人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

辻村深月著「東京會舘とわたし(上)旧館 &(下)新館」を読む ~ 大手町に建つ東京會舘をめぐる10の感動物語

2019年11月01日 07時19分22秒 | 日記

1日(金)。わが家に来てから今日で1859日目を迎え、河合克行法相は31日、7月の参院選初当選した妻の案里氏の陣営が公職選挙法で定められた上限を超える報酬を運動員に支払った疑惑をめぐり、安倍晋三首相に辞表を提出した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      菅原経産相に次いで2人目 二度あることは三度ある 文春砲の次の標的は誰だ!?

 

         

 

昨日、夕食に「チキンソテー」と「シメジとチンゲン菜のスープ」を作りました 「チキン~」は半熟卵との相性が抜群です

 

     

 

         

 

辻村深月著「東京會舘とわたし(上)旧館」と「東京會舘とわたし(下)新館」(文春文庫)を読み終わりました 辻村深月(つじむら・みづき)は1980年山梨県生まれ。千葉大学教育学部卒業。2004年「冷たい校舎の時は止まる」で第31回メフィスト賞を受賞してデビュー 11年「ツナグ」で第32回吉川英治文学新人賞、12年「鍵のない夢を見る」で第147回直木賞、18年「かがみの狐城」で第15回本屋大賞を受賞しています

この作品は、今年デビュー15周年を迎えた辻村深月が、自身の直木賞の授賞式が行われた思い出深い東京會舘を舞台に、ある章では會舘の従業員を主人公として、ある章では會舘を利用する顧客を主人公として、小説として書き上げたものです

小説は平成27(2015)年1月31日に、2012年7月17日に直木賞を受賞した小椋真護(つまり辻村深月)が、東京會舘の社長に「東京會舘の物語を書きたい」としてインタビューするシーンから始まります(「プロローグ」)。小椋は社長から會舘での経験談を聞き、會舘に関する歴史資料に読み込んでそれを小説として仕立て上げていきます

上巻(旧館)は次の章立てで構成されています

プロローグ

第1章「クライスラーの演奏会」 大正12(1923)年5月4日

第2章「最後のお客様」 昭和15(1940)年11月30日

第3章「灯火管制の下で」 昭和19(1944)年5月20日

第4章「グッドモーニング、フィズ」 昭和24(1949)年4月17日

 

     

 

下巻(新館)は次の章立てで構成されています

第6章「金環のお祝い」 昭和51(1976)年1月18日

第7章「星と虎の夕べ」 昭和52(1977)年12月24日

第8章「あの日の一夜に寄せて」 平成23(2011)年3月11日

第9章「煉瓦の壁を背に」 平成24(2012)年7月17日

第10章「また会う春まで」 平成27(2015)年1月31日

新 章「おかえりなさい、東京會舘」 平成31(2019)年1月8日

 

     

 

この本を読んで初めて知ったのは、大正11(1922)年創業以来、東京會館という表記だったのが、第二次世界大戦の戦時中は「大東亜会館」と改名させられ、戦後マッカーサーが東京に赴任すると連合国軍の高級将校用宿舎クラブ「アメリカン・クラブ・オブ・トーキョー」とされ、その3年後には「ユニオン・クラブ・オブ・トーキョー」となり、現在の「東京會舘」(注:會館ではない)に定まったのは昭和27(1952年)だったこと そして、旧館の時代から現在に至るまでホテルのような宿泊施設はなく、もっぱら結婚式やパーティー、レストランなどがメインの業務になっていること。さらに、昭和46(1971)年の改築に次いで平成31(2019)年1月に2度目のリニューアル・オープンを迎え、現在の建物は3度目の顔であることです

10の物語は、それぞれが感動的ですが、特に印象深かったのはレストランの給仕の心配りを描いた「金環のお祝い」、越路吹雪のディナーショーの裏話を描いた「星と虎の夕べ」、3.11東日本大震災とカレーを描いた「あの日の一夜に寄せて」です

上下巻を通じて語られていることは、社長から料理長、バーテンダー、ケーキ職人、玄関係(ドアマン)に至るまで、従業員がいかに東京會舘に誇りを持ち愛しているかということです 彼らに絡めて、會舘を利用する人々の人間模様を描き出しています

個人的なことを言えば、残念ながら丸の内の東京會舘を利用したことはありません 内幸町の日比谷シティ店は職場がすぐ近くだったので何度かランチや懇親会でお世話になりましたが、ホームページを見たら、丸の内の本館のリニューアル・オープンに伴って昨年末に閉店したようです。寂しいです

この本を読み終わって、「辻村深月という小説家はよほど東京會舘が好きなんだなぁ」と思って 本に挟み込まれていたチラシを見たら、次のように書かれていました

 

     

コメント
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