人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

バッティストー二+東京フィルでレスピーギ「ローマの松」他を聴く/フォーレ四重奏団のチケットを買う

2016年05月15日 07時53分46秒 | 日記

15日(日)。わが家に来てから595日目を迎え、男子体操日本代表並みの1本足倒立に挑む果敢なモコタロです

 

          

            前足一本だけで立つって・・・出来るわけないじゃん!

 

  閑話休題  

 

昨日、フォーレ四重奏団のチケットをトッパンホールの会員先行発売で発注しました。10月1日(土)午後6時から同ホールで開かれるコンサートです プログラムは①モーツアルト「ピアノ四重奏曲第2番変ホ長調K.493」、②細川俊夫「レテ(忘却)の水~ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、ピアノのための~フォーレ四重奏団に捧げる」(日本初演)、③ブラームス「ピアノ四重奏曲第2番イ長調」です

フォーレ四重奏団は弦楽3人とピアノによる四重奏団です。数年前に初めてこの四重奏団の演奏を聴いた時に、アンコールで演奏したのがメンデルスゾーンの「ピアノ四重奏曲第2番」の第4楽章「アレグロ・モルト・ヴィヴァーチェ」でした これにヤラレました あの時の演奏がキッカケになってメンデルスゾーンが好きになったと言っても過言ではありません

その後、2014年12月にも来日コンサートがあったのですが、残念ながら「HJリム ピアノ・リサイタル」と重なり 聴き逃してしまい、次の機会を待っていたのです 待望の来日公演です

 

          

 

  も一度、閑話休題  

 

昨日、文京シビックホールで、「響きの森 クラシック・シリーズ」公演を聴きました 2016年度第1回目のプログラムは①ロッシーニ「歌劇”セミラーミデ”序曲」、②メンデルスゾーン「ヴァイオリン協奏曲ホ短調」、③プッチーニ「交響的奇想曲」、④レスピーギ「交響詩”ローマの松”」です 演奏は、②のヴァイオリン独奏=成田達輝、指揮はこのシリーズ初登場のアンドレア・バッティストー二、管弦楽は東京フィルです

 

          

 

バッチストー二は1987年、イタリアのヴェローナ生まれといいますから現在弱冠29歳です 2013年1月からジェノヴァ・カルロ・フェリーチェ歌劇場の首席客員指揮者を務め、また2015年からは東京フィルの首席客員指揮者も務めています 

東京フィルのメンバーが入場し配置に着きます。コンマスは若き依田真宣です。舞台左袖から指揮者バッチストー二が登場します。一瞬「あれっ?」と思いました 「太ったんじゃないか」と。バッチストー二の指揮姿は、数年前に二期会が上演したヴェルディ「ナブッコ」で観たことがありますが、精悍な顔つきでスリムなスタイルというイメージがありました それに比べて、ステージに現れた彼は極めてガッチリした身体つきに変貌しているように見えました しかし、冷静に考えると、数年前に彼の指揮姿を見たときは、オペラの指揮だったので、彼はオーケストラ・ピットに入っており、かろうじて彼の頭と両手が見えていたにすぎません。私が勝手なイメージを作って記憶していたのだと思い直しました

1曲目は、ロッシーニの歌劇「セミラーミデ」序曲です これはヴォルテール原作による古代バビロニアの女王セミラーミデの野望と滅亡を描いたオペラ・セリアですが、現在では序曲のみが演奏されているのが実態です

喜劇ではないので、序曲でもドラマティックです 15分もかからない短い曲ですが、ロッシーニの音楽の特徴”ロッシーニ・クレッシェンド”の魅力に溢れた曲想で、まるでオペラそのものを聴いているような印象があります

2曲目はソリストに成田達輝を迎えて、メンデルスゾーンの「ヴァイオリン協奏曲ホ短調」です 屈指の名曲ですが、大きな特徴は全3楽章が切れ目なく演奏されることと、通常は第1楽章の最後に置かれ、内容も演奏者に任されていたカデンツァが、中間部に前倒しされ、すべて楽譜に書かれた点です

ステージ上にはソリストの周囲を中心に何本ものマイクが立てられています。収録して何かの番組で放送するのでしょうか

成田のヴァイオリンは美しく遠くまで響きます。プログラムのプロフィールによると、彼はロン=ティボー国際コンクールとエリザベート国際コンクールでそれぞれ第2位に入賞していますが、ストラディヴァリウス1711年製とガルネリ・デル・ジュス1738年製を貸与されているとのことです 1人の演奏者に別のスポンサーから2挺の名器を貸与されているということは、相当期待されているということでしょうか

成田の演奏は、とくに第1楽章のカデンツァが見事でした ところで、バッティストー二の指揮姿を見ていて思ったのは、まるで馬に乗って手綱を操っているようだ、ということです その意味では、普通、指揮ぶりが素晴らしいことを「タクトさばきが見事」という言い方をしますが、彼の場合は「手綱さばきが見事」という言い方の方がピッタリするように思いました もちろん、バッティストー二は馬ッティストー似ではなく、東京フィルは馬力はありますが、馬ではありません それでも、思わず「手綱さばき」という言葉が出てきてしまいます

さて、何度かのカーテンコールの後、譜面台がステージ中央に運ばれたので、「おやっ?」と思ったのですが、成田は口頭でアンコール曲目を聴衆に伝え(例によって、早口で聞き取れなかった)、無伴奏の曲を演奏しました 後でロビーの掲示で確かめたところ ジョリヴェ作曲「ヴァイオリンのための呪文」という曲であることが分かりました ヴィオラやチェロの高音部のような音で、まさに「呪文」を唱えるような不思議な曲でした

 

          

 

休憩後の最初はプッチーニの「交響的奇想曲」です この曲は1883年にミラノ音楽院の卒業制作として書かれたものですが、演奏を聴いていると、13年後に初演された歌劇「ラ・ボエーム」の冒頭のテーマが突然現れ、ビックリします タイトルは「交響的~」となっていますが、むしろ「歌劇的~」と名付けた方が相応しいのではないかと思うくらい終始オペラティックです

さて、最後はバッチストー二が得意とするレスピーギの交響詩「ローマの松」です この曲は先日、ラ・フォル・ジュルネ音楽祭で桐朋学園オケでプロ顔負けの演奏を聴いたばかりですが、プロの演奏はどこが違うのか、というのが興味の的です 

管楽器が増員され、第1部「ボルゲーゼ荘の松」の演奏に入ります。この冒頭は 色彩感が豊かで、まさに太陽の光輝くイタリアの空を感じさせます 管弦楽がキラキラ輝いています 第2部「カタコンブ付近の松」は一転、厳かな雰囲気の曲想です。第3部「ジャ二コロの松」では、ピアノ・ソロに続いて、クラリネットが弱音で感傷的なフレーズを奏でますが、抑制の効いたクラリネットの演奏が実に見事でした そして、最後の第4部「アッピア街道の松」に入ります。ステージ左右のせり出し部分の左サイドにトランペット2本、右サイドにトランペット2本とトロンボーン2本がスタンバイします

いつ聴いても、この「アッピア街道の松」は圧巻ですね オーケストラの管楽器、弦楽器、打楽器が総動員でオーケストラの表現力を最大限に発揮して壮大なフィナーレを築き上げます

カーテンコールが5回あったでしょうか。バッティストー二は会場いっぱいの拍手とブラボーに応えていました スカッとする良い演奏でした

 

          

コメント
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