人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ウルバンスキ+ロマノフスキー+東響でプロコフィエフ「ピアノ協奏曲第3番」他を聴く

2016年05月29日 09時56分10秒 | 日記

29日(日)。昨日、マンション管理組合の理事会が開かれ、理事長として出席しました。2年任期の最後の理事会ですが、例によって出席者はお決まりの4人だけです とうとうお寒い出席率のまま最後まで来てしまいました。2年間一度も顔を出さなかった理事はどういうつもりでしょうかね。総会にも出てこないと思います いざ何かあっても助けてあげられないと思います

議題は来月下旬に開く定期総会の議案書の確認が中心でした。例年通りの今年度事業活動報告・決算報告、次年度予算のほか、修繕積立金改定(値上げ)、民泊禁止規定の制定、リフォーム工事細則の制定、LED照明の導入、次年度役員選任と盛りだくさんです いつもは出席者がパラパラの総会ですが、今回は修繕積立金値上げが議題にあるので、いつもよりは多く出席するでしょう 他のことはともかく、自分の財布の中味が減ることに対しては敏感な人が少なからずいますから 事業活動報告の中では長期管理費滞納者への訴訟問題も含まれています。現在、弁護士事務所から該当者に裁判を起こす旨の書面が送られていますが、早く解決しないと、弁護士報酬が出ていくばかりです 該当者には払うべきものは早く払ってほしいと思います

ということで、わが家に来てから609日目を迎え、「ぼくには未払いのお金はなかったよな?」と白ウサチャンに確かめて 無視されたモコタロです

 

          

 

  閑話休題  

 

昨夕、サントリーホールで東京交響楽団第640回定期演奏会を聴きました プログラムは①プロコフィエフ「ピアノ協奏曲第3番ハ長調」、②チャイコフスキー「交響曲第4番ヘ短調」です ①のピアノ独奏はアレクサンダー・ロマノフスキー、指揮はクシシュトフ・ウルバンスキです

ウルバンスキは1982年ポーランド生まれ。東響の首席客員指揮者のほかに、インディアナポリス響の音楽監督、トロンヘイム響の首席指揮者、北ドイツ放送響の首席客員指揮者を務めています 一方、ロマノフスキーは1984年ウクライナ生まれの注目のピアニストです

 

          

 

ステージ中央にはグランド・ピアノが堂々と威容を誇っています 会場の照明が落とされステージに楽員が登場します。右サイドから真っ先に登場したのはオーボエ首席の荒木奏美です 東京藝大大学院に籍を置きながら東響で演奏をしていますが、もうすっかり慣れてきたようです。コンマスはグレヴ・二キティンです

ソリストのロマノフスキーがウルバンスキとともに登場、ピアノに向かいます。彼の大きな鉤鼻を見て、名匠ホロヴィッツを思い出しました プロコフィエフ「ピアノ協奏曲第3番」は3つの楽章から成ります。ウルバンスキのタクトで第1楽章が開始されます。冒頭エマニュエル・ヌヴーのクラリネットによる序奏に続いて、ロマノフスキーのピアノが「そこのけ そこのけ おれの出番だ」とばかりに威勢よく入ってきます かなりのテクニシャンで、自由自在に演奏します ブゾー二国際コンクール優勝という経歴もダテではありません。第2楽章は変奏曲ですが、ロマノフスキーは 力強く弾くばかりでなく しなやかさも見せました 第3楽章は福井蔵のファゴットから入りますが、ロマノフスキーのピアノが入ってくると、さながらピアノ対オケの競争曲になります ロマノフスキーは何の苦も無く弾いているように見えます。フィナーレは圧倒的でした

ロマノフスキーはアンコールにバッハ作曲シロティ編曲「プレリュード ロ短調」をしみじみと弾き、聴衆のクールダウンを図りました

 

          

 

休憩後はチャイコフスキー「交響曲第4番ヘ短調」です 4つの楽章から成りますが、第1楽章冒頭の管楽器によるファンファーレは印象的です。チャイコフスキー自らが「運命」と名付けています。運命の動機ですね ここで言う「運命」というのは、具体的には彼自身の不幸な結婚とその失敗のことです。彼は心ならずも年下の女性と結婚したものの、まったく”合わない”としてすぐに逃げ出し、おまけに川に身を投げて自殺未遂まで起こしています

ウルバンスキは中盤でテンポを極端に落とし、オケに美しいメロディーを歌わせます しかし、終盤ではアップテンポでオケのエネルギーを放出させます。こういうところはウルバンスキらしいと思います

第2楽章はオーボエの悲しげな旋律で開始されますが、荒木奏美の演奏は聴かせてくれました この楽章では木管楽器群が大活躍します。第3楽章はスケルツォです。弦楽5部によるピツィカートによって軽快な音楽が奏でられ、管楽アンサンブルとの対話が交わされます 第4楽章は冒頭、オケの大爆発から入り、祝祭的な雰囲気の音楽が続きます。この冒頭では、いつもは隣席の男性がうたたねから身体をピクッとさせて目を覚ますのですが、昨日は珍しく最初から目を覚まして聴いていました フィナーレは手に汗握る興奮状態で迎えます これは「運命」を乗り切った勝利宣言です。ベートーヴェン「交響曲第5番ハ短調」の最終楽章フィナーレに通じるものがあります

全曲を通してウルバンスキの指揮ぶりを見て感じるのは、流麗な指揮、つまり流れるような指揮だということです その上、指揮台の端から端まで動き回り、各楽器に指示を出します しかし、彼の指揮はどこまでも冷静です 東響との演奏は、指揮者は冷静で、楽員が熱くなっている典型だと思います。これは演奏するオケの楽員にとっては理想的な関係だと思います

カーテンコールは5回まで拍手を送って会場を後にしましたが、まだ続いていました。ウルバンスキと東響との結び付きは理想的にマッチしていると思います

 

          

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