人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

読響サマーフェスティバル「三大交響曲」を聴く~シューベルト「未完成」、ベートーヴェン「運命」、ドヴォルザーク「新世界より」=マルチェロ・レーニンガ-指揮読売日本交響楽団

2019年08月19日 07時20分04秒 | 日記

19日(月)。わが家に来てから今日で1601日目を迎え、東京五輪関連の会議に出席するため、19日に来日予定だった北朝鮮体育省の元吉宇次官らが、来日を急きょ取りやめたことが日朝関係筋の話でわかった というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     来年の東京五輪には 北朝鮮が難民選手団として参加しないように祈るばかりだ

 

         

 

昨日、池袋の東京芸術劇場コンサートホールで「読売日響サマーフェスティバル2019『三大交響曲』」を聴きました プログラムは①シューベルト「交響曲第7番ロ短調D759”未完成”」、②ベートーヴェン「交響曲第5番 ハ短調 作品67 ”運命”」、③ドヴォルザーク「交響曲第9番 ホ短調 作品95 ”新世界より”」です 指揮はブラジル生まれ、クルト・マズアやスラットキンの薫陶を受けたというマルチェロ・レーニンガ-です

 

 

     

 

自席は2階J列35番。センター右ブロック左通路側。会場はほぼ満席です プログラムがクラシックの代名詞的な三大交響曲で、演奏するのが読響ですから それは入るでしょう

オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつもの読響の並び。コンマスは長原幸太です 第2ヴァイオリン首席代行は外園彩香、チェロは首席・富岡廉太郎、ヴィオラはソロの鈴木康治&柳瀬省太という面々。通俗名曲コンサートといっても読響は手を抜きません

1曲目はシューベルト「交響曲第7番ロ短調D759”未完成”」です この曲はフランツ・シューベルト(1797-1828)が1822年に作曲した2楽章までの未完の交響曲です 第3楽章は9小節まで完成、第4楽章はありません 楽譜は長年にわたり埋もれたままになっていましたが、1865年にウィーン楽友協会の指揮者ヨハン・ヘルベックにより発見され、同年12月17日にウィーンで彼の指揮により初演されました

第1楽章「アレグロ・モデラート」、第2楽章「アンダンテ」の2楽章から成ります

レーニンガ-の指揮で第1楽章が低弦の悲し気な旋律で開始されます 第1主題はオーボエとクラリネットで演奏されますが、この二人の演奏が素晴らしい レーニンガーはゆったりめのテンポで音楽を進め、深い情感を醸し出します 第2楽章では木管群の冴えた演奏と、弦楽器の弱音による演奏が静かな感動を誘います この音楽は天国的といっても良いかも知れません

かつてこの曲は、ベートーヴェンの「第5交響曲」とともにクラシック・コンサートで最も多く演奏される作品の一つとして知られていました おそらく、カラヤン指揮ベルリン・フィルによる「未完成/運命」のLPレコードがベストセラーになっていた時期と重なると思います その頃と比べると、未完成と運命は演奏頻度が少なくなっていると思います。私がこれらの曲を聴くのは1年に1回あるかないかだと思います その意味では今回は貴重なコンサートです

2曲目はベートーヴェン「交響曲第5番 ハ短調 作品67 ”運命”」です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)が1807年から08年にかけて第6番「田園」とともに作曲しました この第5番の大きな特徴は冒頭の「運命動機」とでもいうべき主題が様々な形で各楽章に現れ、曲全体を統一するということと、曲全体が「闘争・苦悩から勝利へ」という流れになっていることです

第1楽章「アレグロ・コン・ブリオ」、第2楽章「アンダンテ・コン・モト」、第3楽章「アレグロ」、第4楽章「アレグロ」の4楽章から成ります

ホルンが2本追加され、ピッコロが加わります 舞台袖からレーニンガーが登場し客席に笑顔を見せて指揮台に上がります。この時の一連の動作を見ていて、「第1段階では失格だな」と思いました 私にはベートーヴェンの第5交響曲だけに関して、こだわりがあります 私の理想を体現したのはジョナサン・ノット指揮東京交響楽団の演奏でした ノットは客席に愛想を振りまくどころか、怒ったような顔つきで登場し、そのまま指揮台に上がって、タクトを振り下ろしました その時オケから出てきたのは魂のこもった強烈な音で、聴く側がたじろぐような迫力がありました 冒頭の半端ない緊張感が4つの楽章を通じて持続され、最後の一音が鳴り終わった時、「これこそ、ベートーヴェン これこそ第5番だ」と思いました。この演奏に匹敵するのは、2011年3月11日の東日本大震災の数日前に急逝した宇宿允人(うすきまさと)指揮フロイデ・フィルの演奏だけです そういう演奏を聴いてしまうと、ちょっとやそっとの演奏では満足できなくなります

レーニンガーは快速テンポで演奏を進めます オーボエが良い味を出しています ホルンを倍増したのが功を奏しました 第2楽章では中盤のティンパニの強打が他の指揮者と違うな、と思いました 第3楽章でもホルンが冴えていました 切れ目なく続く第4楽章ではトロンボーンとピッコロが活躍し、管弦楽総動員による熱演でフィナーレを締めくくりました

 

     

 

プログラム後半はドヴォルザーク「交響曲第9番 ホ短調 作品95 ”新世界より”」です この曲はアントニン・ドヴォルザーク(1841-1904)がアメリカ滞在中の1893年に作曲されました 当時ドヴォルザークはニューヨークのナショナル音楽院の初代院長に就任して2年目を迎えていましたが、現地で知った黒人霊歌やアメリカ先住民の民謡などを素材に故郷チェコの音楽を融合させて名曲に仕上げました

第1楽章「アダージョ~アレグロ・モルト」、第2楽章「ラルゴ」、第3楽章「スケルツォ:モルト・ヴィヴァーチェ」、第4楽章「アレグロ・コン・フォッコ」の4楽章から成ります

レーニンガーの指揮で第1楽章に入ります この楽章ではフルート、オーボエをはじめとする木管楽器が冴えわたりました 第2楽章での聴きどころはコーラングレ(イングリッシュ・ホルン)による主題です 日本では「家路」として知られているメロディーですが、期待通りの演奏でした また、この楽章の最後に弦楽器の首席4人の「弦楽四重奏」によりメイン主題が演奏されますが、しみじみと素晴らしい演奏でした 第3楽章はヴィヴァーチェの指示通り「生き生きとした」演奏が展開し、第4楽章ではトランペットとホルンの第1主題が高らかに鳴り響き、展開部では第3楽章までの主題が回想され、クライマックスが築き上げられます

全体を通して読響らしい厚みのある演奏でした 「未完成」や「運命」と違って、「新世界より」は昔も今も演奏される機会が圧倒的に多いだけに、他の指揮者、あるいはオーケストラとの差別化を図るのが難しいのではないか、と思いました

 

     

コメント
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