人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

カラビッツ+読売日響でプロコフィエフ「交響曲第5番」他を聴く

2016年05月25日 07時20分56秒 | 日記

25日(水)。わが家に来てから605日目を迎え、重いテーブルを何とか動かそうと 懸命な努力を見せるモコタロです

 

          

             いくら押しても動かないな~ 押してもダメなら引いてみるかな~

 

  閑話休題  

 

昨日の夕食は、息子のリクエストで「豚ドンブリ」と「生野菜サラダ」を作りました 育ちざかりはどうしても肉系になりますね

 

          

 

  も一度、閑話休題  

 

昨日、サントリーホールで読売日響第558回定期演奏会を聴きました  プログラムは①プロコフィエフ「交響的絵画”夢”」、②ハチャトゥリアン「フルート協奏曲」、③プロコフィエフ「交響曲第5番変ロ長調」です ②のフルート独奏はエマニュエル・パユ、指揮はキリル・カラビッツです

 

          

 

指揮者のキリル・カラビッツは1976年 ウクライナ生まれで、2009年から英国のボーンマス交響楽団の首席指揮者を務めています 2013年から「プロコフィエフ・サイクル」と銘打ったCD録音を収録中ということなので、この日の公演は期待が高まります

オケのメンバーが配置に着きます。コンマスは小森谷巧。第2ヴァイオリンの首席の位置には いつもの瀧村依里の代わりに都響首席の双紙正哉氏がスタンバイしています。都内のオケ同士で演奏者のレンタル契約があるのでしょうか?

小柄で顔中髭だらけのカラビッツが登場します 1曲目はプロコフィエフ「交響的絵画”夢”作品6」です。この曲は若い作品番号が示すように初期の作品で、1910年(作曲者19歳)に作曲され、学生コンサートで作曲者の指揮で演奏されたとのことです。十数分の短い曲ですが、まさに夢の中の出来事を描いているような曲想だと感じました

2曲目は、フルートの名手エマニュエル・パユを迎えてハチャトゥリアンの「フルート協奏曲」が演奏されます この曲は「剣の舞」で有名なジョージア(グルジア)生まれのアルメニア人、アラム・ハチャトゥリアンが1940年に作曲したヴァイオリン協奏曲が元の曲です 20世紀を代表するフルーティスト、ジャン=ピエール・ランパルが、ハチャトゥリアンに新作を依頼したところ、ヴァイオリン協奏曲のフルート編曲を勧められ、ランパルが編曲したものです この日の演奏は、パユが、さらに原曲に近くなるよう手を加えたということです

パユは1970年ジュネーブ生まれです。1993年からベルリン・フィルで首席奏者を務め、2000年に退団、01年6月までジュネーヴ音楽院の教授として後進の指導に当たり、02年にベルリン・フィルに復帰、ソロ・フルーティストとして活躍しました

この曲は3つの楽章から成ります。第1楽章は冒頭から管弦楽のハイテンションの演奏に続いて独奏フルートが力強く入ってきます 言わずと知れた『超絶技巧』です あの超絶技巧ヴァイオリン曲をフルートで演奏しようというのですから、超超絶技巧と言ってもいいでしょう 私はその昔 曲がりなりにも1年間フルートを習ったことがあるので多少はフルートの演奏の難しさは分かるつもりですが、あれは はっきり言って演奏不可能です 息が継げません 私がフルートを辞めたのは自分の息を楽器に吹き込んで長く音を出すことが出来なくなったからです 

第1楽章にはクラリネットとの対話に次いでフルートのカデンツァがありますが、聴いていて唖然とします パユは譜面台の楽譜をめくりながら演奏していますが、楽譜など見ている暇はないのではないか、と思えるほど超高速演奏なのです

第2楽章のアンダンテはまだいい方です。ゆっくりだから 間を置かずに突入した第3楽章は再び超絶技巧に戻ります。「アレグロ・ヴィヴァーチェ」の指示通り軽やかに走り抜けます 会場一杯の拍手で何度もカーテンコールがあり、客席から花束の贈呈もありました 彼はアンコールに武満徹の「エア」を無伴奏で演奏し日本の聴衆にアピールしました。これには会場いっぱいの拍手です

さて、拍手とブラボーの最中の出来事です。私の右隣りの中年女性がバッグからスマホを取り出して、画面を発光して何やらごそごそやっています。最初は時計代わりに時間を見ているのかな、と思いましたが、そのうち舞台に向けて撮影し出したのです 写すとすぐにバッグにしまい、大きな拍手をして、またバッグからスマホを取り出してまた撮影し、ということを繰り返しているのです やり方が巧妙です。注意される前に一旦やめてまた やるのですから 明らかにスマホのスイッチは演奏中も切っていませんでした。よほど直接注意しようと思ったのですが、バッグに包丁やナイフや猟銃許可証が入っていないとも限らないし、何をやるか分からない顔をしていたので、休憩時間になるのを待ちました

休憩時間に、ホールのアテンダントに「〇列〇番の女性が何度もスマホで舞台を写メをしていた。後半の演奏が終わった後も同じことをやるかも知れないのでマークしていてほしい」と言っておきました

 

          

 

休憩後はいよいよこの日のメイン・ディッシュ、プロコフィエフ「交響曲第5番変ロ長調」です この曲はソ連当局の標ぼうする「社会主義リアリズム」の路線に沿った「分かり易く明快で、人民に訴える音楽」として受け入れられました

前半の演奏を終えたエマニュエル・パユが私の4つ前の席に座ります。隣の女性が目ざとくそれに気づき、「あら・・・」とか言って、頭を左右に振って姿を注目しています 「あとで何かやるな、この人」と思いました

カラビッツが登場、第1楽章「アンダンテ」の演奏に入ります なるほど、これが社会主義リアリズムか、と思うような分かり易いメロディーです。プロコフィエフはどう思ったか分かりませんが、こういう曲を作ってくれるのなら、わけが分からない曲よりも社会主義リアリズムに沿った曲の方が良いんじゃないか、と思ったりしますが、私は間違っているんでしょうか

私がCDで予習していて最も印象に残っていたのが第2楽章「アレグロ・マルカート」です 要するに「スケルツォ」楽章です。この楽章が一番プロコフィエフらしい音楽だと思います。リズムが中心のアイロニカル(諧謔的)な音楽です

第3楽章「アダージョ」はクラリネット、フルート等の管楽器が美しく響きます。そして、間を置かず第4楽章「アレグロ・ジョコーソ」に突入します 終盤の熱狂的な音楽は圧倒的です。これは”勝利の音楽”です が、プロコフィエフはいったい何に勝ったというのでしょうか

カラビッツの指揮は細心にして大胆と言うか、小柄な身体のどこからあのエネルギーが出てくるのか、と思うほど精力的な指揮ぶりで、自身と生まれ故郷が同じウクライナのプロコフィフの音楽に対しては、絶対的な自信を持って演奏しているように感じました

さて、隣の問題女性ですが、やはりやってくれました 拍手としていると思ったら、バッグからスマホを取り出して写メしています さすがに、すぐ後ろの男性が「あんた、やめなさいよ」と注意しましたが、本人は会場いっぱいの拍手でまったく聞こえていません しかし、それと同時にホール・アテンダントの女性がやってきて撮影をやめるように注意するとやっとスマホをバッグにしまいました。その後、大げさに拍手をしているかと思いきや、4つ前の席にいたパユがサイン会のために退場するのを見計らって、そそくさと席を立って追いかけていきました いやですね、こういうストーカーみたいな陰湿な女

こんなサイテーな女が定期会員だったら毎月、隣の席で嫌な思いをしながら聴かなければならないから辛いものがあるな、と思ったのですが、そういえば、先月の定期演奏会の時は別の男性が座っていたな、と思い出しました ということは、良く解釈すれば、隣の席は定期会員席ではない、つまり毎回別の人が座るということになります。私はそれを信じて読響会員として生きていくしか希望がありません

 

          

 

  最後の、閑話休題  

 

休憩時間に、2016年度会員に対する特典CDをもらってきました 私の場合はサントリーホールでの「定期演奏会」と よみうり大手町ホールでの「読響アンサンブル・シリーズ」の2つの会員なので引換券が2枚あります。特典CDは2種類あったので1枚ずつもらうことにしました

1枚はシルヴァン・カンブルランの指揮で①ムソルグスキー/ラヴェル「展覧会の絵」、②ワーグナー「トリスタンとイゾルデ」から”前奏曲と愛の死”のCDです

 

          

 

もう1枚は小林研一郎の指揮でチャイコフスキー「交響曲第5番」のCDです

 

          

 

両CDとも昨年のコンサートのライブ録音です。オーケストラは会員獲得・維持のために企業努力が大変ですね

コメント (2)
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