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秋の野で



                 陽が傾き始めた午後




                 深くなった影は
                 白い綿毛を浮かび上がらせて




                 枯れた花など
                 消えてしまいそうな秋の野で




                 小さなガラスの輝き
                 繊細な今にも壊れそうな
                 音が聞こえてきそう




                 あれほど跳び回った
                 秋の野でガラスの輝きには
                 出会わなかった?




                 あの頃はきっと
                 飛び跳ねて遊ぶこと
                 その輝きにすべて色褪せて




                 気づくこともなかったであろう
                 小さな枯れ花の輝き
                 遠いあの頃の輝きにも似て


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