10日(火)。わが家に来てから590日目を迎え、新しいミニ・ウサチャンにチョッカイを出して 白ウサチャンにソッポを向かれているモコタロです
こういうのを三角関係と言うのかな? 2匹に片思いと言うのかな?
閑話休題
昨日、夕食に「豚肉のアスパラ巻き焼き」と「生野菜とサーモンのサラダ」を作りました 現在、4月から無職の娘が週2回、私が週3回料理を作っています。土・日の料理はお休みです
も一度、閑話休題
昨日は、N響90周年記念特別演奏会「マーラー『交響曲第8番変ホ長調”千人の交響曲”』」のチケットの一般発売開始日でした さっそく解禁の午前10時にN響ネットにアクセスしましたが、すでに4月19日からのN響会員先行発売で良い席は大方取り尽くされていて、S席では1階は後方か左右の端、2階も後方か端くらいしか空いていませんでした。千人の交響曲を聴くのであれば、演奏者を全体的に俯瞰できる2階席がベターだろうと判断し、2階11列の出来るだけセンターに近い席を押さえました。それにしてもパーヴォ・ヤルヴィの人気は凄いものがありますね
最後の、閑話休題
昨日、シネ・リーブル池袋でパオロ・ソレンティーノ監督「グランドフィナーレ」を観ました イタリア、フランス、スイス、イギリス合作の124分の映画で、原題は「YOUTH」です
世界的に名を馳せた英国人音楽家フレッド(マイケル・ケイン)は、作曲も指揮も引退し、ハリウッドスターやセレブが宿泊するアルプスの高級ホテルで優雅なバカンスを送っていた 長年の親友で映画監督のミック(ハーヴェイ・カイテル)も同じホテルに滞在しているが、生涯現役にこだわる彼は、若いスタッフたちと新作映画の構想に没頭している そんな中、英国女王からフレッドに、彼が作曲した「シンプル・ソング」を指揮してほしいという依頼が舞い込む しかし、フレッドは”私的な理由”で頑なに断り続ける。彼はその理由を娘のレナ(レイチェル・ワイズ)にも隠していた しかし、ついに彼は決断し、女王を含めた観客の前で「シンプル・ソング」を指揮する
率直な感想を書きます。期待していたものとはまったく異なる内容の映画でした 上のチラシを見ていただきたい。まるでオペラ劇場のような建物の前を歩く老音楽家。下の小さいコマには指揮者とヴァイオリニストの姿が。これを見ただけで、"だれもが知っている"有名なクラシック音楽の、それが器楽でも声楽でも、一つや二つは映画の中で流れるのではないか、と思うはずです しかし、期待は見事に外されます 映画を観た後で この映画の公式サイトで使用音楽一覧を見たら、メルカダンテ、ドビュッシー、ストラヴィンスキーという作曲者名が出てきましたが、映画を観ている間、いつ 誰のどういう曲が流れたのか まったく気が付きませんでした 「グランドフィナーレ」という日本語のタイトルに惑わされた面があるかも知れません ストラヴィンスキーと言えば、夫婦の墓とともに「インテリは趣味が悪い。それが分かって以来 インテリにならないように努力して成功した」という彼の言葉が紹介されていました
また、この映画では本物のクラシック演奏家が二人登場します 映画の終盤でオペラ劇場のような会場でフレッドがオーケストラを指揮して自作「シンプル・ソング」を演奏しますが、その時にヴァイオリンを独奏したのはロシア出身のヴァイオリニスト、ヴィクトリア・ムローヴァで、ソプラノを歌ったのは韓国出身のソプラノ歌手スミ・ジョーです 彼女は1980年代の終わりころにヘルベルト・フォン・カラヤンに見い出され 世界のクラシック音楽界に名前を知られるようになりました ムローヴァの演奏は生で聴いたことがありませんが、スミ・ジョーのソプラノは十年以上前にサントリーホールでリサイタルを聴きました 素晴らしいドラマティック・ソプラノです 二人のCDは確かに持っていますが、どこにあるのか不明です ちょっと探す努力をしてみましたが、4000枚から探し出すのは困難で、とうとう出てきませんでした
話は変わりますが、映画の前半で、腹の出た肥満男がプールで呼吸困難になるシーンがあります 彼の背中に描かれていた髭モジャの顔はブラームスのようでもあり、カール・マルクスのようでもあり、キューバのカストロのようでもあり、判別がつきませんでしたが、監督が肥満男のモデルとしたのはアルゼンチンの往年のサッカー選手ディエゴ・マラドーナだということです どうやらソレンティーノ監督はマラドーナに特別の思い入れがあるようです
この映画は、クラシック音楽ファンとしては期待外れでしたが、「老いと若さ」「限りある時間をいかに生きるか」といったことを考えさせられた、という意味では予想外の収穫がありました