人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ダブル・シューマン・ピアノ協奏曲を聴く~ラ・フォール・ジュルネ・オ・ジャポン

2011年05月03日 21時25分59秒 | 日記
3日(火)憲法記念日。今日は朝から忙しく過ごしました。午前中、有楽町の東京国際フォーラムへ。いよいよ「ラ・フォール・ジュルネ・オ・ジャポン」が始まりました。10時半からホールCで伊藤恵のピアノ、ジョシュア・タン指揮=桐朋学園オーケストラによるクララ・シューマンとロベルト・シューマンの「ピアノ協奏曲イ短調」を聴きました。

昨年までは演奏曲目と演奏家を簡単に解説したチラシが用意されていたのですが、今年はありません。今日の各ホールでのスケジュール表が用意されていただけです。指揮者のタンという人はどういう人なのかサッパリわかりません。クララ・シューマンがあのシューマンの奥さんだと知らない人だっているでしょうに。大震災の自粛ムードがここまで影響しているのかなぁ。非常に残念です

3階席から見下ろすとオーケストラの全体像が良く見えます。今日の演奏者は70人弱でしょうか。そのうち男性はコンサートマスターはじめ10人しかいません。桐朋学園の在籍学生の男女バランスはこういう感じなのでしょうか?この比率がそのまま在京オーケストラの男女比率になっているような気もします。

最初に妻クララ・シューマンの「ピアノ協奏曲イ短調」が演奏されました。この曲を聴くのは初めてですが、ロマン的ですごくいい曲だと思いました。伊藤恵は暗譜で弾きましたが、完璧でした。クララが生きていたらこういう風に弾いてほしいと思ったに違いありません。しかし、それを上回って素晴らしかったのは夫シューマンの「協奏曲イ短調」でした。第1楽章出だしから集中力に溢れ、第3楽章などは「いつまでもこの音楽が終わらないでほしい・・・」と思うほどテンポ感といい全体のバランスといい本当に素晴らしく、「こう弾いてほしい」と思うように伊藤恵は弾いてくれました。アンコールに応えて演奏したのはシューマンの「トロイメライ」でした。熱狂のあとのクールダウンに相応しい心憎い選曲です。

休憩を挟んで12時半から、同じホールCで山田和樹指揮=横浜シンフォニエッタによる弦楽器だけによる演奏を聴きました。解説がないのでうろ覚えなのですが、山田は確かブザンソン指揮者コンクール優勝者だったと思います。横浜シンフォニエッタがどういうオケかまったく分かりません。①ベートーベン(マーラー編曲)「弦楽四重奏曲第11番”セリオーソ”弦楽合奏版」②ヒンデミット「葬送音楽」・・・ビオラのソロがあったのですが、誰なのか不明です③シェーンベルク「浄夜(弦楽合奏版)」の3曲です。山田も若く、オーケストラもすごく若い感じです。弦楽だけで色彩感を出すのは難しいです。でも指揮者もオケも集中していました

次の公演まで時間が空いたので、銀座の山野楽器に行き、今日発売のアルゲリッチ(ピアノ)、アルミンク指揮新日本フィルによるラベルとシューマンの「ピアノ協奏曲」のライブ録音(昨年11月と12月)CDを買いました。印税はすべて東日本大震災の被災者のために使われるとのことです。

その後、地下鉄で新宿3丁目に行き、新宿ピカデリーで、8日(日)午前10時からのMETオペラ映画ロッシーニ「オリー伯爵」の座席指定を取り、再び有楽町の国際フォーラムに戻りました。

4時45分からホールCで金聖響指揮=兵庫芸術文化センター管弦楽団によるブルックナー「交響曲第4番”ロマンティック”」を聴きました。頭がアフロ・ヘアのコンサートマスターが出てきた時、会場のあちこちで「おー」という感嘆の声が聞こえました。どうも葉加瀬太郎が出てきたと勘違いしたみたい。葉加瀬太郎でも、ましてやパパイヤ鈴木でもないから。新日本フィルのコンサートマスター崔文珠だから。
演奏はダイナミックではありましたが、やや荒削りな感じもしました。でも、今回の指揮者、コンサートマスター、オーケストラの組み合わせは初めてではないかと考えると、短時間のリハーサルの中でよくぞここまで仕上げたものだと感じ入ります。やっぱりプロだなぁ

優れた演奏かどうかの判断基準の一つは、「いま聴いた演奏をもう1度聴きたいと思うか」ということです。そういう意味で、今日聴いた3公演のうち最も印象に残ったのは、やはり伊藤恵の演奏した2人のシューマンです




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