昭和の恋物語り

小説をメインに、時折よもやま話と旅行報告をしていきます。

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空~(十四)私を守ってください

2015-07-16 08:46:52 | 小説
「いや、実、、、」 「いいのよ、何も仰有らないで。責めてるのでは、ないことよ。武士さんは、悪くありませんわ。唯、お可哀相で。でも凄い女性ね、男を手玉に取られるのだから。ええっと。確か…お名前は、貴子さんでし、、」 「牧子さんは、そんな女性じゃ、、」 . . . 本文を読む

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第一部~(十四)混乱は、極致に達した

2015-07-13 08:47:04 | 小説
彼にしても、驚いた。構えることなく出た言葉に、信じられない思いだった。以前の麗子からは、想像も出来ないことの連続に、正直のところ面食らっていた。嘗ての傲慢さが消え、姉さん気取りの麗子だった。車中で弁当を差し出されること等、考えられない。洒落たレストランでの食事以外、考えられない麗子なのに。 . . . 本文を読む

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第一部~(十四)そろそろ起きて

2015-07-12 10:54:33 | 小説
牧子と疎遠になって以来、女性との縁がプツリと切れてしまった彼だった。 由香里が相変わらず、彼とのデートをせがんでくるが、気乗りがしなかった。 真理子の件が一段落すると、無性に牧子に逢いたくなる彼だった。 一度手紙を書いたものの、牧子からの返事はつれないものだった。 父親の介護に追われる牧子は、とてものことに身動きがとれない状態だった。 こちらから押し掛けようかとも考えてはみたが、二の足を踏んで . . . 本文を読む

蜂くんとのお約束 ⑧ 2015年6月21日~7月11日

2015-07-11 11:01:11 | ポートレート
始まりは、一匹の蜂くんでした。可愛らしい物でした。 それが、あれよあれよという間に、 小舟から、巨大軍艦へと変貌です。 いや、巨大空母というべきですかね。 こうなってしまっては、実効支配状態です。 国際司法裁判所へ訴えようとしても、多分のこと蜂くん達が嫌がるでしょう。 . . . 本文を読む

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第一部~(十四) 忘れて! 全て!

2015-07-10 08:56:09 | 小説
高速道路に入ると、麗子は車のスピードをグングン上げた。 メーターを見やると、優に100kmを越えていた。 「どこへ、行くんですか?」 不安げに尋ねる彼に、麗子は薄ら笑いを浮かべるだけだった。 今日の麗子は、彼の知る麗子ではなく、異邦人のように感じられた。 . . . 本文を読む

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第一部~(十四) 麗子からの手紙・五

2015-07-08 08:50:03 | 小説
その後、彼は頻繁に求めるようになってきました。 でも、麗子は拒否しています。そんなにふしだらな女ではありませんことよ、麗子は。 勿論、無理強いをするような彼ではございませんし。 彼を愛していますわ、勿論。 でも、彼には立派な学者になって頂きたいの。 研究をおろかにさせることは、できません。 何せ、日本の将来を左右するような、立派な研究なのですから。 超伝導とかいう技術の開発に、携わっているの . . . 本文を読む

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第一部~(十四) 私を通して

2015-07-06 08:42:31 | 小説
貴方はね、私を通してご自分を探してらっしゃったの。 もしもあの噂が本当だとしたら、その方の中に、ご自分を見つけようとなさっているのよ。 ご自分を押し殺し、お相手の反応を見ていらっしゃるの。 そしてね、ああ、自分はこんな人間なのだと、推し量っているのです。 . . . 本文を読む

長編恋愛小説 ~水たまりの中の青空・第一部~(十四) 麗子からの手紙・二

2015-07-05 08:56:01 | 小説
彼には、「青天の霹靂」の如き文面だった。 思わず消印の日付を確認した。 “麗子さん、僕からの手紙、今の今まで読んでなかったのか?” 大きなため息をつきながら、麗子の指摘に対して “確かに、言われてみればそうかも。 高嶺の花だった、麗子さんだ。 床の間に飾ってある人形として、見ていたのかもしれない。 だけどそうさせたのは、誰あろう、麗子さん、貴女だ!” と、反論する彼だった。 急に喉の渇きを覚え . . . 本文を読む

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