4日(日)。わが家に来てから今日で1586日目を迎え、トランプ米大統領は2日,コーツ国家情報長官の後任に指名すると発表していた与党・共和党のジョン・ラットクリフ下院議員の人事を撤回するとツイッターで発表した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
トランプ政権になってから 何人の人が政府の要職を辞退したり辞職したりしたか
昨日、ミューザ川崎でNHK交響楽団のコンサートを聴きました これは「フェスタサマーミューザ2019」の一環として開かれたコンサートです プログラムは①ヴェルディ:歌劇「運命の力」序曲、②ガーシュイン「ラプソディ・イン・ブルー」、③ボロディン:歌劇「イーゴリ公」から「だったん人の踊り」、④ラヴェル「亡き王女のためのパヴァーヌ」、⑤ブラームス「ハンガリー舞曲集」から第1番、第5番、第6番、⑥エルガー:行進曲「威風堂々」第1番作品39-1です 演奏は②のピアノ独奏=反田恭平、指揮=原田慶太楼です
原田慶太楼は1985年生まれ。現在シンシナティ交響楽団のアソシエイト・コンダクターを務めています
午後4時からの本番に先立って3時からプレコンサートがありました 最初にオーボエ=池田昭子、クラリネット=松本健司、ファゴット=菅原恵子の3人による木管三重奏がありました ①プーランク「愛の小径」(内田祥子編曲)、②内田祥子/夏の歌メドレー(初演)、③エリック・サティ「ジュ・トゥ・ヴ」(内田祥子編曲)が演奏されました プーランクとサティはお馴染みのシャンソンですが、両曲とも粋な演奏でした 夏のメドレーは「夏は来ぬ」「夏の思い出」「ヤシの実」といった曲が木管によって懐かしく演奏されました
後半は、ヴァイオリン=降旗貴雄、山岸努、ヴィオラ=松井直之、チェロ=村井将の4人により①モーツアルト「ディヴェルティメントK.138」から第1楽章、②同「弦楽四重奏曲第14番K.387”春”」から第1楽章が演奏されました いかつい感じの第1ヴァイオリンに似合わず、ナイーブな演奏でした
演奏開始前に、1階の客席の左側のスペースに 黒装束の一隊がゾロゾロと入ってきたので、思わず「さては甲賀か? あるいは伊賀か? 合言葉は?」と呼びかけようとしましたが、一隊の中にN響ヴィオラ首席客員の川本嘉子さんの姿が見えたので、N響の人たちが仲間の演奏を聴きに来たのだ と分かりました 素晴らしいではありませんか 舞台袖に引っ込んでいないで、仕事仲間の演奏を聴きに客席側に降りてくるのですから
さて本番です オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという編成。コンマスは伊藤亮太郎です
1曲目はヴェルディ:歌劇「運命の力」序曲です この曲はジュゼッペ・ヴェルディ(1813-1901)が作曲し、1862年に初演されたオペラの序曲です
原田氏の指揮で演奏に入りますが、キビキビとした速いテンポの音楽運びは、切れ味鋭い名刀のようです 中盤の松本健司氏によるクラリネット独奏はこのオペラの悲劇性を物語っていました
2曲目はガーシュイン「ラプソディ・イン・ブルー」です この曲はジョージ・ガーシュイン(1898‐1937)が作曲、1924年に初演されたピアノ協奏曲です クラシックとジャズを融合した作品として知られています
2012年日本音楽コンクール第1位入賞、2014年チャイコフスキー記念国立モスクワ音楽院に首席で入学した経歴を持つ反田恭平がピアノに向かいます 原田氏の指揮で演奏に入ります。冒頭の松本健司氏のクラリネット独奏はスリリングで聴きごたえがありました ソリストの反田氏はロシア音楽が得意であるという情報がありますが、どうしてどうしてアメリカのジャジーなガーシュインもバッチリです 彼の演奏は熱いなかにも詩情を感じる超個性的な演奏です バックのオケもよく彼を盛り立てました
ソリスト・アンコールは何とショパンの「子犬のワルツ」でした これも自由自在というかテンポ動かし放題というか、超個性的な演奏で、しかも説得力を持っていました
プログラム後半の1曲目はボロディン:歌劇「イーゴリ公」から「だったん人の踊り」です この曲はアレクサンドル・ボロディン(1833-1887)が作曲し、1890年に初演されたオペラの第2幕に登場するシーンの音楽です 原田氏の指揮で演奏に入りますが、これはもうオケ総動員のド迫力の演奏で、旋律的にはオーボエやイングッシュホルンの演奏が素晴らしく、ティンパニやシンバルの強打が床面を揺るがします
続いて演奏されるのはラヴェル「亡き王女のためのパヴァーヌ」です この曲はモーリス・ラヴェル(1875-1937)が1899年に作曲した作品ですが、パヴァーヌとはヨーロッパの宮廷で踊られたゆったりした古い踊りの一つです この曲では福川伸陽氏のホルンをはじめオーボエ、フルート、クラリネット、そして弦楽器群が美しい演奏を繰り広げました
次はブラームス「ハンガリー舞曲集」から第1番、第5番、第6番です ヨハネス・ブラームス(1833-1897)は1869年にピアノ連弾曲「ハンガリー舞曲集」を出版しましたが、今回はそのうちポピュラーな3曲を管弦楽曲版で演奏するものです 3曲とも分厚い弦楽器群がN響の底力を発揮します
最後の曲はエルガー:行進曲「威風堂々」第1番作品39-1です この曲はエドワード・エルガー(1857-1934)が1901年に作曲した作品で、イギリスを代表する管弦楽曲として知られています この曲ではパイプオルガンも登場し、管楽器の咆哮、打楽器の強打を中心に堂々たる行進曲を展開します
カーテンコールが繰り返される中、一段と拍手が大きくなったと思ったら、舞台左サイドのピアノに反田恭平氏が再登場しました アンコールはヒナステラのバレエ音楽「エスタンシア」から「マランボ」でしたが、演奏の途中で原田氏は客席の方に振り返り、聴衆に足踏みや手拍子を要請、NHK的視聴者参加型のノリノリの演奏を展開、会場を興奮の坩堝に巻き込みました
この日のプログラムはイタリア、アメリカ、ロシア、ハンガリー、イギリス、アルゼンチンと「世界一周 名曲の旅」といった趣でしたが、元気溌剌・原田慶太楼の指揮のもと”皆さまのNHK”交響楽団はお客様が喜ぶことは何でもやります という姿勢で演奏に臨んでいました