21日(水)。わが家に来てから今日で1603日目を迎え、米国防総省は19日、地上配備型の中距離ミサイルの発射実験を18日に実施して成功したと発表した というニュースを見て感想を述べるモコタロです
北朝鮮のミサイル発射実験を大目に見ていたのは そういうことだったわけね!?
昨日は夕食に、大学時代の友人S君が送ってくれたアジを塩焼きにして、「生ハム&生野菜サラダ」「冷奴」を作りました あとは池袋ISPのN水産で買ってきたイナダの刺身です 冷奴には山芋、ミョウガ、オクラ、削り節が載っています
現在、池袋の新文芸坐では「名画座必修シリーズ 江戸川乱歩」を上映中です
昨日、「黒蜥蜴」と「盲獣」の2本立てを観ました
「黒蜥蜴(くろとかげ)」は江戸川乱歩の原作を三島由紀夫が戯曲化し、深作欣二が監督した1968年製作映画(87分)です
宝石商の岩瀬は、娘の早苗(松岡きっこ)の誘拐と、時価1億2千万円のダイヤ「エジプトの星」の強奪を予告する女賊・黒蜥蜴におびえ、明智探偵(木村功)に警護を依頼する 岩瀬父娘は大阪のホテルに姿を隠したが、隣室には岩瀬の店の顧客・緑川夫人(丸山明宏)が泊まっていた。彼女こそ黒蜥蜴だったのだ 黒蜥蜴は部下の雨宮(川津祐介)を使って早苗をまんまと誘拐したものの、明智は機敏な行動で早苗を奪い返す それから半月後、岩瀬邸から早苗が姿を消した。明智が駆け付けた時には、早苗と引き換えに「エジプトの星」を持参せよという手紙が残されていた 岩瀬は黒蜥蜴に「エジプトの星」を渡したが、早苗は戻らなかった。黒蜥蜴は早苗の美しさにすっかり魅せられ、早苗を人間剥製美術館収蔵の剥製に加えようとしていた 明智は黒蜥蜴の部下に変装して黒蜥蜴の本拠地に忍び込む。黒蜥蜴は明智の変装を見破ったが、警官隊に囲まれ毒を仰ぎ、明智の腕の中で息を引き取る
主人公・黒蜥蜴を演じた丸山明宏は、今さら言うまでもなくスピリチュアルでも有名な美輪明宏です この映画の見どころは彼(彼女)の妖艶な姿と素晴らしい演技力・歌唱力です この作品のテーマソングを歌っていますが、この人は本当に歌が上手いです もう一つは、戯曲化した三島由紀夫自身が出演していることです ナイフを構えて闘うシーンと、剥製にされた身体が映し出されますが、ボディビルで鍛えた肉体は筋肉隆々です 三島は自ら希望してこの映画に出演したそうです。その後 三島は1970年11月25日、「盾の会」のメンバーと共に陸上自衛隊市ヶ谷駐屯地を訪れ、憲法改正のため自衛隊の決起(クーデター)を呼びかけ、割腹自殺を図り死亡しました この映画の2年後に日本の歴史に残る大事件を起こすとは誰が想像できたでしょうか
この作品は、原作を戯曲化したものを映画化しただけあって、極めて演劇的です 黒蜥蜴の台詞回しをはじめ演劇を見ているように感じます また、冒頭シーンでのサイケデリックなセット・衣装は、この映画が製作された1968年という時代を思い出させます
「盲獣」は江戸川乱歩の原作を植村保造が監督した1969年製作映画(84分)です
ファッションモデルの島アキ(緑魔子)は、写真個展会場で 自分がモデルとなった裸像を撫でまわす奇妙な男を目撃する その数日後、アキは 呼んだマッサージ師にクロロホルムを嗅がされ誘拐される その男・道夫(船越英二)は先天的な盲人で、この世で一番素晴らしいのは女体と考え、彫刻に反映する傍ら、理想の女体を求めていたのだった アキは自分がモデルになっている彫刻が完成したら釈放することを条件にモデルを引き受ける アキは道夫が母親しの(千石規子)と異常なまでに強く愛情で結ばれていることに気が付く。アキは意識的に道夫に接近してしのの嫉妬を煽った。しのはアキを追い出そうとしたが、逆に道夫に殺される 母から解放された道夫は獣のようにアキを犯した。二人はやがてより大きな歓喜を求めて身体を噛みあい、傷つけるようになり息絶えていく
この映画は、触覚だけで裸像を作ろうとする盲目の男、彼に異常な溺愛ぶりを示す母親、アトリエに監禁され何とか脱出を図ろうとする女、この3人だけの登場人物が繰り広げる閉鎖的な世界を描いています
最初のうちは何とか脱出して自由の身になろうとする女が、次第に諦めるようになり、そればかりか、自分を拘束する盲目の男に惹かれるようになっていくのがシュールで怖いです
本当の盲人のように、あらぬところを見ているような目つきの船越英二の演技力は凄いと思うし、緑魔子の体当たり演技も見ごたえあるし、息子を女に奪われてなるものかという千石規子の狂気迫る演技も迫力がありました