人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「パリ3区の遺産相続人」「ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります」を観る

2016年05月08日 09時01分05秒 | 日記

8日(日)。わが家に来てから588日目を迎え、待望のオヤツをもらい安心しているモコタロです

 

          

 

  閑話休題  

 

昨日、神楽坂のギンレイホールで「パリ3区の遺産相続人」と「ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります」の2本立てを観ました

「パリ3区の遺産相続人」は2014年 イスラエル・ホロヴィッツ監督によるイギリス・フランス・アメリカ合作映画です

マティアスは、亡き父親が残してくれたパリの高級アパートを売り払って人生をやり直したいと、有り金はたいてニューヨークからパリにやってきたが、誰もいないはずの家には見知らぬ92歳の老婦人マティルドと娘クロエが住んでいた 事情を訊くと、住宅ローンの代わりに売主に毎月年金を払う「ヴィアジェ」という独特の売買システムで、老婦人が死なない限り家は自分のものにならない契約になっていることが分かる 遺産を巡って出会ったことをきっかけに、長年秘められてきたマティルドとマティアスの父親との関係が明らかになり、亡き父親が残したメッセージが理解される

 

          

 

この映画を観るまで、フランスには「ヴィアジェ」という独特の不動産売買システムがあることを知りませんでした マティアスは、父親が自分に相続として残した物件が、まさか一種の住宅ローンとして毎月一定金額を返済しなければならない”負の物件”とは思っても見なかったでしょう

ところで、この映画では1曲だけクラシック音楽が使われていました 映画の終盤で、マティアスがセーヌ川の畔を歩いているとき、音楽大学の女子学生でしょうか、モーツアルトの歌劇「ドン・ジョバンニ」の第1幕で歌われる「手を取り合ってそこへ行こう」を歌っているシーンです 彼女に合わせて、マティアスも加わり二重唱を歌います。これはドン・ジョバンニがマゼットのフィアンセ、ツェルリーナを誘惑する時の二重唱ですが、オペラでは、ドンジョバンニの「おいで、かわいい娘」の誘いに、ツェルリーナが遂に「私を許して、マゼット!」と応じて二人で去って行きます 映画では、二人は距離を置いて歌い、何事もなく別れます。なぜならマティアスの相手はクロエだからです クロエと言えば、モーツアルトの歌曲に「クロエに」という恋の歌がありましたが、これは偶然でしょうか

2本目の「ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります」は2014年 リチャード・ロンクレイン監督によるアメリカ映画です

画家のアレックスと妻ルースは街を一望できるニューヨーク・ブルックリンの最上階の5階の部屋で40年間連れ添ってきた  理想的なマイホームだが、唯一の欠点はエレベーターが無いことだった アレックスが5階まで階段で上がるのが年齢的にきつくなってきたため、ルースは愛する夫と愛犬のために住み慣れた部屋を売りに出すことになる 内覧希望者も殺到するが、前日に愛犬ドロシーが急病にかかり、近所でテロ騒動が勃発する。そんな大混乱の中、二人は新しい引っ越し先を求めて物件を見に出る。彼らは理想的な住居を見い出すことができるのか

 

          

 

アレックスを演じた黒人のモーガン・フリーマンとルースを演じたダイアン・キートンが味のある熟年夫婦を演じています それにしても、5階までエレベーターなしで階段を登るのはしんどい話です しかし、長年住み慣れた住居や土地を離れるのは、かなり勇気ある決断が必要でしょう そういう意味では、二人が出した結論は分かる様な気がします

コメント
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