人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

小林研一郎 ✕ 川久保賜紀 ✕ 東京フィルでベートーヴェン「ヴァイオリン協奏曲」、同「交響曲第7番」を聴く ~ 文京シビック”響きの森クラシック・シリーズ”

2021年03月28日 07時22分38秒 | 日記

28日(日)。わが家に来てから今日で2269日目を迎え、北朝鮮の李朝鮮労働党書記は26日、バイデン米大統領が25日の北朝鮮による短距離弾道ミサイルの発射は国連決議に違反すると批判したことについて「国家の自衛権に対する露骨な侵害であり、挑発だ」と反発した  というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

     北朝鮮は国連決議など何とも思っていない  金正恩王朝を守るためなら何でもやる

 

         

 

昨日、午後3時から文京シビックホールで「響きの森クラシック・シリーズ」を、午後6時からサントリーホールで東京交響楽団「第688回定期演奏会」を聴きました ここでは「響きの森クラシック・シリーズ」公演について書きます

プログラムは①ベートーヴェン「ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品61」、②同「交響曲第7番 イ長調 作品92」です 演奏は①のヴァイオリン独奏=川久保賜紀、管弦楽=東京フィル、指揮=小林研一郎です

自席は1階25列20番、センターブロック左から4つ目です。会場は市松模様配置ですが、かなり埋まっています

オケは左から第1ヴァイオリン、第2ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、その後ろにコントラバスという いつもの東京フィルの並び。コンマスは依田真宣です

 

     

 

1曲目はベートーヴェン「ヴァイオリン協奏曲 ニ長調 作品61」です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770‐1827)がアン・デア・ウィーン劇場のコンサートマスター、フランツ・クレメントのために1806年に作曲、同年12月に同劇場でクレメントの独奏で初演されました 第1楽章「アレグロ・ノン・トロッポ」、第2楽章「ラルゲット」、第3楽章「ロンド:アレグロ」の3楽章から成ります

グリーン系の鮮やかな衣装に身を包まれた川久保賜紀がコバケンと共に登場し、さっそく第1楽章に入ります 曲全体を支配するティンパニの4連打で開始されますが、かなりゆったりしたテンポで演奏が進みます おもむろにヴァイオリン・ソロが入ってきてからもテンポは変わらないまま音楽が進みます 川久保は一音一音を説得するように丁寧に音を紡いでいきますが、若干テンポが遅すぎるきらいがあり、ちょっと引っかかるところが見られました ベートーヴェン自身はこの曲のカデンツァは書きませんでしたが、コンサートではヨアヒムの手によるものが良く演奏されます。この日川久保の演奏したカデンツァはこれまで聴いたことのない曲想だったので、ヨアヒム以外の演奏家の手によるものと思われます これは見事な演奏でした 第2楽章に入ってもゆったりしたテンポは変わらず、川久保はメロディーラインを美しく聴かせることに心を砕いているように思えました 第3楽章に入ってやっと普通のテンポになり、独奏ヴァイオリンとオケとのやり取りが楽しく聴けました この曲は、チャイコフスキーのヴァイオリン協奏曲のように情熱的に盛り上がる性質の曲ではないだけに、聴く人の心に訴えるのが難しい曲だと思います 川久保が初めてこの協奏曲を弾いたのは12年前だそうですが、彼女の演奏を見ていると、オケとの間合いを取りながら慎重に音楽を進めていくのが垣間見られ、まだ”自分のもの”とするまでに至っていないように思えました

川久保はアンコールにバッハ「無伴奏ヴァイオリン・パルティータ第2番」から「サラバンド」を演奏し大きな拍手を浴びました

 

     

 

プログラム後半はベートーヴェン「交響曲第7番 イ長調 作品92」です この曲は1811年から翌12年にかけて作曲、1813年4月にウィーンのルドルフ大公邸で私的に初演された後、同年12月にウィーン大学講堂で公開初演されました 第1楽章「ポコ・ソステヌート~ヴィヴァーチェ」、第2楽章「アレグレット」、第3楽章「プレスト」、第4楽章「アレグロ・コン・ブリオ」の4楽章から成ります

音楽の3要素が「リズム」「メロディー」「ハーモニー」だとすれば、この曲はリズムを強調した作品です リヒャルト・ワーグナーはこの曲について「舞踏の権化」と呼びましたが、各楽章に登場するリズム・パターンを繰り返し強調することで、独特の推進力を生み出します

コバケンの指揮で第1楽章が開始されますが、冒頭から、ヴァイオリン協奏曲でソリストを立てるために抑え気味だった気持ちを、一気に爆発させるかのような迫力に満ちた演奏が展開します 高橋巨宣 率いる4本のホルンが素晴らしい演奏を展開します 第2楽章は葬送行進曲風の哀愁を帯びた音楽が続きますが、初演時にはアンコール演奏されたと言われています 一度聴いたら忘れられない素晴らしい音楽です 第3楽章は実質的なスケルツォです。中間部での伸びやかなトリオでは、弦楽器と木管楽器との会話が楽しく聴けました 第4楽章はまさにリズムの権化です オケが半狂乱になったかのようにシンコペーション風に音楽が進みます 終盤におけるチェロとコントラバスの重低音が半狂乱に拍車をかけます 力強く爽快な演奏でした

終演後、拍手をしながら時計を見ると17時になろうとしているところでした ほぼ間違いなくコバケンはアンコールをやるだろうし、それを聴いていたらサントリーホールでのコンサートがギリギリになってしまうーと判断し、拍手が続く中、会場を後にしました 地下鉄南北線に乗り、「今頃アンコールにコバケンの十八番『ダニーボーイ』でも演奏しているんだろうな」と思いながらサントリーホールに向かいました サントリーホールでは、6月の「サントリーホール  チェンバーミュージック・ガーデン」の「ベートーヴェン・サイクル」(全6回)の引換券を個券6枚と引き換えなければならないので、時間的な余裕が欲しかったという事情もありました

18時からサントリーホールで開催された東京交響楽団 「第688回定期演奏会」(井上道義のショスタコーヴィチ!)の模様については、次のブログであらためてご紹介します

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