人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

寺沢希美のバイオリンを聴く~ラ・フォール・ジュルネの丸ビル・コンサート

2011年05月05日 22時37分58秒 | 日記
5日(木)こどもの日。その2.夕方のコンサートまで時間が空いたため、丸ビルに行ってみました。まず、35階で開催中の「マーラー展」を覗きました。あまり見るべきものがないので、7階の「ブラームス展」に行ってみました。奥のほうからピアノとバイオリンの音が聴こえてくるので、耳を傾けるとブラームスのバイオリン・ソナタを生で演奏していました。会場が人で混雑していたのでだれが演奏しているのかまったくわかりませんでした。自筆楽譜のコピーなどをひと通り見て、下に下りました。1階の広場に人が集まっているので、パンフレットをもらって見ると、ちょうど4時半から寺沢希美(のぞみ)のバイオリン・リサイタルがあるということでした。この人のことは知らないのでプロフィールを見ると「2010年にザルツブルク音楽祭のコンチェルト・ソリスト・コンクールで優勝した」とありました。小柄なかわいらしい人です。モリコーネ、クライスラーの小品を軽く演奏、プッチーニ「トゥーランドット」から”誰も寝てはならぬ”を感情豊かに演奏して、最後はモンティ「チャールダッシュ」で盛り上げて締めくくりました。途中で自作の「ブルーオーシャン」というロマンチックな曲も演奏しましたが、「ああ、漢字で”大青洋”ね」と独りごちてしまいました。ごめんなさい


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ラ・フォール・ジュルネ最終日~勅使河原三郎シェーベルクで踊る

2011年05月05日 22時13分29秒 | 日記
5日(木)こどもの日。東京国際フォーラムで開催のラ・フォール・ジュルネ・オ・ジャポンも今日が最終日です。最初に午前10時半から井上道義指揮=オーケストラ・アンサンブル金沢によるシューベルト「交響曲第2番」とピアノにミシェル・ダルベルトを迎えてのシューベルト(リスト編曲)「さすらい人幻想曲」(ピアノ・オーケストラ版)をホールCで聴きました。

このオーケストラを生で聴くのは初めてですが、40人弱の少人数オケにもかかわらず実力者揃いだと感じました。第2交響曲はビゼーの交響曲ハ長調に似た曲想で、”青春”を感じさせる明るく軽い音楽です。指揮者の井上道義はクラシック・バレエをやっていたこともあって、まるで踊るような指揮ぶり。指揮台を置かずにオケと同じ目線で指揮をしていたのは、指揮台から落ちないようにと考えたから?なにしろこの人には指揮台から落ちた”前科”がありますから・・・その話は長くなるので別の機会に書くことにします。

ミシェル・ダルベルトを迎えた「さすらい人幻想曲」は、まるでシューベルトが作曲した「ピアノ協奏曲」といった感じでした。いい感じで、中盤のピアノ・ソロに来たとき、会場やや左前方で”トルルル”という音が・・・ケータイの着信音です。事前に放送で「ケータイの電源を切るように」とあれほど警告しているのに、まったく信じられません。曲がフォルテのときだったら、音がかき消されてしまうでしょうが、ちょうどピアノ・ソロに入ったばかりのいいところだったので、ソリストにもオケにも聴こえたにちがいありません。まったく失礼な話です。こういう人はお金を払ってまでコンサートに来るべきではないのです。みんなの迷惑なのです。さすがにピアニストも指揮者もオケも、プロですから最後まで何事もなかったかのように演奏を終えましたが、本音では日本人の常識を疑ったでしょうね

12時半から同じホールCで下野竜也指揮=読売日本交響楽団による①ブラームス「大学祝典序曲」②R.シュトラウス「ツァトストラはかく語りき」を聴きました。2階席から見下ろすとオーケストラの全体状況がよく見えます。読響は日本のオーケストラには珍しく男性中心のメンバー構成です。N響でさえこれほど男性が多くはないでしょう。指揮者の下野は小柄ながら体全体を使ってキビキビした指揮をします。昨年のサイトウ・キネン・オーケストラの公演では体調不良の小澤征爾に代わってタクトを振った実力者です。「ツァトストラ・・・」はスタンリー・キューブリックの映画「2001年宇宙の旅」の音楽として有名ですね。冒頭のトランペットのファンファーレで

午後2時半から同じホールCでベレゾフスキーのピアノ、ドミトリー・リス指揮=ウラル・フィルによるブラームス「ピアノ協奏曲第2番」を聴きました。このコンビはラ・フォーレ・ジュルネの常連アーチストです。ベレゾフスキーはリストなど難しい曲を難なく弾いてしまうので、返って面白みがないと思ってしまいます。それ程ピアノ・テクニックが抜群なのです。今日のブラームスもサラッと弾いていました。実は彼をサポートするリスという指揮者が大好きです。2、3年前にウラル・フィルとラフマニノフの「交響曲第2番」を演奏したのですが、そのダイナミックな指揮ぶりに圧倒されました。今日のサポートも完璧でした。

この後、夕方のコンサートまで時間が空いてしまったので、展示ホールに行って2時半からボーチェス8による声楽アンサンブルの無料コンサートを聴きました。マックス・レーガーやブルックナーの声楽曲を歌いましたが、最後に「トトロ」のテーマを歌いだしたのには驚きました。美しい声で心が洗われるような思いでした。

それでもまだ時間があったので、マーラー展やブラームス展をやっている丸ビルに行きました。その話は別に書くことにします。

午後6時15分からのシェーンベルクのコンサートのためにホールCに行くと、会場入り口近くで「月に憑かれたピエロ」の対訳が置いてありました。どこに行っても曲目解説のチラシさえないのに、破格の扱いです。A4版4ページ分です。プログラムは①ボファールのピアノで「6つのピアノ小品」②ソプラノ:プスール、フルート:ナー、クラリネット:チョウ、バイオリン:シレム、チェロ:ラズニャック、ピアノ:ボファール、そして勅使河原三郎のダンスによる「月に憑かれたピエロ」です。「6つのピアノ小品」はさっぱり良さが分かりませんでした。「月に憑かれたピエロ」はソプラノが歌うというのではなく、台詞をしゃべるといった感じです。演奏だけ聴いていたら多分、「6つの小品」と同じように理解さえできなかったかも知れません。しかし、勅使河原三郎のダンスがあったお陰で身をもってその良さが分かりました。とにかく素晴らしいの一言です。シェーンベルクの音楽に合わせてしなやかな肢体をくねらせて自由自在に踊ります。終わったときには拍手がしばらく止みませんでした。こういうのを”芸術”というのでしょう。

3日間を通して9公演を聴いたわけですが、最初(シューマンのピアノ協奏曲)と最後(シェーンベルクの月に憑かれたピエロ)が最も印象に残った演奏でした。

国際フォーラムを後にして地下鉄日比谷駅に着くと、偶然アルバイト帰りの娘とバッタリ出会ったので、巣鴨駅のアトレで夕食と花を買って帰りました。あしたは仕事に復帰です
(写真は音楽祭出演者たちによる東日本大震災・被災者への応援メッセージ・サイン)


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