人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

東京藝大「ウィーン、愛の物語 ~ ウィーンを歌う、ウィーンは謳う」のチケットを取る / 「江戸川乱歩の陰獣」、「江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間」を観る ~ 新文芸坐

2019年08月23日 07時18分10秒 | 日記

23日(金)。わが家に来てから今日で1605日目を迎え、共同通信によると韓国政府は22日、日本と結んでいる軍事情報包括保護協定を破棄することを決めたと発表した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      北朝鮮がミサイル発射実験を繰り返す中  いいんですか? えっ 来年大統領選!?

 

         

 

昨日、夕食に「チキンステーキ」と「キャベツの中華スープ」を作りました チキンステーキを作るのは2度目ですが、とても美味しく出来ました

 

     

 

         

 

11月10日(日)午後3時から東京藝大奏楽堂で開かれる「ウィーン、愛の物語~ウィーンを歌う、ウィーンは謳う」のチケットを取りました これは「東京藝大うたシリーズ2019」の一環として開かれるコンサートです。プログラムは下のチラシの通りで、第1部がリート(モーツアルト、ヴォルフ、マーラー、コルンゴルト、シェーンベルク)、第2部がオペレッタ(レハール、J.シュトラウス2世)となっています 入場料金は全席自由で2000円です

 

     

     

     

         

 

昨日、池袋の新文芸坐で「江戸川乱歩の陰獣」と「江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間」を観ました

「江戸川乱歩の陰獣」は加藤泰監督・脚本による1977年製作映画(118分)です

本格探偵小説家の寒川光一郎(あおい輝彦)に、うなじに赤いミミズ腫れのある人妻・小山田静子(香山美子)が彼のファンだと言って近づいてくる 彼女は寒川に、変格派推理小説家で初恋の相手でもあった大江春泥から脅迫されていると訴える 寒川は自分が一番軽蔑している春泥の名を聞き興味を抱く。脅迫状には、静子と夫の夜の秘事までの完璧な観察記録があり、闇に潜む陰獣のような目に静子は恐れおののいていた 静子が物音がしたという小山田邸の天井裏を探ってみると誰かが這いまわったような跡があり、飾りボタンが一つ落ちていた。寒川は春泥の足取りを探る。そして、寒川の担当編集者で一度だけ春泥と面識のある本田(若山富三郎)は浅草でピエロ姿の春泥を見たと言い出したが、全く彼の足取りはつかめなかった 静子に第2の脅迫状が届き、その予告通り、静子の夫・六郎(大友柳太朗)が隅田川の船着き場に溺死体で浮かび上がった 六郎の通夜の席に顔を出したヘレン・クリスティに寒川は不審を抱いた。そんなある日、ヘレンは寒川をホテルに誘い、自分を鞭で打ってくれと懇願する。その時寒川はヘレンが天井裏で見つけたボタンと同じものが付いた手袋を持っていることを知る それは、六郎が英国出張中に二人で対で買ったもので、ヘレンは六郎の英国での情人だったのだ。寒川はヘレンのマゾヒズムの喜びと、六郎の部屋にあった乗馬鞭、そして静子のうなじのミミズ腫れを思い出し、静子を責めるだけでは満足できなくなった六郎が一連の脅迫犯人ではないか、と推理した しかし、納得できないことがあった。それは、編集者の本田が見た春泥は彼の本の奥付についている写真とは違う人物だったことだ その頃、寒川と静子は とある土蔵を借りて、親密な日夜を送る関係になっていた。ある日、歌舞伎役者の市川荒丸(川津祐介)が殺された。本田は、彼こそが自分が会った春泥だと言った また、小山田家の運転手が六郎からボタンが欠けたまま昨年11月に貰ったという手袋が天井裏のものと同一であることが判明する 春泥=六郎という寒川の推理は根底から崩れた。土蔵に戻ると、静子が寒川にヘレンが彼に懇願したことと同じことを求めてきた。その時 寒川は、一連の事件は変格派の春泥が本格派の自分に対し探偵作家として二重三重の巧妙なトリックを仕掛けてきたものではないかと閃いた そして脅迫状の送り主である春泥の正体を暴く


     


この映画はストーリーが複雑で登場人物も多いことから、ついていくのが大変でした 江戸川乱歩という人は、このような倒錯した世界を描いた作品も残したのだな、と新鮮な驚きを感じました 最後のシーンに登場する「赤い部屋」に象徴される鮮烈な映像美が、「ツィゴイネルワイゼン」の鈴木清順監督を想い起こさせました


         


「江戸川乱歩全集 恐怖奇形人間」は石井輝夫監督・脚本による1969年製作映画(99分)です

人見広介(吉田輝雄)は過去の記憶がない 医学生だった彼は精神病院に閉じ込められているが、その理由も分からない サーカスの少女・初代(由美てる子)が歌う子守歌から記憶を取り戻しかけたが、目の前で少女が殺され、その犯人にされてしまう 逃亡者となった彼は北陸へ向かう列車の中で、自分と瓜二つの菰田源三郎(吉田輝雄)の死亡記事を目にする。広介は埋葬された源三郎が生き返ったように見せかけて源三郎に成りすます。こうして広介は奇妙な生活を送る羽目になる 源三郎の父・丈五郎(土方巽)は生まれながらの奇形で、執事の蛭川(小池朝雄)に家を任せ、沖にある無人島で島を改造しているという 間もなく菰田家で源三郎の妻・千代子が殺される。広介は執事の蛭川,遠縁にあたる娘・静子(賀川雪絵)、下男を連れて島に渡る。丈五郎は奇形人間を作り 島に自らの理想郷を作ろうとしていた。そこでは初代そっくりの秀子(由美てる子)という娘が男と人工的なシャム双生児にされていた 実は広介は源三郎の弟であり,広介が医大に通っていたのは丈五郎が奇形人間の製造を任せるためだったのだ 広介は自らが源三郎ではなく広介であると丈五郎に打ち明け、愛し合うようになった秀子に外科手術を施し、もとの身体にしてやる ところが、秀子には出生の秘密があった。秀子は丈五郎が浮気を憎んだ妻・ときをせむし男に犯させて生ませた子で、広介と秀子は兄妹だったのだ 丈五郎はピストルを出し、広介に奇形人間製造の協力を求めるが、下男の正体は明智小五郎であり、ピストルの弾はすでに抜かれていた。明智は執事の蛭川が静子と愛人関係にあるうえに、丈五郎を殺そうとして間違って千代子を殺してしまったことなどを暴く 計画の不可能を悟った丈五郎は自殺し、愛し合うようになった秀子と広介は心中し、花火となって空中に四散した

 

     


映画の冒頭で、精神病院の独房に拘束されている人見広介が「おれは気違いじゃない。ここから出してくれ」と叫ぶシーンがあります。この映画が作られた当時は「気違い」という言葉は普通に使われており、精神病院のことを気違い病院と呼ぶ 心ない人たちもいました   人権意識が高まってきた令和の時代、「野球気違い」などと言うことはあっても、「気違い病院」と言う人はいません

この映画とは直接の関係はありませんが、昨日の朝日新聞朝刊「オピニオン&フォーラム」欄に東京都立松沢病院の斎藤正彦院長のインタビューが載っていました 内容は、日本の精神医療は海外に比べて多い病床数や身体拘束、長期入院など、とかく人権上の課題を指摘されてきたが、松沢病院は身体拘束を大幅に減らすなど大胆な改革を進めているというものです ただし、理想の医療を追求するためには「年間65億円稼ぎ、130億円を使う」ため赤字が恒常化しているとのこと 斎藤院長は「精神医療の目的は、精神に障害があっても、ふつうに生活できるようにすることです 多額の税金によって運営される公立病院は、採算にとらわれずに必要とされる医療を提供するだけでなく、民間医療機関を支援し、精神医療を取り巻く環境全体を向上させなければなりません。できるだけ多くのニーズに応えるためにも、納税者が納得してくれる経営効率の達成は前提条件です」と語っています

この映画で言えば、常軌を逸した丈五郎こそ精神病院に長期入院しているべき人物だったのです

もう一つ、この映画で気になったのは「裏日本」という言葉です これも当時は普通に使われていた言葉です。つまり太平洋側にある地方の「表日本」に対する日本海側にある地方の「裏日本」です。これについては、「裏日本」という呼び方が差別的な印象を受けることから、NHK等でも表現方法を再考するようになり、現在では使われなくなっており、太平洋側、日本海側と表現しています 「歌は世につれ、世は歌につれ」と言いますが、「言葉は世につれ、世は言葉につれ」と言い換えても良いかも知れません 昔の映画は、その時代の風俗・風景を映し出しているので、それらを観るだけでも面白いと思います

映画のラストはカラフルな打ち上げ花火が夜空に咲くシーンですが、花火に混じって広介と秀子の首が浮かんでは消えていく場面はシュールでした


     

コメント
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