すみません。運転免許の更新だったので、未だに「眼鏡等」が付いていない状態で更新させるため、数日前から作業は控えめにして睡眠時間を取っておりました。今日、お陰様で無事に規制なしで更新することが出来ました。実際の運転は危険なのでメガネをしていますけどね。
で、オークションなどに出品されている使われ放題のままのようなローライ35 #32995XX(シンガポール)が来ましたよ。トップカバーのへこみ、巻き戻しレバーの化粧ネジが規格外で右のカバー固定ネジが欠品しています。全体に手垢汚れがあります。
シャツターは低速不調、ファインダー汚れ、沈胴はスカスカ、ヘリコイドの抜けている。典型的なオークション品質。
結構へこんでいますね。金属が陥没部分は戻りませんが、出来るだけ修正しましょう。
SINGAPOREなのでファインダーはレンズを分解して清掃します。画像はケースとレンズを清掃して組み立てているところ。
スプール軸などの清掃潤滑をして、完成したファインダー組み込みます。
あぁ、この個体もオレンジの0点が白化していますね。これ多いです。
洗浄したトップカバーにレバーアテを熱カシメしてレリーズのスライダーと研磨をしておいたメーター窓を接着します。
沈胴チューブを分離してフェルトの調整をします。工場で白い帯紙を入れてありますね。
シャッターとレンズの状態は意外に悪くありません。しかし、レンズはチリ汚れは構造上仕方ありませんので清掃をします。
過去にも見た記憶がありますが、巻き上げレバーの止ネジが何となく地味な感じ・・。全体が梨地のメッキです。普通は左の旋盤の挽目最小ですね。これオリジナルなのか、或はリプロ品なのか? 良く知りません。分かる方教えてください。
欠損の化粧ネジは当方で試作をしたネジを使うことでオーナーさんからご了解頂いています。
露出計の調整をしようとメーター窓の指針(〇付針)の動きを見ると絞りダイヤルと同調していない部分がある。前カバーを分離してリンケージとASAコントロールカムを見ると隙間が空いている。この範囲が同調していない訳です。
リンケージを分離して別の部品と比べてみます。カムと当たる付近の形状が一致しません。何かの負荷によって曲がったものか? 過去にかなりいじられている個体ですので何かがあったのかもしれません。今回は形状を修正します。
トップカバー背面の化粧ネジは当方のオリジナルを使い、荒れて見えたカメラがオリジナルに戻って来ました。ネジを緩める時に着けたと思われる傷が余計ですけどね。ダミーフィルムを入れて巻き上げテストをします。
このカメラの入手方法はお聞きしていませんが、概ねオークションなどに出品されている個体は、いわゆる「使いっぱなし」の状態が多いと思いますが、トップカバーのへこみも気にならない程度に修復して、機能と外観も良好な個体となりました。専用ケースに収まれば立派な良いローライ35です。