四季の移り変わりに色をそえて
Shiki彩々
あの日の百合に

バスは
下田から西伊豆に
向かっていた

ワンマンバスなど
まだない頃・・

カーブを曲がると
真っ白な大きな山百合が
目に飛び込んできた

カーブを曲がるごとに
道の山側に山百合は
いくつも現れた

合宿などと言う
どうにも夢のない
元気な旅の
一瞬の全く違う空間・・

あれほど
百合らしい百合は・・
今も美しい百合に
出会うことは
いくらでもあるけれど

あれほど
百合らしい百合には・・

あの時
あの百合を見て
何を想っていたのだろうか
遠い記憶・・
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井の頭散歩道

いつもの散歩道
急ぎ足で通り過ぎる
ここ・・

・・公園前
珍しく足が止まる

どこか気持ちが違う
今日は・・ゆっくりと
犬のリードも動かない

レンガ一つ一つ
あの日見た・・
レンガの歩道も・・

いつもは
車道を走る車の騒音が
気になるこの道も
長く優しく続き

夏の知らせの草の蔓
すっかり見慣れた紫陽花も

スローモーションで
表情を変えながら
通り過ぎていく

こんな日は
ここにある今と
通り過ぎた日と
これから来る日が
同じように思えて・・

帰り道さえ
また・・いつかと
優しい
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青い葡萄

きっと
まだ酸っぱいのだろう

この頃の
翡翠色の葡萄は
瑞々しく

葡萄棚は
世界で一番美しい
緑を集めている

風も光も
何もなくても

すべてを
一粒一粒に
押し込んだように

実りを待つ
緑の房は

青い時・・

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昔色の紫陽花

いつの間にか
幾色もの紫陽花を
見かけるようになり

そんな美しい色の
紫陽花の間を通り抜けて

昔 通学の途中の
垣根越しに見た
水色の紫陽花に出会うと

失ってしまった
簡単な優しさとか・・
小さな落ち着きとかが
少し思い出せたようで

何事もなかった風に
遠くを見ながら・・

昔色の紫陽花の姿を
心に刻む

いつまでも
覚えていられたら・・・
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夏の庭

ユリの花が咲き
アゲハチョウが飛ぶ

木々の間からの
涼しい風

足を止めて眺める
夏の庭の風景

蝶をいつまでも
目で追う

いつの間にか
ユリとあそぶ
蝶の気持ちになって

四季折々・・でも
夏の庭はいつもと違って

春の頃
観客だったものを
舞台の上に連れて行く

こっそりと
花の間をぬって
小さなステップを
踏みたくなる
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秘密の花園

母と庭園を歩く

雨続きで
薔薇は少し
寂しげ

紫陽花は
水を得た紫陽花!!
瑞々しく
生き生きと

水色の紫陽花が
今を盛りと
咲いている

ん!
気がついてしまった
慌ててその裏に回ると

秘密の花園!
ピンク・・紫と
色とりどりの
紫陽花

内緒!と思ったけれど
内緒にするには
もったいない
可愛い紫陽花たち
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七不思議

紫陽花色は
七変化・・

なんてことを
考えながら
眺めていたら

ラッキーセブン・・
春や秋の七草・・
七転び八起き・・は
ちょっと違う?・・
かも知れないけれど

七の登場の
多いことに
気がついて

これって
七不思議?

には・・
入れてもらえそうには
ないけれど

ちょっと不思議・・

紫陽花色の
七変化・・くらい
不思議
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曇り空の下で

ときおり
ポツリポツリと
アスファルトに
水玉模様が出来る

それでも
灰色が濡れ色に
変わるわけでもなく

梅雨入り宣言は
いつになるのだろう
などと考えながら・・

こんな曇り空に
よく似合う
紫の紫陽花を撮る

少し濃い目の花びらを
灰色の空に透かして見る

曇りガラスのような
鈍い透明感が
曖昧な気持ちを
引き締めさせる

帰り道は
背筋を伸ばしながら
少し早足に変わる

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