人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

リスト生誕200年記念演奏会から

2011年05月17日 23時07分27秒 | 日記
17日(火)。その2.午後6時半から東京文化会館で「フランツ・リストと同時代の巨匠たち~リスト生誕200年記念」コンサートを聴きました。指揮は1990年ブザンソン国際指揮者コンクール優勝者・沼尻竜典。オーケストラはフェスティバル・オーケストラ。つまりこの日の為に臨時に編成されたプロ混合オケです。解説によると、東フィル、東響、新日フィル、日本フィルのピックアップ・メンバーから編成されているとのことですが、見た限りでは東フィルを中心に、足りないところを他の楽団から集めたといった感じです。少なくとも弦楽器の主席クラスは東フィルで占めていました。

第1部「リストとロマン派の若き友人たち」のプログラムは①リスト「交響詩:レ・プレリュード」②メンデルスゾーン「バイオリン協奏曲・ホ短調~第1楽章」(Vn:瀬崎明日香)③ショパン「アンダンテ・スピアナートと華麗なるポロネーズ」(P:仲道郁代)④リスト「ピアノ協奏曲第1番」(P:清水和音)です。

瀬崎明日香のバイオリンは初めて聴きました。写真を見るとしっかりした大人の顔なのですが、実際に見ると幼い感じです。休憩時間には義援金箱を持って「義援金よろしくお願いしま~す」と声を上げていましたが、コンサートのたびに義援金に協力していたら破産してしまうのです。ごめんなさい。演奏・・・めりはりが利いてよかったですよ。

おもしろかったのは、華奢な仲道郁代が繊細なショパンを弾いたあとに、体格のいいどっしりした清水和音が力いっぱいリストを弾いた、そのコントラストです。同じピアノなのにショパンのときは鍵盤楽器に、リストのときは打楽器になります。同時代に生きた2人ですが、目指した音楽は正反対のようです

第2部「リストと19世紀後半の巨人たち」のプログラムは①ワーグナー「ニュルンべルクのマイスタージンガー~第1幕への前奏曲」②リスト「死の舞踏」(P:末永匡)③ベルディ「歌劇:椿姫より”ああ、そはかの人か~花から花へ””乾杯の歌”」(Sp:安藤赴美子、Tn:山田精一)④ベルディ「歌劇:アイーダより”凱旋行進曲”」です。

一番おもしろかったのはリストの「死の舞踏」でした。生で聴いたのは初めてでしたが、おもしろい曲でしたリストは古い聖歌「怒りの日」の定旋律を主題とする変奏曲を書いたのですが、この旋律はベルリオーズが「幻想交響曲」でも使っています。リストはここでもピアノを打楽器的に使っています。

最後の凱旋行進曲では、舞台の左右にアイーダ・トランペット(管が長い楽器)が3本ずつスタンバイして、凱旋の合唱に続いて華やかなメロディーを奏でますベルディはイタリアの国民的ヒーローだったのですね

指揮者の沼尻竜典は、オペラの指揮をしている方が生き生きしていて、音楽がよく流れているような気がします



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再びチョン・ミュンフン=ソウル・フィルのこと

2011年05月17日 07時50分16秒 | 日記
17日(火)。けさの朝日に「目指す”世界”の音 チョン・ミュンフン指揮ソウル・フィル来日」というタイトルの記事が載っています。文化部の吉田純子記者によるものです。

記事によると「韓国には現在約200、プロだけでも約30の楽団がある。一部を除けば国際的なレベルからはほど遠い。1948年設立のソウル・フィルも例外ではなかった。李明博大統領がソウル市長だったとき、チョンに対しソウル・フィルを世界的なレベルに引き上げてほしい、と頼み込んだ。チョンは”安定は大切だが、必ずしも人間としての発展をもたらすとは限らない。新陳代謝と緊張感なくして楽団の実力を上げることはできない”として、就任1年目に楽員の60%を変えた。彼の口癖は”昨日より今日、今日より明日”。原発事故の後、”今こそ日本へ”と幹部を説得したのもチョンだった。キムCEOは”嫌がる楽員に無理強いしないこと”を条件に全権をチョンに託した。その結果、団員107人中15人が来日を断念するに止まった。キム氏は言う”実は、当初は15人来るかどうかというくらいの状況だった。チョンの情熱が、みんなを動かしたのです”」

サントリー・ホールでのソウル・フィルの公演の様子については10日のブログに書いた通りです。あの感動的な演奏には、こうした背景があったのだと初めて知りました。いま、あらためて、レベル7の危機的な状況下の日本にソウル・フィルのメンバーと共に来日し、われわれ日本人に元気を与えてくれたチョン・ミュンフンに心の底から感謝したいと思います。
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