明日に向けて

福島原発事故・・・ゆっくりと、長く、大量に続く放射能漏れの中で、私たちはいかに生きればよいのか。共に考えましょう。

地震続報( 19 )最悪な事態になってもまだできることはある!

2011年03月18日 10時45分00秒 | 東北地方太平洋沖地震3月12~31日

守田です。 (20110318 10:40)

みなさん。事態が最悪のシナリオをたどれば、炉心がメルトダウンして
大気中に出てしまう可能性や、核爆発が起きる可能性があります。

今、私たちの前にあるのは、4基の原発が深刻な危機の中にあり、さらに
2基の原発もコントロールできず、このほかに、これらの使用済み燃料
プールの1.4倍のプールがあって、水位も温度も把握できてない状態です。
これが現にある事実です。

ここから言えることは、最悪の場合は、チェルノブイリを上回る事態に発展
するということです。それがどれほどのものになるかは全くわかりませんし、
それはなったときに事実をとらえた方がよいことだと思います。

ただそれでも確実なのは、最悪の事態を迎えても、一瞬のうちに日本人が
死に絶えてしまうわけでは全くないということです。近くでは強い放射線による
急性症状が発生し、亡くなる方がたくさんでます。
これに対して、放射能を体内に取り込んでの内部被曝では、何年か
かかって、ガンになる可能性があり、実際に発症が多数おこるでしょう。
でも、それもまた確率論的に起きることで、それぞれの人がどうなるかは
分かりません。サバイブの可能性はたくさんあります。

だからその場合でもまだまだできることは山ほどあるのです。
けしてこの世が終わるわけではありません。最悪の場合でも、わたしたちには
必死でもがくことができるし、道はたくさんある。僕はこれこそが今、確実に
言える希望だと思います。


もちろん放射能汚染が進んだ場合、たくさんの方がガンになるでしょう。
しかしガンになったらそれで終わりということではない。さまざまな治療法が
あります。
ちなみに僕の友人に、安藤栄里子さんという女性がいます。
彼女はサバイブの達人です。ガンの一種である多発性骨髄種を発症し、
余命宣告2年と言われてすでに8年をサバイブしています。

実はこの8年の歩みを、記録して文章にしたいと彼女と相談し、その一歩を
はじめたばかりでした。
すでに現時点でも高濃度放射能汚染が起こっていますから、将来、ガンに
なる方も出てくるし、何より健康不安は増大すると思います。
そのときに、こうした経験は大きな希望になると思えます。


最悪の事態を考えるとどうしたって落ち込みます。でも彼女をはじめ、難治性の
ガンに立ち向かってきた方たちは、実際にそうした深い落ち込みを経ながら、
今日にいたっています。すごいことですが、僕はそれが人間の強さであり、
尊厳だと思います。

現に、チェルノブイリの周りでも、本当にたくさんの努力が重ねられています。
子どもが甲状せんがんになってしまう悲劇の一方で、それに立ち向かう
多くの人々の姿があります。そうやってチェルノブイリ事故は少しずつ、
越えられてきているのです。


さらに言えば、私たちの国は、第二次世界大戦で、本当に過酷な攻撃を
受けました。全国の100に近い都市が空襲で壊滅し、原爆を2発投下され、
沖縄は地上戦でめちゃめちゃになりました。国の内外で300万人が
亡くなりました。しかし私たちはそこから起ちあがって、今日まで来ました。

よしんば広範囲の土地が、汚染して住めなくなり、大規模な移民が必要に
なったとしたら、世界に日本人がちらばっていけばいいのです。そして
今、世界で絶賛を受けている日本のよいものを広げて行けばいい。
技術だって、原子力はダメでも、世界に貢献するさまざまなものがあります。

こうしたことも世界史を見ればたくさん繰り返されてきたことです。
だから最悪の事態でも、私たちにはそれを超える道もまたあります。
多くの歴史が示してきたように、必ずそうなりうると僕は思っています。


もちろんこれは最も事態がひどくなった場合の話です。
そこまでいかないのなら、もっとたくさんの希望が私たちにはあります。
何より、私たちの国には深い山と森があり、それを生かして暮してきた
えんえんたる歴史と知恵の蓄積がある。

動力がなかなか回復しないのなら、そのときこそ計画的に、かつ感謝をこめて、
コナラをばしばしと伐ればいいのです。森には堆肥として使われなくなった
葉っぱも無尽蔵に眠っています。私たちには、自然のバックアップが無数に
あります。

もちろん汚染されたものは使えなくなる。しかしすべての地域が一様に
同じように汚染されるわけではありません。汚染されてないところは必ず出る。
そこに手をいれればよい。

危機になれば、一番強いのは、田舎・山・森そして農の知恵のあるところだと
思います。私たちの中にも、松平さんや、片岡さん、周さんなど多数の方が
います。だからみんなで連携していけば、できることはどんどん出てきます。


そしてそうしたことを確認した上で、まだ現状が最悪になると決まったわけでは
ないこと、これをみすえておくことが大事だと思います。
その点で、今、私たち、とくに被災地に直接にいない側は、(といってももはや
日本人全体が被災者ですが)支援でできることはなんでもするし、現に放射能が
拡大していることに踏まえて、どんどん避難をよびかけていくことが必要です。


しかし僕は同時に、私たちの心身のエネルギーを大切にストックしておくべきだ
とも思います。
今、非常事態で走りすぎて、もっとするべきことが多くなったときに、バッテリー
切れを行さないようにしたいです。事態はまだどう転ぶか分からない。非常に
悪い見通しが勝りますが、そうなろうとも対応していけるように自分たちを
保ちたいものです。

その意味では、私たちの日常生活もまた大切にする必要があると思います。
これは誰よりも先に自分に問いかけていることですが、臨戦体制で、興奮して
睡眠不足になったり、栄養が乏しくなったりすることを戒めようと思います。
そうして仲間との語らいを大事にし、笑いのある生活を送り、心に余裕を持ち、
まあ、なるようになるだろうと腹をくくることが大切だし、こんなときだからこそ、
ユーモラスに生きたいものです。

どんなときでも、人は笑い、語らい、そうして愛しあい、危機や苦難を越えてきた。
そうして歴史が刻まれてきました。今、私たちもまた歴史を刻んでいるのだと
思います。

みなさん。力を合わせて頑張りましょう。どんな事態になろうと、意志があれば
希望が開けます。私たちもそうして歴史をつむいできた人類の一員なので、
どんなところからでも、絶対に何かができると僕は思うのです。

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地震続報( 18 )政府がアメリカの支援断る・燃料棒 6400 本が他にも

2011年03月18日 09時15分00秒 | 東北地方太平洋沖地震3月12~31日
守田です。(20110318 9:12)

今朝の読売新聞の報道で、二つの大きな事実が明らかにされています。
一つは、事故当初、政府がアメリカの冷却材の提供を断ってしまっていた
ことです。理由は、廃炉を前提にした冷却材だったからです。
もうひとつは、福島第一原発には6基ある原子炉以外に、それらの使用済み
燃料プールの貯蔵量の1・4倍にあたる約6400本もの使用済み核燃料棒が
沈められているという事実です。その水温や水位が把握できなくなっています。


アメリカの冷却材がどれぐらいの効果があったのかは僕には分かりません。
しかしそれをj断ってしまったのは何とも残念です。理由が廃炉を前提にしていた
からということには、事故がおきた時点で、これが最悪の事故になりうることが
認識できていなかったことが現れています。

政府を批判したいのではなく、政府がかなり甘い判断しかしていなかったという
事実、これを現状の政府認識はあてにできないことを周りに説得する根拠の
一つとしてください。当初の避難勧告も10キロで、認識が間違っていたから20キロ
にかえたのでした。(根拠を示さずに)こうした点にあらわせているのは、政府が
希望的観測ばかりに自ら縛られてしまっている点です。

人間は危険を前にすると、しばしば自分をだまして危機をしのごうとする面が
あります。管首相も枝野官房長官も、あの時点で、事態を原発の再使用が
ありうるような状態だと考えて、迫りくる危機への認識を閉ざしてしまったのでは
ないかと思います。当初から最悪を考えるべきだったにもかかわらず。

その点で、現在18日以降の電源の回復による、冷却装置の再稼働が希望として
語られていますが、私たちも、これも実際に再稼働して、冷却が確認された
ときに、希望と捉えるべきであり、現時点では、電源を通しても、装置がさまざまに
壊れていて動かない可能性を見つめておく必要があります。

昨日ツイートで紹介した設計者の提案も、魅力的に見えますが、そもそも
それが採用されるかどうか、政府に届いているのかどうか、まだ記事にもなって
いません。なのでこれも実際に始まった段階で、希望ととらえるべきです。現時点
では厳しい可能性しか見えないので、それを踏まえた対応を強化すべきです。


さらに燃料棒が、原発内の1・4倍もあって、コントロールから離れているという
報道には、「そんなものがそんなところに、そんなにあったのか」と本当に
驚きました。それらがすべてコントロールできないままに進む可能性は今なお
厳然として私たちの前に横たわっています。

ただ、この二つの記事に現れているのは、昨日も述べたように、政府の側も
事実そのものは、どんどん表に出すようになってきているということです。
しかしそれに対する価値判断ができなくなっています。

読売新聞は、「ただちに爆発する可能性は少ないとみられる」と書いていますが、
データ的裏付けのない推論ですし、しかもこれは「ただちに爆発する可能性も
ありうるとみられる」とも書ける文面です。「可能性は少ない」のは「ありうる」と
いうことでもあるのですから。読売新聞も、せっかく事実が出てきているのに、
政府の希望的観測にあわせてしまっているように思えます。

しんどいことですが、厳しい観測をつらぬくべきです。僕はもはやそれは悲観的に
なることではないと考えました。現実に対して厳しい判断をしていた方が、より
深刻な事態になったときに少しでも精神的に耐える余裕が出ると思うからです。

以下、二つの記事を紹介しておきます。


********************


放射能漏れ回避できた?政府、米支援断っていた

 東京電力福島第一原子力発電所の事故を巡り、米政府が原子炉冷却に
関する技術的な支援を申し入れたのに対し、日本政府が断っていたことを
民主党幹部が17日明らかにした。

 この幹部によると、米政府の支援の打診は、11日に東日本巨大地震が
発生し、福島第一原発の被害が判明した直後に行われた。米側の支援
申し入れは、原子炉の廃炉を前提にしたものだったため、日本政府や
東京電力は冷却機能の回復は可能で、「米側の提案は時期尚早」などとして、
提案を受け入れなかったとみられる。

 政府・与党内では、この段階で菅首相が米側の提案採用に踏み切っていれば、
原発で爆発が発生し、高濃度の放射性物質が周辺に漏れるといった、現在の
深刻な事態を回避できたとの指摘も出ている。

 福島第一原発の事故については、クリントン米国務長官が11日(米国時間
)にホワイトハウスで開かれた会合で「日本の技術水準は高いが、冷却材が
不足している。在日米空軍を使って冷却材を空輸した」と発言し、その後、
国務省が否定した経緯がある。

(2011年3月18日07時08分 読売新聞)


使用済み燃料、共用プールにあと6400本

 東京電力福島第一原発には、6基ある原子炉建屋の使用済み燃料プールとは
別に、約6400本もの使用済み燃料を貯蔵した共用プールがあり、津波で
冷却装置が故障したまま、水温や水位の変化を把握できなくなっていることが、
17日わかった。

 すでに数年以上かけて冷却されているため、ただちに爆発する危険は少ないと
みられるが、政府と東電でつくる福島原発事故対策統合本部は、共用プールへの
対応も迫られている。

 共用プールは、4号機の西約50メートルの建物内にあり、縦29メートル、
横12メートル、深さ11メートル。使用済み燃料を6840本収容できる。
現在、1~6号機の原子炉建屋のプールに保管されている燃料集合体の1・4倍に
あたる6375本が貯蔵されている。

 東電によると、10日までは水温が30度に保たれていたが、11日の地震後、
水温や水位も測定できなくなった。プールへの給水は自動的に行われていると
みられるが、その水から熱をとるための冷却システムは故障しており、十分な
冷却はできていないとみられる。爆発事故を起こした3号機、4号機に近いため
周囲の放射線量が多く、状況を把握できていないという。

(2011年3月18日07時22分 読売新聞)


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地震続報( 17 )「逃げろ」という情報をどのように出すべきか

2011年03月18日 02時26分00秒 | 東北地方太平洋沖地震3月12~31日
守田です。

これまで情報の出し方について、もの凄く悩んできましたが、どんどん整理されて
きました。前提として、どのような人を対象に出しているかが一つの核心です。
僕の場合、およそ80人の顔の見える方たちにこのメールを出しています。
すべて顔の見えるかたです。不特定多数が入っているMLには出していません。

しかも受けての方は、僕のメールの濃さ、ときとしてのえぐさにも免疫のある方
たちですし、何より、他人の情報に簡単に踊らされることない方たちです。
だから僕は不特定多数に対して述べるよりは、踏み込んだことが言えるし、
言うべきです。


この点で、昨日、今日と、原子力資料情報室の見解の出し方を見ていると、
自分たちが決定的なことを言っていいかどうか、もの凄く苦しんでいることが
見えます。特に後藤政志さんは、今日、ようやく民放6チャンネルに登場しましたが、
決定的なことは避けて発言されていたように思えました。僕はその葛藤が
よく分かります。

そこでこのメールが届いている新聞記者やメディア関係のみなさんに提案です。
今、「逃げろ」という情報を、どう効果的に出すのか。それがマスコミに
問われています。パニックを回避しつつ、うまく人々が逃げられる方途を
考えて、本社を動かして下さい。

読売新聞などを見ていると政府批判を強めています。具の骨頂です。
「もっと情報公開せよ」ではダメです。さきほどの映像の公開にあるように、
ある意味でどんどん情報は出ています。これは破局だという情報への
判断を下す機能が政府の中でマヒしているのです。

多くの人々に影響を与えられる組織で、その判断をしうるのは、大手マスコミや
政党です。僕がさんざん悩んできたことは、それらの人々がしてこそ、より
意味があります。この点を考えてください。ぜひ、新聞記者の横のネットワークを
活用し、下から本社を動かして下さい。そしてぜひ、マスコミの力で人々を
救ってください。今、多くの人々を効果的に助けられる手段を一番持っているのは
マスコミです。その責任を背負ってください。頑張ってください。

一例として朝日新聞は、神戸の大学教授が、西に逃げるべき人を避難させよう、
東に救援のための人を送ろうと書いた記事を掲載していました。うまいと
思いました。すぐに検索できませんでしが(坂根さんお願いします)、
こういうトーンをどんどん強くして、人々を逃げる方向に誘導してください。

パニックを恐れる気持ちは分かるというか、僕にだってあります。
しかし広島・長崎原爆も、東京大空襲も経験してきた私たち日本人は、僕の
ような頭でっかちが考えるより、ずっと冷静で、沈着で、我慢強いです。
その姿を世界が絶賛しています。こんなときには、暴動や略奪が起こるのが
世界のスタンダードだからです。

また僕のメールを多くの方が転送してくださっています。みなさん、丁寧に
僕に尋ねてくださいます。僕は自分が書いたことの責任を引き受けるという
意味ですべて快諾してきました。

もちろんここからも責任を背負います。今、僕が望むのは僕が、これまでも
書いてきたように、僕が壮大な「オオカミ少年」になることです。
しかし同時に、ここからは、1人1人が、転送先を考えて、はたして情報を
出していいかどうかを考えてください。

訂正、加工、加筆もしてくださってかまいません。実際、すでにそうしている方も
たくさんいます。

その責任を自らが引き受けましょう。それ抜きに、政府や大手マスコミを
批判している場合ではありません。


ここまでで再び送信します。

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地震続報( 16 )ヘリからの原発の映像と、米軍の判断

2011年03月18日 01時50分00秒 | 東北地方太平洋沖地震3月12~31日
守田です。

事態はどんどん逼迫しています。
まずは下記の情報をごらんください。
ヘリコプターから撮られた、今の福島第一原発第1号機から
第4号機の映像です。
http://www.asahi.com/national/update/0317/TKY201103170518.html

続いて、米軍が兵士に対して、80キロ圏内立ち入り禁止を命令している
という記事です。この場合、即時の通信手段と移動手段、防備、食料などを

持っている兵士の場合の判断であることを注意してくてください。

米軍も80キロ圏内立ち入り禁止=日本の要請あれば適用外も

時事通信 3月17日(木)7時37分配信

 【ワシントン時事】
米国防総省のラパン副報道官は16日、
福島第1原子力発電所の半径80キロ圏内への米軍の立ち入りを禁止したと発表した。
ただ、日本政府の要請があった場合、禁止措置を適用外とすることも検討する。
被災地の救援活動で自衛隊との連携を想定したものとみられる。
 ラパン副報道官によると、福島第1原発への対処では、日本政府の要請に基づき、
これまでに消防車2台を提供。
日本側からさらに高性能のポンプや高圧ホースを求められており、
一部の資機材は横田基地(東京都)に輸送。
また、ポンプ4台が佐世保基地(長崎県)から送られる。
 現時点では日本政府から福島原発現場への米軍出動要請は受けていないという。 
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110317-00000034-jij-int

では米軍は家族に対してどうしているか。本州からの撤退を勧告しています。

在日米軍家族、本州退避へ=放射能検査も実施

 【ワシントン時事】
米国防総省は17日、福島原発事故を受け、日本の本州に駐留する米軍の家族について、
退避を許可すると発表した。
また、ロイター通信によると、ナポリターノ米国土安全保障長官は同日、
記者団に対し、日本からの乗客・貨物の放射能検査を行うと述べた。(2011/03/18-00:57)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20110318-00000007-jij-int

米国は世界で唯一、核攻撃を行った経験をもっています。
戦後、広島・長崎にのりこんでつぶさにその影響を調べました。
放射能の大量被曝について、最も豊富なデータを持っているのが米国であり、
その判断であることを踏まえる必要があります。


今日のメールは長くなるので、まずこのことを先に送ります。

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地震続報( 15 )日本の悲劇(斉藤武一)・事故の真相(広瀬隆)

2011年03月17日 17時26分00秒 | 東北地方太平洋沖地震3月12~31日
守田です。

本当に残念なことながら、情勢はますます厳しい方向に進んでいます。
このようなことを書くのは苦痛です。しかし必要を感じるので書きます。

報道を見ている限り、政府も東電も、どんどん手詰まりになっているように
思えます。特に深刻な危機に陥っているのは、福島第一原発1号機から
4号機までですが、今、焦点があたっているのは、プルサーマルを行って
いた3号機の燃料棒付近からの水蒸気らしきものの発生です。

これは3号機の使用済み核燃料棒貯蔵プールの水位が下がっているために
燃料棒が過熱して起こっているわけですが、これに対する対処がほとんど
まる1日できてこなかった。しかも今日の午前中に、自衛隊ヘリからの放水が
行われましたが、あまり効果があったとは思えません。

テレビのコメンテーターによれば、1日に50トンの水が冷却に必要なそうですが、
そもそも自衛隊機は7・5トンを4回しか運べていない。しかも映像でみていると
多くは、3号機の建物にもあたっていませんでした。
この後、警視庁第一機動隊の高圧放水車と、自衛隊の放水車で、30トンの
放水が行われようとしています。これもがどれほどの効果をあげられるのか。

もちろんこうした試みのすべてがうまくいって欲しいです。しかし最低でも100トン
以上、あるいはもっと大量の水を放水しないととても届かないと思われます。
このやり方を批判しているのではありませんが、もうこんな方法しか残って
いないのかと、嘆息せざるを得ません。

こうした危機的な状態に対して、2人の方が、極めて悲観的な見通しを宣言して
います。広瀬隆さんは、原発震災、とくに津波による原発の崩壊を繰り返し、
繰り返し、述べられてきた方です。そのため「だからあれほど言ったじゃないか、
あれほど止めろと言ったじゃないか」という思いがあふれていて、よりコメントは
厳しいです。読んだら落ち込むかもしれないと思いますが、どうかみなさん、
希望的観測だけに流れてしまなわにように、これと向き合ってください。

一方で、片岡(栗田)さんが、原発設計者が、積極的に提言を行っている
ツイートを見つけてくれました。この方は、まだまだ方法があり、それが
届かないのが悔しいと書いています。
http://twitter.com/#!/ueharams
この内容に対する真偽判断は、現場を知っている方でしかできないと
思うのですが、「事態を止めることは可能だ」と言う方がいるのならば、ぜひ
その知恵が現場に届いて欲しいです。




> 2011年3月16日
>
>
>
> 日本の悲劇 -東北巨大地震と福島原発
>
> ~本当のことを何も知らされない日本人~
>
>
>
>  北海道岩内原発研究会代表 斉藤武一
>
>
>
> はじめに
>
>
>
> 太平洋沿岸に並んでいる10基の福島原発が次々と深刻な状
態になっている。どんなことが起きているのか、日本人は何も
知らされていない。さらに、これから起きる本当の悲劇のこと
も何も知らされていない。今もなお、電力会社と政府と原子力
工学の専門家とマスコミは、本当のことを国民に欠くし、国民
をだまし続けている。
>
>
>
> 1. 福島原発の弱点
>
>
>
> 原発には。加圧型(PWR)と沸騰水型(BWR)があるが
、福島原発はBWRタイプである。BWRの弱点は二つある。
 一つは、ブレーキに当たる制御棒が圧力容器の下から挿入さ
れるという点にある。制御棒は、竹やりのような形で圧力容器
の下にぶら下がっている。制御棒は水圧で押し上げるが、ぶら
下がっているため、地震で揺れた時は、制御棒が入りずらいと
いう弱点がある。今回の地震では、「幸運にも」制御棒が入り
、原子炉が停止したということを日本人は知らされていない。
>
> そして、二つ目の弱点は、圧力容器内の水を循環される循環
ポンプにある。BWRは、構造上、循環ポンプが圧力容器の外
にぶらさがっている形になっている。そのため地震の震動に対
して非常に脆い。循環ポンプは、燃料棒を冷却する重要な役目
があり、今回、原子炉が停止した後、崩壊熱を出し続ける燃料
棒を冷却ができなくなった理由は、循環ポンプの弱点のあるこ
とを、国民は知らされていない。
>
>
>
> 2.
> 非常用発電機が津波で流されていた
>
>
>
> 原発では、通常は内部電力といい原発自身が作った電気を使
って運転されている。地震で原子炉が停止すると、最初に内部
電力がなくなる。 すると、外部電力といい送電線から電力が
供給されることになっている。しかし、地震で外部電力もこな
かった。
>
> その時は、非常用ディーゼル発電機が作動することになって
いるが、大津波で発電機のある施設をすべて押し流していた。
しかし、電力会社は、津波で発電機が不能になったという程度
で、施設そのものが流されていたという重大な事実を隠してい
た。やがてバッテリーもきれ、福島原発は、電気がなくなり、
完全に不能となり、電源喪失に陥る。 そして、電源喪失とい
う重大事故は、福島原発の第一原発の2号機で、巨大地震の9
か月前の2010年6月17日にも起きていた。その反省もな
いまま放置していた。
>
>
>
> 3.
> なぜ放射性物質が大量に放出されたのか
>
>
>
> 原発で、どのような燃料を使っているのか何も知らされてい
ない。 まず、ウラン燃料であるが、現在は4.8%という濃
度が高いものをつかっている。高燃焼度燃料というものである
。濃度が高いということは、核分裂によって生まれる死の灰の
放射性が高まる。さらに、燃えた後の使用済み燃料は、濃度の
低い燃料より多くの崩壊熱を出し続ける。そして、福島原発第
一原発3号機 (Iの3号)では、高い濃度のウラン燃料に加
え、プレトニウム燃料も使っている。プレトニウムは、ウラン
よりも激しく燃えるため、死の灰の放射能レベルは高く、燃や
した後の使用済み核燃料の崩壊熱も高い。つまり、冷却するこ
とができなくなり、燃料棒が推移面から露出して、水素が発生
し、格納容器が爆発したとき、大量の放射性物質が放出された
のは、燃料に大量の死の灰が入っていたからである。福島Iの
3号機のしゅうへんで400ミリシーベルト(mSv)という
とても高いレベルになったのは、濃度の高いウラン燃料とプレ
トニウムによるものである。このことも、日本人には何もしら
されていない。プレトニウムから生まれる死の灰の恐ろしさが
隠されている。
>
>
>
> 4. 使用済み核燃料が爆発した
>
>
>
> 福島第一原発4号機のプールに保管してある使用済み核燃料
から水素が発生し爆発した。なぜ爆発したのか、これも本当の
ことが隠されている。にほんでは、原発が出るゴミである使用
済み核燃料が大量に出てきて、その保管に困り果てている。そ
のため、プールには、昔に比べてぎっしりと原発のゴミが詰め
込まれていた。つまり、使用済み燃料全体から出る崩壊熱は、
以前に比べて多くなる。電源喪失により、プールの水を循環で
きなくなり、冷却できなくなり、プールの水がすこしずつ蒸発
し、使用済み核燃料が水面から露出し、崩壊熱により水素が発
生し爆発した。つまり、原発のゴミの処理に困り果て、プール
に異常に詰め込んだことが被害を大きくしたことになる。この
ことも何も知らされていない。
>
>
>
> 5.外部被ばくと内部被ばくの違い
>
>
>
> 何度も水素爆発が起き、死の灰が福島地方に降り注ぎ、さら
に首都東京にも少しずつ届いている。しかし、原子力の専門家
も政府もテレビも、健康に心配ないと繰り返している。その際
、レントゲン撮影に比べたら低い値だと強調し、国民をだまし
続けている。外から放射線を受けるのを外部被ばくというが、
レントゲン撮影は外部被爆のことである。 健康に心配なのは
、外部被ばくよりも、放射性物質を吸い込み体の中から被ばく
する内部被ばくのほうである。政府も専門家も、わざと外部被
ばくと内部被ばくを同等に扱い、健康に心配ないと国民をだま
し続けている。
>
>
>
> 6. 内部被ばくの恐ろしさ
>
>
>
> 外部被ばくは、瞬間の被ばくである。放射線の量が多ければ
、それに比例して癌になるリスクが高まる。しかし、内部被ば
くの場合は、体の中にある放射性物質が、じわじわと長期間に
わたって放射線を出す。そのため放射線によって周りの細胞は
破壊される。具体的には、免疫細胞が破壊され、遺伝子が傷つ
くことになる。そのため、放射線の量がごくごく微量でも、健
康に被害が出る。内部被ばくの場合は、10年後、20年後に
癌にかかるということになる。内部被ばくの恐ろしさは、目に
みえないごくごく小さなほこりを吸い込み、被ばくしたとはし
らないうちに癌にかかるリスクが高まっていくということにあ
る。 政府や専門家やマスコミは、この内部被ばくの恐ろしさ
を、まったく国民に知らせていない。
>
>
>
> 終わりに  日本の悲劇から世界の悲劇へ
>
>
>
> 本当のことを何も知らされないまま、おおくのにほんじんが
放射性物質にさらされています。このままだと日本の子供たち
は危ないです。内部被ばくした子供たちの遺伝子は傷つき、傷
ついた遺伝子は10年後、20年後、子供たちの体に襲いかか
ってくるのです。 悲劇は始まったばかりなのです。悲劇が始
まっているのに、その悲劇を日本人は知らされていません。日
本人が日本人を救えないのです。日本人の多くが、政府に悲劇
を訴えかけております。しかし、なかなか日本政府は本当のこ
とを言いません。福島原発の悲劇は、すでに全世界の悲劇へと
発展しています。全世界の人たちに心より訴えかけます。全世
界で原発を一刻も早く停止するようにこころより訴えかけます


> ◆破局は避けられるか――福島原発事故の真相      
    広瀬隆
> >
> >
> 2011年3月11日、東北地方三陸沖地震が起こって、福島第一
原発1号機で格納容器内の圧力が異常に上昇し、そのあと建屋
が爆発。続いて3号機も同じく爆発。さらに2号機は、格納容器
内にあるサプレッションプール(圧力抑制室)が破損した。破
損が進めば絶望的な破局に向かう。これと並行して、日本人の
頭の上に大量の放射能放出を始めた。一体、何が起こったのか

> >
> >
> ○「想定外」の言葉を濫用する電力会社とマスメディアの異
常津波そのものによる天災は、避けることができない。これは
日本人の宿命である。
> >
> しかし福島原発で起こったこの悲惨な事故は人災である。そ
れを起こした責任者は、電力会社だけではなく、これまで何も
この事態を警告をしなかったテレビと、テレビ
> >
> に出てデタラメを解説している専門家と呼ばれる大学教授た
ちである。
> >
> >
> 2011年3月11日14時46分頃、北緯38.0度、東経142.9度の三陸
沖、牡鹿半島東南東130km付近、震源深さ24kmで、マグニチュ
ード9.0の巨大地震が発生した。マグニチュードが当初8.4→次
に8.8→最後に9.0に修正されてきたことが、疑わしい。原発事
故が進んだために、「史上最大の地震」にしなければならない
人間たちが数値を引き上げたのだと思う。これは四川大地震の
時に中国政府がとった態度と同じである。
> >
> >
> 地震による揺れは、宮城県栗原市築館(つきだて)で2933ガ
ルを観測し、重力加速度の3倍である。しかし2008年の岩手・
宮城内陸地震では、マグニチュード7.2で、岩手県一関市内の
観測地点で上下動3866ガルを記録している。今回より大きい。
> >
> >
> NHKなどは「1000年に1度の巨大地震」と強調するが、この東
北地方三陸沖地震の実害と、原発震災を起こした原因は、津波
であった。では、津波の脅威は、誰にも予測できなかったもの
なのか。日本の沿岸地震では、ほんの100年前ほどの1896年(
明治29年)の明治三陸地震津波で、岩手県沿岸の綾里(りょう
り)では8.2m、吉浜(よしはま)24.4m、田老(たろう)14.6m
の津波高さが記録されている。「想定外」の言葉を安っぽく濫
用するなとマスメディアに言いたい。被害が出たあとに、被害
を解析してくれても困る。事故後に、「想定できなかった」と
いうことは、専門家ではない、ということだ。すべて私のごと
き人間に想定でき、昨年8月に発刊した『原子炉時限爆弾~大
地震におびえる日本列島』(ダイヤモンド社)に書いたことば
かりが起こったのである。電力会社が「故意に想定しなかった
」だけであり、想定しなかったその責任は、被曝者に対してき
わめて重大である。
> >
> > ○冷温停止に至っているのは原子炉11基のうち3基だけ
> >
> >
>
昨年のことから理解しておくべきである。昨年3月25日に、1971
年3月26日に運転を開始した福島第一原発1号機について、東京
電力は、この原発が40年を迎えるというに、超老朽化原発の運
転続行という暴挙を発表し、60年運転も可能だと暴言を吐いて
、原子力安全・保安院がそれを認めた。これは福井県の敦賀原
発・美浜原発に続く、きわめて危険な判断であった。さらに昨
年10月26日、営業運転開始から34年が経過した老朽化原発・福
島第一原発3号機でプルトニウム燃料を使った危険なプルサー
マル営業運転に入った。
> >
> >
> 地震発生時の運転状況は、○福島第一1・2・3号機は運転中
→スクラム(緊急自動停止)4・5・6号機は定検停止中○福島
第二1・2・3・4号機はすべて運転中→スクラム。制御棒が挿入
され、核分裂反応は、全機が停止した。しかし……
> >
> >
> 地震発生後、原発は「止める」「冷やす」「閉じ込める」機
能があるので大丈夫だ
> >
> と宣伝してきたが、ほかの原発も含めて、自動停止した11基
の原子炉のうち、原子炉内の温度が100℃以下で、圧力も大気
圧に近い状態で安定した「冷温停止」に至っているのは、地震4
日目の14日現在、福島第二原発3号機と女川原発1・3号機の3基
だけであり、残り8基が迷走運転中である。
> >
> >
> ○炉心溶融(メルトダウン)は2800℃どころか、わずか600
℃で起こる
> >
> 電気出力100万kW原子炉では、熱出力がその3倍の330万kWあ
る。この原子炉では、原子炉自動停止しても、その後に核分裂
生成物が出し続ける崩壊熱は、1日後にも、1万5560kWもある。
またその発熱量がどれほど小さくなっても、永遠に熱を出し続
けるので、燃料棒が原子炉にある限り、それを除去し続けなけ
ればならない。なぜなら、原子炉という閉じ込められた容器内
では、熱がどんどんたまってゆくからである。
> >
> >
> それを除去できなければ、水は100℃で沸騰するから、水が
なくなり、燃料棒がむき出しになる。そうなれば、超危険な放
射性物質が溶け出し、燃料棒の集合体が溶け落ちる。それが炉
心熔融であり、メルトダウンと呼ばれる。燃料棒の集合体が次
々に溶け落ちると、炉の底にたまって、ますます高温になり、
灼熱状態になる。やがて原子炉圧力容器の鋼鉄を溶かし、お釜
の底が抜けると、すべての放射性物質が、外に出て行く。これ
が「チャイナ・シンドローム」と呼ばれる現象である。
> >
> >
> 一方、燃料棒被覆管のジルコニウムが水と反応して酸化され
るので、水素ガスを発生する。水素ガスの爆発限界は、最小値
が4.2%であるから、この濃度になれば爆発する。原子炉の正
常な運転条件は、福島原発のような沸騰水型では、280~290℃
、70気圧である。従来は燃料棒の過熱温度が2800℃で炉心溶融
が起こるとされていたが、スリーマイル島原発事故などの解析
によって、実際には600℃で起こることが明らかになった(2009
年7月6日~7日にNHK・BS1で放映されたフランス製ドキュメン
ト「核の警鐘~問われる原発の安全性」)。NHKなどは、御用
学者を動員して「史上空前のマグニチュード9.0」を強調して
いるが、建物の崩壊状況を見て分る通り、実際の揺れは、兵庫
県南部地震(阪神大震災)のほうがはるかに強烈だった。この
地震被害の原因は、揺れではなく、ほとんどが津波であった。
> >
> >
> ○地球の動きがもらたす未曾有の「原発震災」が現実化した
> >
> 福島第一原発では、地震から1時間後、15時42分に全交流電
源が喪失して、外部からの電気がまったく来なくなった。あと
は、所内の電源が動かなければ、何もできない状態である。と
ころがそこに津波が襲って、15時45分にオイルタンクが流失し
て、さらに配電盤などの配線系統が水びたしになって、内部は
どうにもならなくなった。初めは炉心に水を注入するためのECCS
(緊急炉心冷却装置)を作動したが、すぐに注水不能となった
。非常用ディーゼル発電機はまったく作動しない。電気回路が
大量の水を浴びて、配線系統がどうにもならない。コンピュー
ターも何もかも、電気がなければ何もできない。
> >
> >
> このような所内電源と非常用ディーゼル発電機による電力の
すべてが失われた事態
> >
> に備えて、原子炉隔離時冷却系と呼ばれるECCSの一種がある
。これは、炉心の崩壊熱による蒸気を利用してタービンを起動
させ、ポンプを駆動して注水する装置である。しかし、これも
制御機能が失われれば、駄目になる。
> >
> >
> そもそも、地震発生当初から、非常用ディーゼル発電機がま
ったく働かないという
> >
> のだから、電源車が到着したかどうかに鍵があるのに、その
最も重要なことについて
> >
> さえ、報道されなかった。テレビの報道陣が、いかに原発事
故について無知であるか
> > をさらけ出した。
> >
> >
> そして1号機の原子炉内の水位がぐんぐん下がり始めた。非
常用復水器と原子炉隔離時冷却系によって、何とか水位の復帰
につとめたが、格納容器(ドライウェル)内の圧力が、設計上
の使用最高圧力4気圧をはるかに上回る8気圧に達している可能
性が高く、加えて、除熱ができていないので、水位が下がって
ゆき、4メートルの燃料棒の頭は、1メートル以上が水の上に顔
を出した。
> >
> >
> 事故の経過を見ると、悲観的にならざるを得ない。もうすで
に、事故解析の段階は
> >
> 過ぎたようだ。15日昼頃には、敷地内での放射能が通常の3
60万倍に達した。テレビでは、コメンテーターも政府もみな
、微量、微量と言い続けた。ここまでくれば、みな、おそるべ
き犯罪者たちである。さらに2号機では、格納容器の破損が起
こり、4号機では建屋内の使用済み核燃料のプールが沸騰を始
めたという。ここには、原子炉より多くの放射性物質が入って
いる。作業者が近づけない場所である。福島第一原発の6基の
うち、1基がメルトダウンすれば、そこには職員がいられなく
なる。すべてを放棄して逃げ出すだろう。あとは連鎖的に事故
が起こる。
> >
> >
> この発電所には、全部合わせて、事故を起こしたチェルノブ
イリ原発の10倍を超える
> >
> 放射能があると思われる。あとは、この放射能が無害である
と、政府と原子力安全保安院と電力会社とテレビの御用学者た
ちは言い続けるはずだ。もし日本の国民が愚かであればそれを
信じて、汚染野菜を食べることだろう。明日、すぐには死なな
いからだ。しかし間違いなく発癌することが分っている。津波
の被害でみな、泣きそうな状態になっているというのに、その
上に放射能を浴びせるとは、ひどすぎると思わな
> >
> いだろうか。子供たちを守れるのは、事実を知っているあな
ただけである。
>
> >
> >
> > 『原子炉時限爆弾』で、私はこう書いた。
> >
> >
> ──「10年後に、日本という国があるのだろうか」と尋ねら
れれば、「かなり確率の
> >
> 高い話として、日本はないかも知れない」と、悪い予感を覚
える。……この先には、まったく報じられない、とてつもなく
巨大な暗黒時代が待ち受けているのだ。その正体は、想像した
くもないが、人知のおよばない地球の動きがもたらす「原発震
災」の恐怖である。──と。
> >
> >
>  その通りになってしまったのだとすれば、悔やんでも悔や
みきれない。
>

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地震続報( 14 )燃料プールで起こっていることと先々の見通し

2011年03月16日 04時15分00秒 | 東北地方太平洋沖地震3月12~31日
守田です。(20110316 04:15)

昨日(15日)は友人といろいろと物資を買いに行っていました。
(代金のあまりに多くを友人に負担させてしまいました・・・反省)
そうしたら、電気店には客が押し寄せていて、懐中電灯や、
単一、単二電池は皆無でした。

みなさん、いざというときを恐れて買いだめに走ったの
だろうか?いろいろと友人と話し合いましたが、恐らく、
東日本の計画停電も影響しているのだろうと考えました。
被災地だけでなく、広範な地域の友人家族に物資が
送られているのかも知れません。実体は確かめようが
ありませんが。

一方、友人は、現地に送るビニールの雨合羽をたくさん買ったの
ですが、こっちは品物がたくさんありました。これが
放射能を避けるのに有効だということが理解されてないのだなあ
と残念な気がしました。

みなさん、まずはいくつか雨合羽を買って下さいね。
その上に、黒いビニールを被るとさらにいいです。
そして外出から帰ってきたら、黒いビニールは捨てるのです。
合羽を捨てるかどうかは、汚染がそれぐらいのレベルかに
よりますね。

そうして夕方に帰ってきたら、たくさんのメールが来ていました。
全部、丹念に読んで、いろいろな思いが交差しましたが、
レスは明日に回したいと思います。


さてみなさま。残念ながら、今日も事態はより深刻な展開を
見せました。さきほど、僕が尊敬する方達が作っている、原子力
資料情報室からのメッセージをお届けしましたが、それを
踏まえて、僕の分析をお伝えします。あくまでも僕の解釈ですので、
原子力資料情報室の分析ではないことは含みおいてください。


今日、より深刻な事態になったのは、何よりも使用済み核燃料が
熱を発し、4号機で水素による火災がおこったこと、火災そのもの
よりも、使用済み核燃料の加熱が起こっているということです。
先にも述べましたが、これが深刻なのは、これが原子炉格納容器の
外で起こっていることだからです。

実はこれまで原発に反対してきた多くの人が、ある意味では、原子炉
の核暴走以上に起こりうる危機として指摘してきたのが、このことで
した。何故なら使用済み核燃料貯蔵プールは、原子炉と比べると、
段違いに脆弱な設計条件のもとにおかれてきたからです。

そのためたとえ原子炉が大丈夫でも、ここが壊れたら終わりなのでは
ないか、原発の大きな弱点の一つなのではないかという指摘が
繰り返しなされてきました。原子力格納容器という厚さ15センチの
鋼鉄などに守られておらず、ただのプールに燃料棒が沈められて
いるからです。

そもそも多くの人々が、原子力格納容器もまた安全とは言えない
ことを指摘してきたわけですが、外にある使用済み核燃料プールは、
もっと危ない。地震でプールに裂け目ができて冷却水が漏れだし、
これを埋め合わせる供給ができなければ、それでもう「終わり」
だからです。

3号機が水素爆発したときも、僕はこのことが一番、気にかかりました。
1号機と違って、何か構造物が吹き飛ばされたように見えたので、
ひょっとして、使用済み燃料棒の破損ではないかと、息をのみました。
しかし未確認情報なので、その憶測をここに流すことはしませんでした。

その後、3号機のプールは屋根が飛んで、むき出しになっていることが
分かりました。このとき僕は、プールがむき出しになっている事態
の深刻さよりも、まだそこに燃料棒があったことが確認されたことの方に
胸をなで下ろす思いがしました。しかしここも水がなくなってしまうので
はないのかと不安になりました。


このことがなぜ深刻なのか。次にそれを書きたいと思います。
運転中の核燃料の中ではウランの核分裂が起こっています。
そのときに熱が生じ、冷却水によって、熱が蒸気に転換され
タービンを回すのが、原発の基本構造です。

この運転を止めるためには、制御棒を燃料の間に差し込みます。
このことで、分裂を促す中性子線が吸収され、分裂が次第に
やんでいくわけです。

こうした核分裂の連鎖反応が止まった状態の燃料が、使用済み
核燃料ですが、実はそこでは、その中にある物質の、「崩壊」という
現象が続いています。崩壊とは電子などを出していくことです。

例えば、使用済み核燃料の中には、分裂しなかったウラン、また
もともと分裂しないウランがたくさん残っています。その中の放射性
ウランは、アルファー線を出します。出して違う物質に変わっていく
のです。このアルファー線を出して違う物質になることを、
アルファー崩壊といいます。そしてこのときに熱が出るので、
それを崩壊熱といいます。

では崩壊した物質は、もう熱も放射線も出さないのかと言うと、
次に生成した違う物質でも、アルファー線、ベータ線、ガンマー
線などを出して崩壊していく場合が多いです。このときも
崩壊熱が出て、違う物質に変わります。そしてその物質が・・・
という円環が進んでいきます。

このため使用済み核燃料は、何十年にもわたって、水の中に
つけておかねばならないのです。その点だけでも原発は
もの凄くコストのかかる発電装置です。その間中、水を循環させて
熱を奪い続けなければならないからです。

熱を奪わない、つまり冷却できなくなるとどうなるか。次第に
燃料棒は高熱をおびてきます。そして被覆管から溶け出して
きます。その先は、これまで原子炉内部で起こってきている
こととまったく同じです。燃料ペレットが溶け出していくのです。

それがどんどん進行していくと、燃料ペレットはぐちゃぐちゃになって
プールの底の方に集まっていくことになる。いや、プールの底など
すぐに破られてしまうのですが、重要なのは、このとき臨界が
生じてしまう可能性があることです。

なぜならば核分裂性物質は、ある形状の固まりになると、自然に
臨界に達するからです。臨界とは、核分裂反応が恒常的に
生じている状態のことです。

これが如実にあらわれたのが、東海村のJCO事故でした。
このとき、作業員たちは、バケツで撹拌した濃縮ウランを、ある
形状の容器に注ぎ込んだのですが、その瞬間に臨界が生じた。
そして多量の放射線が発生し、被曝が起こった。

実は問題だったのは、容器の形状でした。臨界に達しやすい
形だったのです。バケツで撹拌したことよりもこの形状の方が
問題だった。なぜならあの形状のもとで、放射性物質が集まったら、
臨界に達することが理解されていなかったことがそこに現れて
いたからでした。

つまり日本の原子力技術が、一体、どのような形状で、どれぐらい
放射性物質が集まったら臨界に達するのかが、しっかりとは
把握してないことがあのときに明らかになった。


実は今回もそうなのです。燃料棒がどれぐらい溶けて、どれぐらい
集まったら核分裂が始まってしまうのか。実は誰もよく分かって
いない。そのためか、メルトダウンがおこっても、運転を停止した
原発では、核爆発はおきないと言っている「研究者」まで
いるようです。

しかしJCO事故は、核分裂反応などそれまでまったくなかった
ところでも、ある一定の濃度の核分裂性物質が、ある形状の
もとに集まったら、臨界を開始しうることを物語っています。

少々、迂回がすぎたでしょうか。要するにいいたいのは、使用済み
核燃料貯蔵プールの燃料棒もまた、冷却できなければ極めて
危険であり、メルトダウンから核暴走にいたる恐れがあることです。
しかも繰り返しますが、これが原子力格納容器の外で起こるので、
はじめから高濃度の放射能をまき散らしながら、このシナリオが
進んでしまいます。こうした燃料プールの危機は、これまで視野に
入ってなかった5号機、6号機でも静かに進行中です。


さてこの先はどうなるのか、大胆な予想を述べましょう。
予想される最善の状態にすべてが落ち着くのだとすると、つまり
今、生じている深刻なトラブルがすべて克服され、6基の原発、
いや福島第二や東海原発などを含めて、すべての原発が安定し、
安全性が保障されるまでいくには、相当な時間がかかるだろうと
いうことです。少なくとも数日などということはないし、数週間でも
難しいのではないかと思います。

だからまずこの最善の結果を心から欲してる私たちは、長期に
わたる緊張感に耐え、長きにわたって固唾を飲む息苦しさに
耐えねばならないことを覚悟しなければならないと思います。
しかもその間、さまざまな形で高濃度の放射能が発生するで
しょう。そのことに私たちは次々と対処し、危機を乗り越えていく
必要があります。

それに対して、私たちが最も恐れているシナリオは、ほとんど
突然始まってしまうと思います。そのとき幾つもの炉の複合的な
事故になる可能性も高いです。そうなるとどうなるかは、もう
そのときに考えると、僕は割り切ることにしました。


その上で、私たちは、現実的に今、どんどん発生しだしている
原発災害難民をそれぞれの地域で受け入れていく体制を
整えていかなければなりません。
とくに被曝した可能性のある避難民を守りましょう。そうした
人と接したら、多少の被曝は覚悟してでも、すぐにシャワーや
衣服などを提供してあげましょう。被曝した人を、恐れたり、排除したり
しようとするあらゆる動向、流言と立ち向かい、逃げてくる人々は
誰でも受け入れ、心の傷にも寄り添うようにしましょう。
そしてまた、それも長期にわたりうると考えましょう。

とくに体内被曝の場合、年齢が若いほど、深刻な被害を受けます。
そのためあらため放射性ヨウ素による被曝を防止するための
ヨード剤の服用は、40歳以上は必要ないと言われています。

それなら僕ぐらいの年齢(50歳代)が、積極的に被曝の
リスクを背負って人を助けましょう。避難民を守って、受け入れ
なければいけませんが、子どもをそこに立たせてはいけません。
若者にも一歩下がってもらいましょう。
(ただし、誰にも「怖い、自分も一歩下がりたい、あるいは守らねば
ならない人がいるので、自分も下がる等々と言う、明確な権利が、
あることもしっかりと踏まえておきましょう」)

さらに可能な限り、原発に近い人々に避難を検討・開始し、放射能
汚染対策をとるべきことを伝えていきましょう。
近いとはどれぐらいの範囲をさすか。すでに福島原発で発生した
放射能が、東京にも達していることは一つの目安になるのでは
ないかと思います。

そして避難を訴えるとき、私たちはこの努力の全てが空振りになる
ことを恐れないようにしましょう。
いや私たちの一番、願うことは、全ての避難が、「ムダ」になる
ことです。「あんたに言われて逃げたけど、逃げる必要は
なかったやん」といつしか言われて、頭でもかく日が来ることこそ、
私たちの心からの願いです。

そのことを頭に入れて、今、進行している原発の危機を、
冷静・沈着に伝え、そうして自己防衛と可能ならばの脱出を
訴えましょう。同時にどうしても脱出できない立場の人、また
脱出することに踏み切れない人々の立場も考え、その場合の
次善の策を伝えるようにしましょう。
いざとなったときの脱出方法、集合場所をせめて家族で
決めておいてと伝えるなど、いろいろ考えることはあると思います。
最悪の場合ばかりを考えず、少しでもましな選択はないかと
考え、その可能性、方法をみつけ、伝えるようにしましょう。


以上を、提案し、さらにウォッチを継続します。


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地震情報( 13 )原子力資料情報室からのメッセージ[1]

2011年03月16日 01時20分00秒 | 東北地方太平洋沖地震3月12~31日
守田です。(20110316 01:20)

昨日18:21にだされた原子力資料情報室からのメッセージを
転送します。


*****************

福島原発の危機について私たちは考えます
― 原子力資料情報室からのメッセージ ―


2011年3月15日

1 福島第一原発及び同第二原発の今回の事故は、
原発の設計条件においては考えられていない想定外の過酷事故であり、
極めて深刻な事態が続いています。

2 この影響を避けるためには、原発から距離を置くのが最も有効な手段です。
可能であれば、福島原発から、できるだけ遠くへ離れることがベストです。
移動できない方は、建物の中に入って、外気に極力触れないでください。
雨には絶対に当たらないように気をつけてください。

3 「何キロまで離れれば安全か」について判断することは容易ではありません。
この判断のためには、放射能レベルと気象条件についての正確な情報が必要であり、
さらに、今後何が起こりうるかについての的確な予測が必要だからです。
これまでの政府・東京電力の情報提供は極めて不十分であり、
この判断のために必要な情報を、正確かつ迅速に提供するべきです。

4 現時点で、私たちが把握している事実は以下のとおりです。

(1) 福島第一原発2号機は、核燃料の冷却能力が十分でなく、
核燃料が長時間にわたって露出している状態です。
格納容器からは、数日前から、圧力を低下させるため、
放射性物質を含む蒸気を放出しており、
加えて、放射性物質を閉じ込める最後の砦である格納容器の一部
である圧力抑制室(サプレッションプール)が一部損傷を受けたため、
これによって、さらに放射性物質が放出されています。
今後も、炉水位の低下及び格納容器の損傷によって、
さらに多量の放射性物質が放出される可能性があります。

(2) 福島第一原発1号機及び3号機でも、核燃料の冷却能力が十分でなく、
格納容器からは、数日前から、
圧力を低下させるため、放射性物質を含む蒸気が放出されております。
現在、海水注入がされていますが、2号機と同様の事態に至る可能性があります。

(3) 福島第一原発4号機~6号機は、
地震時には定期点検中で運転されていなかったにもかかわらず、
同4号機では使用済み核燃料プールが水位低下したことによって
水素爆発が発生したとされています。
この事実は、4号機~6号機の安全も、絶対のものではないことを示しています。

(4) 福島第二原発1号機~4号機も、冷却能力の不足が懸念されていました。
東京電力の発表では、
4基とも冷温停止(100℃以下)で外部電源も確保されているとのことでありますが、
一部温度が上昇したとの発表もあります。
今後も長期間継続して冷却しなければならず、注意深く監視していく必要があります。

(5) 福島第一原発は6基の、同第二原発は4基の原発が隣接しており、
1基の原発に発生した事故が、他の原発に影響を及ぼす可能性が高く、
今後、事態がさらにより深刻なものになる可能性もあります。


原子力資料情報室
〒162-0065 東京都新宿区住吉町8-5曙橋コーポ2階B
TEL.03-3357-3800 FAX.03-3357-3801
cnic@nifty.com

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地震情報( 12 )放射線量拡大・被曝を防ぐマニュアル再掲

2011年03月15日 11時50分00秒 | 東北地方太平洋沖地震3月12~31日
守田です。(20110315 11:50)
今後は検索がしやすいようにタイトルの付け方を変えます。

今度は福島第一原発4号炉から火災が発生し、これまでとは
けた外れの放射線が出てます。
10時過ぎの測定で、最も強いのは3号機のそばで、400ミリシーベルト
パーアワーです。
枝野長官は「明らかに健康に害のある量だ」と述べています。

男性だと100ミリを浴びると一時的に不妊になり、男女とも
500ミリを浴びると、白血球が減少していくとNHKで説明されています。
(これらの点は再度、調べます)

単位がマイクロからミリに変わっていることに注意してください。
1000倍です!つまり400ミリシーベルトは、マイクロで換算すると
400,000マイクロシーベルト、40万マイクロシーベルトです。
これを受けて、管首相は、原発から半径20キロから30キロの
人々に「原発の今後を考えて屋内退避を指示する」と声明しました。

この放射線はどこから出ているのかというと、4号機の燃料プールに
おいてある使用済み燃料からです。4号機は地震の時に点検中で
運転しておらず、これまで問題はないとされてきました。

ところが何らかの要因で燃料プールの水位が低下し、燃料棒が
露出して熱がたまり、ジルコニウム合金が溶け出したとみられて
います。そのためこれまでと同じように水素が発生し、それに
火がついて燃えたわけです。(現在が鎮火が確認されています)。
1号機や3号機のときのように、爆発にいたらず、燃えたわけです。


これで燃料棒が燃えたわけではありませんが、問題は、ジルコニウム
合金が溶けることで、内部に閉じ込めてあったウランの分裂物、
放射性のヨウ素、セシウム、ストロンチウムなどが大気中に出てしまった
ことです。

同様のことはこれまでも起こってきましたが、決定的な違いは、
これまでは原子炉の中で起こってきたことが、その外で起こって
しまっていることです。燃料プールは、原子炉の中でも、原子炉
格納容器の中でもなく、外にあるからです。
そのためここには放射能を封じ込めるものは何もなく、2号機の
トラブルでは8000マイクロシーベルトが記録されたことに対して、
いきなり、40万マイクロシーベルトという線量がでてしまっています。


放射能が飛来する可能性のある地域の方は、ただちに
放射能から身を守るすべを取ってください。
まずモニタリングポストなどで状況を確認し、風向などもおさえて
自分のいるところがどうなっているか、どのようになりうるかを
つかんでください。

すでに出した情報ですが、放射能から身を守るために、外で行動する
ときにはどのような格好をすればいいかなどが書かれているアドレスを
再度紹介しておきます。

原発事故に備えて常備しておくもの
http://tabemono.info/report/image/ns127_genpathu.jpg

同じくAさんからの紹介ですが、深刻な原発事故のときの対処法です。
浜岡原発での大事故を想定したものです。
http://www.lohasworld.jp/yomimono/atomdez2.html

放射線モニタリングサイトと、雲の動向を見れるヤフーサイトの
アドレスも書いておきます。
http://www.geocities.jp/atom_moni/
http://weather.yahoo.co.jp/weather/zoomradar/
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東北地方太平洋沖地震について( 11 )

2011年03月15日 09時36分00秒 | 東北地方太平洋沖地震3月12~31日
守田です。(20110315 9:36)

重大な事態が生じています。高濃度の放射能が漏れだしたようです。
ここからは情報を取りやすいように、情報を短く書いて発信していきますが、
原子炉格納容器の一部が損壊したようです。原子炉そのものの崩壊には
至っていませんが、穴があいて、制御できずに放射能が出ています。

今朝6時過ぎに2号機から爆発音がしたそうです。
これによって、原子炉格納容器内下部にあるサブレッションプール
(圧力抑制プール)に欠損が生じたおそれがあると言われています。
これによって格納容器の圧力が下がったので、放射能を閉じ込める容器に
穴が開いたのではないかとの推測が出ています。
ただし東電自身、十分に事態を把握しきれていないようです。

現場にいる人々のうち東電社員および関連会社の社員が退避を開始した
ことも明らかにされています。被曝を避けるためです。「原子炉の冷却に
直接に携わっていない社員」と説明されています。ちなみに残っているのは
50人程度だそうです。

これまでよりもかなり困難な事態が生じていることは明らかです。
どこが違うのかと言うと、これまでは、「放射能を閉じ込める最後の砦」で
ある格納容器は保たれていたわけですが、そこに穴が開いた可能性が
あるということです。
水位自体は、から焚き状態からは一定回復しましたが、依然、燃料棒は
2.7メートルほど露出しているそうです。

正門付近の放射線は8600マイクロシーンベルトパーアワーになっている
そうです。ちなみに通常の値は、25~50ぐらいです。
また午前8時ごろ、福島第一原発周辺では北から南への風が
吹いているそうです。あるいは北東の風である可能性もあります。
気象庁によると、今日は北から南への風が吹きやすいそうです。
これらから放射性物質が、南方面、茨城県方面からさらに南に
流れている可能性があります。

ただその後に線量が下がったという報告もなされており、放射能漏れが
どんどん続いているのか、いったん止まっているのかまだよく分からない
状態です。

これについては、昨夜(9)でも紹介した以下の放射能モニタリングポスト
が参考になりますので、ぜひ参照してください。
特に分かりやすいのは、それぞれ原子力施設のある茨城県・新潟県
(柏崎原発)・宮城県(女川原発)・茨城県のものです。

ちなみに茨城県のものを見てみると、8時の段階で、茨城県南部で
5000マイクロシーベルトパーアワーの値が見られました。
しかしたった今、確認すると同じ場所が1000まで下がっていました。
その意味では、少なくとも現時点(9時17分)では、茨城県でどんどん線量が
あがっているわけではないでようです。

近くにいる方は、これを目安に、それぞれで放射能被爆から身を
守ってください。
またどうしても「茨城県で放射線量があがっている」などという形での
情報伝達が多くなりますが、その場合、必ず今はどうなっているのかを
確認するようにしてください。

今後、次第に、放射能がどこにあるのか、不安が高まり、一部では
パニックが生じる可能性があります。そうなるとあやまった情報も飛び交い
やすいです。その点でも、こうした情報を発信するときは、下記のポスト
などで、現状を確認するようにしてください。

僕自身も努めて冷静に、誤りの少ない情報の発信を目指します。
(現場自身が事態をつかみ切れていないので、事後的には間違っていたと
分かる情報を出してしまう可能性もあります。その場合はすぐに訂正を
出します)

放射能モニタリングポスト
http://www.geocities.jp/atom_moni/

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東北地方太平洋沖地震について( 10 )

2011年03月15日 01時19分00秒 | 東北地方太平洋沖地震3月12~31日
守田です。

続報です。こういう形の続報は心苦しいのですが・・・、
再び、極めて危険な状態が生まれています。

たった今、行われている東電の会見で、2号機の水位が
再び低下し、燃料棒が完全に露出していると思われるとの
報告がなされています。

しかも炉内の圧力が上がっているのに、ベントが
開かなくなっているそうです・・・。

ともあれ今宵はまだしばしウォッチを続けます。

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