人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

クララ・ジュミ・カンのブルッフを聴く~東響オペラシティシリーズ第61回コンサートから

2011年05月07日 18時41分05秒 | 日記
7日(土)。午後、初台のオペラシティ・コンサートホールに出かけました。東京交響楽団の「東京オペラシティシリーズ」新年度がスタートしました。新年度から娘と2人で定期会員になりました。席は1階中央右の通路側です。

プログラムは①ラベル「マ・メール・ロワ」②ブルッフ「バイオリン協奏曲第1番」(バイオリン:クララ・ジュミ・カン)③ビゼー「アルルの女・第1組曲、第2組曲」の3曲です。指揮はユベール・スダーン。

「マ・メール・ロワ」はラベルが、2人の子供たちがピアノ連弾で弾けるように作曲した曲で「マザー・グース」の話を音楽にしたものです。第1曲「眠りの森の美女のパバーヌ」第2曲「一寸法師」第3曲「パゴダの女王レドロネット」第4曲「美女と野獣の対話」第5曲「妖精の園」からなる組曲です。今日演奏されたオーケストラ版はラベル自身がバレエ音楽として編曲したものです。ラベルは作曲はもちろん編曲の天才ですね。色彩感豊かな音楽です。

ブルッフのバイオリン協奏曲を演奏したのはマンハイム生まれの韓国系ドイツ人クララ・ジュミ・カンです。新しいところでは2010年6月、第4回仙台国際音楽コンクール・バイオリン部門で優勝しています。プログラムの写真で見た印象は小柄で幼いイメージでしたが、実際に舞台に現れた彼女は、やや大柄でしっかりした印象でした。隣の席の娘が「あら、この人、私より1つ下だわ」と驚いていました。なるほどプロフィールには1987年生まれとありました。

バイオリニストに「静」と「動」があるとすれば、彼女は「静」でしょう。演奏中は体を大きく動かすことなく、必要最少限にとどめ、”出てくる音で勝負”するという静かな、しかし確かな意志を感じさせます。出てくる音は高音も低音も研ぎ澄まされていました。

拍手に応えてアンコールを演奏しました。まるでピアノの連打のような・・・と思って聴くと、それはシューベルトの「魔王」でした。バイオリンのために編曲されたもので、超絶技巧テクニックを要する曲でしたが、彼女は鋭い感性で弾ききりました。娘に「シューべルトの魔王だね」というと「知ってるよだって”お父さん、お父さん・・・っていうところがあったじゃない」という反応でした。おのれ知っておったか・・・

ビゼーの「アルルの女」はフランスの文豪アルフォンス・ドーデの短編小説集「風車小屋だより」の第6話に付けられた音楽です。第1組曲は「前奏曲」「三人の王の行進」「メヌエット」「アダージェット」「カリヨン」から成っています。「前奏曲」ではアルト・サクソフォーンが物悲しい調べを奏でますが、この楽器が初めて使われた曲といわれています。第2組曲は「パストラール」「間奏曲」「メヌエット」「ファランドール」から成っています。「メヌエット」はハープに導かれてフルートが美しいメロディーを奏でる名曲です。原曲は「美しいパースの娘」に用いられたものです。フルートを演奏する人はだれでも、この曲を人前で吹いてみたいと思うでしょう。私もン十年前にヤマハ音楽教室でフルートを習っていた頃はこの曲を公衆の面前で上手に吹きたいと思っていました。

演奏が終わって、娘の印象を聞いてみると「あの指揮者おもしろかったねぇまるでチャップリンみたいだった。ラッコが胸の上で食べ物を割っているみたいにもみえた」とのこと。私はと言えば、スダーンの指揮を見るといつも、船頭さんが船を漕いでいるようにみえます。思わず「エンヤートット、エンヤートット」と掛け声をかけたくなってしまうような・・・・。もちろん、音楽を聴いているときは、そうした雑念を頭から追い払って無心に耳を傾けるようにしています。声・・掛けてません


コメント (2)
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