29日(金)。わが家に来てから今日で1887日目を迎え、環境省は、環境対策として進めている「クールビズ」や「ウォームビズ」の実施期間や室温を一律に設定するのをやめる方針である というニュースを見て感想を述べるモコタロです
人間はいろいろと大変だねぇ ぼくたちは毛皮1枚だから1年中変わらないもんね
昨日、新国立劇場「オペラハウス」でヴェルディ「椿姫」を観ました キャストはヴィオレッタ=ミルト・パパタナシュ、アルフレード=ドミニク・チェネス、ジェルモン=須藤慎吾、フローラ=小林由佳、ガストン子爵=小原啓楼、ドゥフォール男爵=成田博之、ドビニー侯爵=北川辰彦、アンニーナ=増田弥生、ジュゼッペ=中川誠宏ほか。管弦楽=東京フィル、合唱=新国立劇場合唱団、指揮=イヴァン・レプシッチ、演出=ヴァンサン・ブサールです
パリの社交界の高級娼婦ヴィオレッタは、富豪の息子アルフレードからの求愛にためらいながらも真摯な愛に心を開く 二人はパリ郊外で一緒に暮らすが、アルフレードの父ジェルモンがヴィオレッタを訪れ、自分の娘の縁談のためにも二人の関係を終わらせるよう頼む。ヴィオレッタは涙をのんで身を引く
これを裏切りと捉えたアルフレードは夜会で彼女を罵倒するが、やがて誤解と分かった時はすでに遅く、再会を喜ぶヴィオレッタは病床で愛するアルフレードの腕に抱かれ息途絶える
私が新国立劇場のオペラ「椿姫」の公演を観るのは2004年、2008年、2011年、2015年、2017年に続いて6回目で、そのうちヴァンサン・ブサールの演出で観るのは3度目です
昨日のプルミエ(初日)公演の印象をひと言でまとめると「容姿・歌唱力・演技力ともにヴィオレッタの要件を備えたソプラノのパパタナシュと、前奏曲から第3幕フィナーレまで歌手に寄り添いつつ悲劇を歌い上げたイヴァン・レプシッチ指揮東京フィルの繊細な演奏が際立った公演」でした
ヴィオレッタを歌ったミルト・パパタナシュはギリシャ生まれのソプラノですが、ウィーン国立歌劇場、メトロポリタン歌劇場をはじめ世界中のオペラ劇場で活躍しています 新国立オペラでは2010年のモーツアルト「フィガロの結婚」の伯爵夫人を歌って以来の出演です
ひと言でいえば「歌う女優」と表現するのが相応しいほどヴィオレッタに求められる容姿と歌唱力・演技力を兼ね備えています
第1幕で歌う「ああ、そはかの人か~花から花へ」、第3幕で歌うシェーナ「さようなら、過ぎた日よ」、そしてアルフレードと歌う「パリを離れて」・・・・最弱音から最強音まで 叙情的に そしてドラマティックに歌い上げます
日本人歌手で健闘したのはジェルモンを歌ったバリトンの須藤慎吾です 国立音大卒で藤原歌劇団団員ですが、説得力のある歌唱が印象に残りました
カーテンコールではアルフレードを歌ったドミニク・チェネスよりも多くの拍手とブラボーを受けていました
ヴァンサン・ブサールの演出は、床面と側面を鏡張りにすることによって幻想的な世界を描き出すことに成功していました ただ、何度見ても分からないのは、第2幕のパリ郊外の二人の住居のシーンで、白いパラソルが空に浮いていることです
オペラ「椿姫」を観るたびに つくづく思うのは、ヒロインのヴィオレッタを歌う歌手は実力・気力・体力ともに備えていないと、とても最後まで務まらないだろうな、ということです 今回のパパタナシュのヴィオレッタを観て強くそれを感じました