まず出てくる言葉は「美味い!」だけです。
さすがに、松阪牛ですわ。
もっとも最近では、飛騨牛が日本一だとか。
「今度、高山にでも行くか」
三人共通の思いです。 . . . 本文を読む
カラリと晴れ渡った当日、約束の時間から少し遅れて着いた。
十分に間に合ったのだが、わざと遅れて行った。
気が進まないのだけれど、そして仕方なくです、という意思表示のつもりだった。 . . . 本文を読む
「ねえ、先生。明後日だよ、楽しみだわ。でね、おニューの水着を買ったの。どんなのだと、思う? お母さんには、内緒なの。勿論、お父さんにも。お父さんなんか、卒倒しちゃうかも。ふふふ。見てみる? いや、だめえ。お楽しみは、あ・と・で。室内プールで泳ぎたいの。それから、映画を観て。 . . . 本文を読む
「逢いたかった…」
真理子は、彼の胸に顔を埋めてきた。突然の行動に戸惑いを覚えつつも、彼は真理子をしっかりと抱き締めた。真理子は彼の胸から顔を外すと、目を閉じて顔を上げてきた。うっすらと開かれた唇に、彼はそっと唇を重ねた。しょっぱい味のする、キスだった。
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アパートに立ち戻った彼は、どっと疲れを感じた。
緊張の糸が切れ、虚脱感に襲われていた。
「コン、コン」
突然、ドアをノックする音が聞こえた。思わず時計を見ると、十時近かった。
〝誰だ、今頃〟
訝しく思いつつも、「ハイ、どなたですか?」と、その場から声を上げた。
「ワタシです、真理子です」
消え入るような声が返ってきた。
彼は、耳を疑った。慌ててドアを開けると、確かに真理子が立っていた。
「来ちゃ . . . 本文を読む
いつの間にかまどろんだ彼が目覚ると、もう辺りは真っ暗になっていた。
「しまった! 今日は、バイトの日だった。うわあ、もう八時じゃないか」
慌てて飛び起きると、タバコ屋前の公衆電話に飛びついた。 . . . 本文を読む
ボクちゃん、元気にしていますか?
まだ一週間だというのに、一ヶ月以上逢っていないような気がします。
淋しいです。きっと、ボクちゃんのことだから浮気したでしょうね。
それとも、我慢してくれてるかな? . . . 本文を読む
ひ・み・つ、ククク。それよりねえ、どうなの? ミタ君、本気でダンスをやるつもりある? いいのよ、正直に言って。のぶこでしょ、のぶこに誘われたから入ったんでしょ? 見る目が違ってたからさ」 . . . 本文を読む