験と教訓を活かし、持てる力を結集して、被災地に対
し、出来る限りの応援をしたい、と3月13日に緊急声明
を行いました。その中で、福島県については京都府と滋賀県が支援
担当となりました。
福島県ではこの災害の避難住民は約11万2000人に達し
ていると聞いています。京都府、 滋賀県は、福島県からは少
し離れておりますが、歴史的にみると、日本の中心であった京の都
/松平容保との繋がりや、近江商人/蒲生氏郷との繋がりなど、
縁 の深いところです。また水、食料(米、野菜、肉など)も
たっぷりと提供させていただける農村部もあります。電気や生活エ
ネルギーも十分確保できます。

京都府と滋賀県は地元の市町村と協力をして、福島県からの被災住
民の皆さまの避難先を確保 し、その移動手段、生活物資、生
活場所、子弟の教育環境、医療などの確保をお約束いたします。ま
た一旦、避難所での受け入れをさせていただいた後、生活再
建のご希望がある場合には、市町村と府県が協力をして、皆さまの
未来への安心な暮らしの確保に努力させていただきます。

具体的には、下記の役所、担当にご連絡を下さい。皆さまの速やか
な避難体制が確保できますよう、お誘い申し上げます。
連絡先:

京都府:危機管理・防災課 TEL 075-414-5930
滋賀県:滋賀県東北地方太平洋沖地震災害支援本部 TEL 077-528-3447

●山形県遊佐町の環境NPOが、
酒田経由(羽越線)で関西や北海道に帰る(逃げる)人たちに宿泊所を提供しています。
農作業体験や森づくりツアーで訪れる人に提供しているスペースで
町中の民家をNPOが借り上げているものです。
寝室にできる5部屋と台所などの共有スペースです。
駅への送迎などボランティアで対応できます。
どうぞご利用ください。
連絡先 carmendelaluna@mac.com

●政府と国会議員に、早急に避難拡大を求めてください。
米国のNRCは日本にいる米国人に、原発80㎞から避難を勧告しました。
美浜の会では、現在、下記のような緊急要求書を、政府と各政党本部にfaxで送っています。

★皆さんからも同様に活動をお願いします。
★知り合いの国会議員にも連絡してください。とにかく、働いてもらわなければ困ります。
★そしてマスコミにも、そのような要求をしていることを広めてください。
★皆さんのHPやブログでも広めてください。

添付は、官邸と各政党本部の連絡先です。使ってください。
美浜の会が出した緊急要求書は下記です。

よろしくお願いします。島田
・・・・・・

政府と国会議員への緊急要求書

原発震災被災地の住民避難を拡大し、早急に実行すること
とりわけ、放射線によわい乳幼児や子供、妊婦の避難を最優先にするべき
 福島第一原発の事故での炉心溶融・爆発事故は日々刻々と深刻さの度合いを増しています。
それにより、環境の放射能汚染と住民の被曝が益々深刻になっています。
 被災地でボランテイア活動をされている皆さんから、「住民避難を拡大してほしい」
「特に乳幼児や妊婦の避難を優先させてほしい」「誰に言ったらいいのか分からない」
「助けてほしい」と悲痛な声が私たちに届いています。

 米国の原子力規制委員会(NRC)は、
原発から80㎞圏内に居住する米国民に避難勧告を出しました。
 日本政府の20㎞圏内避難指示では、住民の健康と安全は守れません。
 政府は速やかに避難地域を拡大し、住民避難を最優先させるべきです。
 とりわけ、放射線によわい乳幼児や子供、妊婦の避難を最優先にするべき。
 住民避難の拡大のために、政府、国会議員のみなさんが、早急に行動されるよう強く求めます。

2011年3月17日
美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会

大阪市北区西天満4-3-3 星光ビル3階 TEL 06-6367-6580 FAX 06-6367-6581



首相官邸 
TEL 03-3581-0101 FAX 03-3581-3883

民主党 〒100-0014 東京都千代田区永田町1-11-1
TEL:(03)3595-9988 FAX:(03)3595-9961 


社会民主党 〒100-8909 東京都千代田区永田町1-8-1
TEL:(03)3580-1171 FAX:(03)3502-6155 


自由民主党 〒100-8910 東京都千代田区永田町1-11-23
TEL:(03)3581-6211(代表) FAX:(03)5511-8855 


公明党 〒160-0012 東京都新宿区南元町17
TEL:(03)3353-0111 FAX:(03)3353-9746 


日本共産党 〒151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7
TEL:(03)3403-6111 FAX:(03)5474-8358 


みんなの党 〒102-0092 東京都千代田区隼町2-12 藤和半蔵門コープ606号
TEL:(03)5216-3710 FAX:(03)5216-3711


国民新党 〒102-0093 東京都千代田区平河町2-7-4 砂防会館別館A-7階
TEL:(03)5275-2671 FAX:(03)5275-2675 


新党日本 〒102-0093 東京都千代田区平河町1-7-11 平河町根本ビル4階
TEL(03)5213-0333 FAX:(03)5213-0888 


改革クラブ 〒102-0093 東京都千代田区平河町2-16-5 クレール平河町201号
TEL:(03)3237-0948


新党大地 〒060-0061 札幌市中央区南一条5-17-2 プレジデント松井ビル602号室
TEL:(011)251-5351 FAX:(011)251-5357 


●◆1、米国にいるアイリーンさんがDemocracy Now に出演しました。

住民の避難拡大、特に子供達をと訴えています。
http://democracynow.jp/

映像は下記です(英語ですが)
http://www.democracynow.org/2011/3/15/get_the_children_away_from_the


●たんぽぽ舎です。【TMM:No1025】
                        転送歓迎です

      地震と原発事故情報  その(10)

 首都圏に大量の放射能物質がばらまかれた。広瀬隆さんの「想定すべき人災」。
「東電の対応遅れ後手」を福島県南相馬市長批判。

――――――――――――――――――――――――――――――

(1)3月15日(火)2号機の放射性物質を閉じ込める「最後の砦」である原
子炉格納容器が損傷して、放射能がもれ、首都圏に大量の放射能が空気中にまき
ちらされた。外出の時は、花粉マスク、帽子、ビニールレインコートなどで防護
しよう。鼻や口から吸わない、ヒフに放射能を付着させないことが大事です。小
学生たちを外で遊ばせるのはすぐにやめさせて屋内へ入れよう。

(2)毎日新聞3月16日夕刊で広瀬隆さんが「想定すべき人災」と題した1文
を載せている。「想定外」をくり返す、原発推進派のウソをあばいている。その
要旨を紹介します。
 …… これは人災だ考えています。その責任の所在は東京電力だけでなく、管
直人政権、経済産業省の原子力安全・保安院、原発を推進してきた大学や大学院
教授らにもあると言えますよ。津波発生は日本の宿命で、1896(明治29)
年の明治三陸沖地震」では高さ38メートル以上の津波が起こっている。だから
「想定外」という表現は当たらない。想定すべきだったんです。(中略)メディ
アはなぜ、東電や政府の発表を垂れ流すのでしょうか。放射能が漏れていても
「直ちに人体に影響を与えない」と繰り返しています。しかし、発表されている
のは1時間当たりの数値。365日×24時間で計算してみなさい。想像力もな
く、レントゲン並みとか自然界の何分の1と報道している印象です。漏れるとい
う「異常」に対する驚きも怒りも薄れている。福島から排出された放射線は宮城
県の女川原発付近でも検出されましたし、風向きによって関東地方にも達してい
ます。仮に最悪の事態に至ったならば、放射能汚染は1週間ぐらいかけてじわじ
わ列島を包んでいく。逃げる場所は全くありません。これが原発の震災、人災な
んです。

(3)東電の対応の遅れが原因―桜井勝延南相馬市長怒る
 東日本大地震で津波に襲われた福島県南相馬市長は津波につづく原発事故で東
電の対応に怒っている。以下その要旨。
 地震翌日の十二日、福島第一原発1号機が爆発。事故の一報を聞き「なぜだ」
と思ったという。地震が起きても津波がきても、冷却装置は大丈夫だと東京電力
が力説していたからだ。その後も3号機の爆発、2号機の核燃料全露出、4号機
の火災… 桜井市長は「爆発しては海水を入れて冷却する。同じことを繰り返し、
対応は後手後手。対応の遅れは東電が廃炉をちゅうちょしたからだ」と指摘。
「海水を入れると廃炉になる。1号機の事故の後、ほかの炉にも海水を入れて、
冷却するべきだった。1号機以降の事故は人災だ」と話す。「住民は、みんな燃
料の大半が溶けるメルトダウン(全炉心溶融)寸前なのにと、恐怖におののいて
いる。逃げ出したいが移動手段がないし、行く場所もない」という。原発事故が
連続する事態に職員も、住民を市外に避難させなくて良いのかという疑問に日々、
悩んでいるという。原発で仕事をする住民が「本当にここにとどまった方が良い
と思っているのか。原発はもう駄目だ」と怒鳴り込んできたこともあった。(以
下略)(東京新聞3月16日夕刊より)

───────────────────────────────
※たんぽぽ舎より、メールマガジンを発信中。
 今、「地震と原発情報」を1日に2回ほど、発信しています。
 希望者は、たんぽぽ舎あて、Eメールアドレスをお伝え下さい。
───────────────────────────────

  たんぽぽ舎      たんぽぽ舎は、月曜~土曜-
             13:00~20:00のオープンです。
             日曜・休日は、お休みです。
   〒101-0061
   東京都千代田区三崎町2-6-2ダイナミックビル5F
TEL 03-3238-9035 FAX 03-3238-0797
HP http://www.tanpoposya.net/


● 内閣府に震災ボランティア・NPOと政府の連携を考える会(仮称)が発足。
湯浅誠さんが室長に。映像は以下で見てください。
http://www.videonews.com/press-club/0804/001755.php

国際NGOと神戸震災支援していたNGOなどが集まりました。
反貧困ネットもここに参加の予定です。
女性の支援団体が少ないそうです。


●本日、現地入りした松元ちえさんのお話を聞きました。(ふぇみん・赤石)
 外国特派員のコーディネートで石巻・陸前高田・新庄に行ったそうです。

山形まで空港で行き、緊急車両のシールをもらえれば、現地に行ける。石巻や市
役所は残っていて5000人規模の避難所。家はすべて壊れているが、津波以外
のところは、建っている。
真っ暗。

ガソリンがない。食料がない。市役所は自家発電だが他に小さいところの避難し
ている人には何も届いていない。
津波に飲まれた人は、濡れたまま避難して寒さに震えている。市役所職員も限界。
性暴力被害の危険を感じるということでした。

まず、物流。食料。電気。人手。コーディネーションが不足。
今後も現地に入る予定。

なお、松元さんのお話がビデオ配信されます。

+++++++++

  ●労働者の 労働者による 労働者のための 
       レイバーネットTV

      特番 災害日本のいま
     東日本大震災 福島原発事故

  3月17日(木)19:00~20:00
  キャスター 松元ちえ・土屋トカチ

★内容 
 1、「東北地震被災地から」 松元ちえ
 2、「福島原発事故~ホントのこと教えて」
  東北地震の影響で福島原発に大きな損傷が。情報が飛び交う中、
私たちは何を/だれを信じていいのか迷います。
この緊急のときだからこそ、正しい情報を得て適切な対応をしたい。
   ゲスト=たんぽぽ舎 柳田真ほか

★視聴アドレス
 http://www.labornetjp.org/tv
 (「グーグル」の検索「レイバーネットTV」でも出ます)

視聴者の方からのご意見・ご質問をお待ちしています。
ツイッターのハッシュタグは#labornettvです。
なお@labornetjpをフォローしただくと確実です。

★なお、福島原発事故の進展しだいでは、変更・中止もあり
えますので、その時は、ご了承ください。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする