人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

ジョナサン・ノット ✕ 東京交響楽団でマーラー「交響曲第7番 ホ短調」、ベルク「管弦楽のための3つの小品」を聴く

2019年11月17日 07時21分21秒 | 日記

17日(日)。わが家に来てから1875日目を迎え、米議会下院の情報特別委員会は15日、ウクライナを巡るトランプ大統領の不正疑惑についての公聴会を開き、マリー・ヨバノビッチ元駐ウクライナ大使が出席したが、トランプ氏は公聴会中に「ヨバノビッチ氏が赴任した国はどこも悪い状況になった」とツイッターで批判した というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      証人を貶める発言は「調査妨害」として弾劾訴訟の根拠になる恐れがあるんだぜ

 

         

 

昨夕、サントリーホールで東京交響楽団の第675回定期演奏会を聴きました プログラムは①ベルク「管弦楽のための3つの小品 作品6」、②「交響曲第7番 ホ短調 ”夜の歌”」です 指揮は東響第3代音楽監督 ジョナサン・ノットです

 

     

 

オケは左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対向配置をとります。コンマスは水谷晃です

1曲目はベルク「管弦楽のための3つの小品 作品6」です   この曲はアルバン・ベルク(1885-1935)が1914年から翌15年にかけて作曲、その後1929年に改訂した作品です 第1曲「前奏曲」、第2曲「輪舞」、第3曲「行進曲」から成ります

石川亮子さんによるプログラム・ノートには、この曲は「作品にはシェーンベルクとともに、ベルクが敬愛したマーラーの影響が色濃い」と書かれていますが、演奏を聴く限り、確かに大管弦楽による秩序だった曲想は認められるものの、マーラーの影響は感じられませんでした こういう曲は疲れます

 

     


プログラム後半はマーラー「交響曲第7番ホ短調”夜の歌”」です この曲はグスタフ・マーラー(1860-1911)が1904年から1906年にかけて作曲、1908年に初演されました 「夜の歌」という愛称は第2楽章と第4楽章のタイトル「夜曲(ナハトムジーク)」に由来します 第1楽章「ラングザーム:アレグロ・リゾルート、マ・ノン・トロッポ」、第2楽章「ナハトムジーク:アレグロ・モデラート」、第3楽章「スケルツォ」、第4楽章「ナハトムジーク:アンダンテ・アモロ―ソ」、第5楽章「ロンド~フィナーレ:アレグロ・オルディナリオ」の5楽章からなります

管楽器は4管編成です。ステージ中央の管楽器の手前にはギター奏者とマンドリン奏者がスタンバイします。これは「ナハトムジーク」用です

ノットの指揮で第1楽章に入ります。この楽章では、ホルンが活躍し、中盤でクラリネットとオーボエがベル・アップ奏法を見せました 第2楽章は冒頭、ステージ上のホルンと、舞台袖の裏で吹くホルンとの対話がありますが、舞台袖のホルンの音がやや大きすぎるように思いました もっと奥で吹くか、小さな音で吹くかした方が立体感が出たのではないかと思います 第3楽章は、まるで魑魅魍魎がワルツを踊っているような不気味な音楽が展開します 水谷晃のヴァイオリン・ソロ、青木篤子のヴィオラ・ソロが冴えました そして、問題の第4楽章「ナハトムジーク」に入ります マーラーはこの楽章のためにギターとマンドリンを採用しました。「ナハトムジーク」すなわち「夜の歌=セレナーデ」は、男が女の部屋の窓辺でギターやマンドリンの伴奏で求愛の歌を歌うもの。夜の歌には欠かせない楽器です しかし、マンドリンは微かに音が聴こえるものの、ギターはほとんど聴こえません これはこの日の演奏に限らず、私の聴いた過去の演奏がすべてそうでした CDやDVDであれば特定の楽器の音を増幅することができるので、マーラーの意図がストレートに伝わってくるのですが、ライブだと、オケの音に掻き消されてしまいます この楽章を聴くたびに残念な思いに囚われます これはマーラーの責任でしょうか、あるいは指揮者の責任でしょうか

第5楽章はロマンティックなセレナードの世界から一転、ティンパの連打と金管のファンファーレによって「何の悩みもないかのような」能天気とでも言うべき派手な音楽が展開します この楽章に至って、ノットはメリハリの効いた速めのテンポにより、東響から集中力に満ちた筋肉質な熱演を引き出しました

最後の音が鳴り終わるや否や、満場の拍手とブラボーが飛び交いました

終演後、カラヤン広場に出ると、何とも早めのクリスマス・ツリーが輝いていました

 

     

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