26日(月)。わが家に来てから今日で1608日目を迎え、韓国の文在寅政権が日本と韓国の軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の破棄に踏み切ったことで、文氏を支持する革新陣営と保守陣営との分断が増幅している というニュースを見て感想を述べるモコタロです
北朝鮮のミサイル発射実験、側近 秘書官のスキャンダルと次々と追い詰められる
昨日、早稲田松竹で「女王陛下のお気に入り」と「サスペリア」の2本立てを観ました
「女王陛下のお気に入り」はヨルゴス・ランティモス監督による2018年アイルランド・イギリス・アメリカ合作映画(120分)です
18世紀初頭、ルイ14世が統治するフランスと交戦中のイングランドでは、揺れる国家と女王のアン(オリヴィア・コールマン)を、女王の幼馴染みで女官長を務めるレディ・サラ(レイチェル・ワイズ)が操っていた そこに、サラの従妹で上流階級から没落したアビゲイル(エマ・ストーン)がやってきて、召使として働くことになる サラに気に入られ、侍女に昇格したアビゲイルだったが、彼女の中に上流階級への復活と生き残りをかけた野望が芽生え始める。サラが戦争終結派と続行派に分かれた権力争いに没頭しているうちに、アビゲイルは少しずつ女王のお気に入りの座をつかんでいく
この映画は、イングランド女王、スコットランド女王、グレートブリテン王国女王だったアン(1665~1714年)が、父の宮廷の女官で 後のマールバラ公チャーチル夫人となるサラ・ジェニングスと幼なじみであり、サラは戦争の続行を女王に助言していたが、女王は次第に和平推進派に傾き始め、サラを憎むようになり彼女を宮廷から追放し、サラの従妹アビゲイル・メイシャムを重用したという史実に基づいて描かれています
史実かどうかは不明ですが、アンは室内でウサギを17匹飼っており、それぞれに名前を付けて呼んでいますが、それは死んでいった自身の子どもたちの名前でした アンは6回の死産、6回の流産を含め生涯に17回妊娠したものの、一人の子も成人しなかったそうです。どれほど悲しかったことでしょう しかし、それほど多くの子どもを妊娠したのに、画面には夫(デンマーク・ノルウェー王フレデリック3世の次男ヨウェン)の姿がまったく現れません。彼を表に出さないことによって女性同士のバトルを際立たせたのだと思います 何かを生かすためには何かを消す必要があるということでしょうか
ところで、アンは肥満体質で、ブランデーが大好きだったとのことで、この映画では痛風を患っている設定になっており、杖をついたり車椅子で移動したりしています
この映画は、何と言ってもアン役のオリヴィア・コールマン、レディ・サラ役のレイチェル・ワイズ、そしてアビゲイル役のエマ・ストーンの個性派女優3人による三角関係の闘いが見ものです
舞台が18世紀初頭となっていることから、バロック(らしい)音楽が全編にわたり使われていましたが、悔しいことに作曲者・作品名は一つも分かりませんでした その一方で、ロベルト・シューマンの「ピアノ五重奏曲変ホ長調作品44」(1842年)の第2楽章冒頭の葬送行進曲風の音楽が2つのシーンで使われていたことに気が付きました 女王陛下の物語にシューマンの音楽・・・斬新だと思います
「サスペリア」はルカ・グァダニ―ノ監督による2018年イタリア・アメリカ合作映画(152分)です
1977年、ベルリンを拠点とする世界的に有名な「マルコス舞曲団」に入団するため、スージー・バニヨン(ダコタ・ジョンソン)は夢と希望を胸にオハイオ州からやってくる 初のオーディションでカリスマ振付師マダム・ブラン(ティルダ・スウィントン)の眼に留まり、すぐに重要な演目のセンターに抜擢される そんな中、マダム・ブラン直々のレッスンを続ける彼女の周りで不可解な出来事が頻発、ダンサーが次々と失踪を遂げる 一方、心理療法士クレンペラー博士は、患者だった若きダンサー、パトリシアの行方を捜すうちに、舞踏団の闇に近づいていく やがて、舞踏団に隠された恐ろしい秘密が明らかになり、スージーの身にも危険が及んでいた
この映画は、ダリオ・アルジェント監督の伝説の傑作「サスペリア」(1975年製作)のリメイク版とのことです あらかじめ「オリジナル版」を観ていれば、この難解なリメイク版を容易に理解することができたと思います 簡単に言ってしまえば、「マルコス舞踏団」は魔女が牛耳る集団だったということですが、予想していたよりもちっとも怖くなかったというのが正直な感想です
舞踏団の生徒たちがモダン・バレエを踊るシーンを観ていたら、いつか映画で観たピナ・バウシュ率いる「ヴッパタール舞踏団」のバレエ・シーンを思い出しました あれを観て「バレエは芸術だ」と思いました